「情報戦」の時代をどう生き抜くか? メディア報道危機を検証!【第1部】勃発から2年が経過! ウクライナ紛争をめぐる「半ポスト真実」を見極める!〜岩上安身によるインタビュー 第1146回 ゲスト 在野研究者・嶋崎史崇氏 2024.2.28

記事公開日:2024.3.8取材地: テキスト動画独自
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(文・IWJ編集部)

特集 ロシア、ウクライナ侵攻!!
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 岩上安身は、2024年2月28日、『ウクライナ・コロナワクチン報道にみるメディア危機』の著者で、新進気鋭の若手在野研究者である嶋崎史崇氏にインタビューを行った。

 嶋崎氏は、1984年生まれの東京都出身で、中学・高校時代をオーストリア・ウィーンで過ごし、現地の高校を卒業後、東京大学に入学し、哲学を専攻した。卒業論文と修士論文では、M・ハイデガーを取り上げた。

 嶋崎氏は、2011年以後は、大学等の公認の研究機関に職業的に所属せず、在野で個人として執筆・研究活動を継続、名古屋哲学研究会の機関誌『哲学と現代』にも寄稿してきた。

※24年3月号掲載予定「思想としてのコロナワクチン危機―医産複合体論、ハイデガーの技術論、アーレントの全体主義論を手掛かりに」

 また、嶋崎氏は、2023年からは、新興ウェブメディア『ISF独立言論フォーラム』に記事、書評等を寄稿している。

 嶋崎氏は、「現代の様々な問題を、哲学・思想の視点を入れながら考察するのが、私の個人的目標」だと、述べている。

 第1回インタビューでは、「ウクライナ報道問題」について、寺島隆吉・岐阜大学元教授、評論家の塩原俊彦氏、映画監督のオリヴァー・ストーン氏、遠藤誉・筑波大学名誉教授、伊勢崎賢治・東京外国語大学教授など、少数派ではあっても、重要な見解を述べている専門家・有識者による著作や発言等を、紹介した。

 岩上安身は、1月22日に、嶋崎史崇氏も注目していたロシア・ウクライナ研究の第一人者である評論家で、元日本経済新聞記者・元朝日新聞モスクワ特派員・元高知大学大学院准教授の塩原俊彦氏にインタビューを行った。こちらも、ぜひあわせて御覧いただきたい。

 インタビューの第2回では、第1回で紹介した、オリバー・ストーン監督の映画『ウクライナ・オン・ファイヤー』や、『リヴィーリング・ウクライナ』を参照し、日本人があまり知らない、ウクライナの民族主義者とナチスの関係、2014年のウクライナでのユーロマイダン・クーデターから現在のウクライナ紛争に至る経緯と、西側の支配的なシナリオ、事実を報じない西側メディアなどに焦点をあてて、検証した。

 第2次大戦時、当時はポーランドの支配下にあった、現在のウクライナ西部を中心に、ポーランドからの独立を目指す民族解放運動指導者として台頭したステパン・バンデラらは、民族の解放や自立どころか、ポーランドを侵略してナチス・ドイツと一体化し、ソ連の赤軍と戦い、その途上で、ロシア人、ポーランド人、ユダヤ人らを殺戮するポグロムに手を染めた。独ソ戦で、ドイツ軍が敗走すると、バンデラたちもナチスと共に殺された。

 第2次大戦後、米国のCIAは、こうしたナチスと一体化してしまった、いびつなウクライナ民族主義勢力を、反ソ連の活動家として、利用し続けてきた。

 2014年のユーロマイダン・クーデターで、過激な反政府暴動を繰り広げたのは、このバンデラを英雄として崇め奉る「右派セクター」らネオナチであり、ヴィクトリア・ヌーランド米国務次官(当時は国務次官補)や、共和党のジョン・マケイン議員などが、キエフでこの極右の運動を煽った。

 マケイン議員は、「ロシアはもはや国家ではない、(石油が出る)ただのガソリンスタンドだ」などとロシアを侮り、罵倒し、ウクライナのネオナチの背中を押したのである。

 ウクライナのネオナチ達は、「我々には米国がバックについている」と、かつてバンデラがナチスと一体化して気が大きくなったように、今度は米国・NATOと一体化して、手始めにロシア系住民に対する、迫害、殺戮をはじめた。

 さらに、インタビューでは、1991年のソ連崩壊とウクライナ独立から、2014年のユーロマイダン・クーデターまでの経緯を紹介した。親露派のヤヌコヴィッチ政権が打倒されるきっかけとなった、2014年2月20日の銃撃戦をめぐっては、ウクライナ系カナダ人政治学者のイヴァン・カチャノフスキー氏によって、2015年、そしてさらに詳細な研究が2023年に発表され、100人を超える大虐殺の犯人が、親欧米派の反政府側支配下に配置されたスナイパーによるものだったことが明らかにされたにも関わらず、西側メディアは、その調査結果を報じなかった。

 日本のウィキペディアでは、彼(カチャノフスキー氏)のことを実名をあげず、わざわざ「ロシア人」と虚偽の記述がなされ、その信頼性をおとしめている。

 また、米国のバイデン大統領がオバマ政権の副大統領だった当時、次男であるハンター・バイデン氏が、ウクライナの資源会社ブリスマの取締役となったことや、バイデン一族の汚職疑惑を追及していたウクライナの検事総長を、バイデン氏が脅して解任に追い込んだことなど、米国のウクライナへの関与について、詳しく検証した。

 なお、ウクライナ軍の「反転攻勢」が失敗に終わり、ウクライナ紛争の「第2幕」が停戦どころか欧州各国が直接ロシアと敵対して、ウクライナを戦場として戦う構図となりつつあることを、「速報」として、YouTube他、SNSでも先出ししている。こちらも、ぜひあわせて御覧いただきたい。

※インタビューの内容は、全て嶋崎氏個人見解であり、いかなる組織の意見も代表しません。なお嶋崎氏の話の根拠となるURLなどの資料は、以下のサイトの「資料公開」欄からダウンロードできます。ご質問もこのサイトを通じて受け付けます。
https://researchmap.jp/fshimazaki/

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  • 日時 2024年2月28日(水)16:30~
  • 場所 IWJ事務所(東京都港区)

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