2014年9月19日(金)16時より、原子力規制委員会、 田中知(たなか・さとる)委員および石渡明(いしわたり・あきら)委員の就任会見が開催された。
2014年9月19日(金)16時より、原子力規制委員会、 田中知(たなか・さとる)委員および石渡明(いしわたり・あきら)委員の就任会見が開催された。
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冒頭に行われた挨拶では、田中委員は「本日辞令を頂き、一層身が引き締まる思いだ。全力を尽くし、責任を果たして行きたい」と、石渡明委員は「地球科学者の立場から、原子力規制委員の仕事に邁進していきたいと考えている」と述べた。
地質学の専門家である石渡委員には、今後の地震、火山、津波に関する審査をどう進めていくのかという質問が続いた。
「私のほうが(島崎邦彦・前委員長代理より)専門に近いと思っている」と石渡氏。しかし、本格的な火山への対応は始まったばかりなので、今後スムーズに軌道にのせていきたい考えを示した。日本海側での研究が不足しているという指摘に対しては、金沢大学で22年間勤務してきた中で、全国の活断層調査に大きな進歩があり、遅れている事はないという認識を示した。
ただし、島崎邦彦・前委員長代理と同じく、地震、津波に関する知見には不確かさがあるため、「安全側に見ていくのは当然だ」と明言。それが川内原発の工事認可の申請に影響するのか、まだここで具体的に言う立場ではないという。しかし、自分が采配を取り、普遍的な枠組みを作りたいと意気込みを見せた。
田中委員は、放射性廃棄物は専門とするところであり、更田豊志委員をサポートする観点でこれから具体的に考えていきたいという。廃炉については、トータルなリスク逓減、廃棄物の基準をどうするかも重要な課題で、早急に検討したい考えを示した。
田中委員には、原発の再稼働・稼働を推進する考えが強いという世論の声もある。それに関する記者の質問に対し、「特にプレッシャーは感じていない。独立性をもってしっかりやるのが重要」と答えた。また、職務として担当することになった”もんじゅ”の将来性や、日本原燃等からの報酬についても記者から質問があがったが、政策に関するコメントは控えると回答。
加えて、原子力に関わる全ての組織と専門家は「安全向上に真剣に取り組む必要がある」と述べ、その上で「それができない組織と専門家は原子力に携わる資格はない」と、安全に対する重要性を強調した。
■jaikoman氏によるツイート