【IWJ号外】米国の独立ジャーナリスト、エヴァン・リーフ氏が、シオニストが『最終的解決』へと突進している、『ファシストに人間性があると思い込むことは、多くの人々が犯す最後の過ち』だと警告! 2024.1.6

記事公開日:2024.1.6 テキスト
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(文・IWJ編集部)

特集 中東
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 IWJ代表の岩上安身です。

 米国の独立ジャーナリストである、エヴァン・リーフ氏(※IWJでは、いくつかの記事で「エヴァン・ライフ」と表記してきましたが、以後は「リーフ」と表記を統一します)が、『サブスタック』の「DD地政学研究所」のアカウントで、「権力の無作法な誇示――シオニストの絶滅戦争」とする記事を12月18日に発表しました。

 こちらの記事の一部は、『日刊IWJガイド』1月5日号で引用して紹介しましたが、反響も大きく、シオニストの本性に迫る鋭い内容の全文もお読みいただきたく、IWJでその全文の仮訳を試みました。

・【第1弾! イスラエルの極右政党「宗教シオニスト党」の党首であり、連立政権の財務大臣をつとめるベツァレル・スモトリッチ氏が、ユダヤ人にガザ地区への再入植を呼びかける!】パレスチナ人を虐殺し追放した土地に、イスラエルの不動産会社が「海辺のドリームハウス」を計画!? シオニストは、どこまで無神経なのか!?(AFP、1日ほか)
会員版:(日刊IWJガイド1月5日号)
非会員版:(日刊IWJガイド1月5日号)

 『カバート・アクション・マガジン』によると、リーフ氏のプロフィールは以下のように紹介されています。

 「エヴァン・リーフは、米国サウスダコタ州西部の小さな鉱山町で、鉱山労働者と図書館員の息子として生まれた。

 労働組合の組織者としての父親の闘いと、産業空洞化に対する地域社会の闘いが、エヴァンの左翼政治への深い関心を育んだ。これは、彼の歴史への愛と相まって、彼を断固たる反ファシストに育てた。

 執筆、研究、仕事以外の時間は、エヴァンは釣り、射撃、中華料理を楽しんでいる」。

 リーフ氏は、イスラエル占領軍(IOF、※IWJ注)による、12月15日に起きた自国民である人質を3人射殺した事件と、12月16日に起きたガザにあるカトリック教会への攻撃で、避難していた民間人を殺害した事件をとりあげ、IOFがその本性をむき出しにして、残虐さを過激にエスカレートしていると警告しています。

(※IWJ注)リーフ氏は、イスラエル政府が用いる「イスラエル国防軍(IDF、Israel Defense Forces)」ではなく、パレスチナ側から見た「イスラエル占領軍(IOF、Israeli Occupation Forces)」という呼称を用いている。国連人道問題調整事務(OCHA)やパレスチナ人権センターも「IOF」を用いている。

 IWJも、イスラエル軍による自国民人質射殺事件を取り上げました。

・【第2弾! ガザ北部シェジャイヤ地区で、イスラエル国防軍がイスラエル人の人質男性3人を殺害! 殺害された3人の男性たちは上半身裸で白旗を掲げていた!】イスラエル国防軍の無差別殺戮が導いた「悲劇」はこれからも起こりうる! 人質家族は「平和のうちに人質が解放されること」を望むと表明!(『タイムズ・オブ・イスラエル』、2023年12月15日ほか)
会員版:(日刊IWJガイド、2023.12.18日号)
非会員版:(日刊IWJガイド、2023.12.18日号)

 リーフ氏は、「IOFはガザで動くものすべてを無差別に銃撃している」と指摘、「ファシストに人間性があると思い込むことは、多くの人々が犯す最後の過ち」だと警告しています。

 「IOFがガザに入ったのは、人質を救うためでも、ハマスの殲滅のためでも、10月7日の復讐のためでもない。ガザの人々を絶滅させ、入植のために土地を奪取するためなのだ」とリーフ氏は、明言しています。

 IWJも10月7日の開戦以来、イスラエルの民族浄化作戦について指摘してきました。

・「ヨム・キプール」戦争から50年、イスラエルの安全保障に衝撃! パレスチナを実効支配するハマスが「アル・アクサの嵐作戦」を展開、イスラエルに奇襲! イスラエルはハマスに宣戦布告、「鉄の剣作戦」を展開! ネタニヤフ首相は「我々は今戦争中だ」と国民に檄! ハマスの、3500発以上のロケット弾をイスラエルに打ち込むと同時に陸上部隊をイスラエル南部に侵攻させるという複合作戦について、「背景にいるのはイラン」だとイスラエル側は非難! イランから支援を受けるヒズボラも参戦! 中国は即時停戦を主張! 中東における米国の存在感の低下が露呈!
会員版:(日刊IWJガイド、2023年10月10日号)
非会員版:(日刊IWJガイド、2023年10月10日号)

 その一つの証拠として、リーフ氏は、イスラエルの不動産会社が公開している、パレスチナ人を追放した後に開発する「夢の海辺の家」のポップな広告を紹介しています。パレスチナ人の血と涙の上に建つ、シオニストの「夢の家」のグロテスクさには言葉を失います。

 詳しくは、IWJが全文仮訳・粗訳した、以下のリーフ氏の記事をお読みください。

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 「ジョー・バイデンの犯罪政権から最新の弾薬供給[原注1]と保証を受けとったシオニストの占領軍は、ガザで自由に仮面を脱ぐことができるようになった。彼らはもはや、自分たちの正体を偽る気など微塵もない。つまり、『原住民の土地から人口を減らすためにやって来た絶滅実行者』以外の何者かとして行動したい、という願望をまったく持っていない[図注1] 。

[原注1] :Blinken defends rare move of bypassing Congress to send ammunition to Israel(The Hill、2023年12月10日)

[図注1] :<真実が明らかになる>「イスラエルはガザをアウシュヴィッツ博物館のように見せるべきだ、議会議長――メトゥーラ評議会(※メトゥーラはイスラエル北部地区の町)の議長であるデイビッド・アズライ氏は、すべてのガザ人をレバノンの難民キャンプに送り、ストリップ(※ガザ地区)全体を平らにしてアウシュヴィッツのような空の博物館にすることを提案した」。
出典:Israel should make Gaza look like Auschwitz museum – council head(The Jerusalem Post、2023年12月17日)

 バイデン政権による鉄壁の保証と無条件の武器によって、シオニストの計画は『最終的解決』に向かって突き進んでいる。ただし、そこには問題があるかもしれない。

 シオニスト軍は、あまりにも多くの、個々人の人間を殺してしまったのではないか。そして今になって、シオニスト達は、今度は、自らが血と泥に取り憑かれつつあるのではないかと気にしているようだ。

 ここ数日、シオニストの殺人者達の、(※倫理的なレベルが)低い基準から見ても、衝撃的な紛争の激化が見られる。イスラエル占領軍(IOF)による残虐行為の大部分は、意図的な現場のジャーナリストの殺害と、厳格な情報管理政策によって公表されていないが、IOFはもはや無視できないほど、厚かましく大胆に犯罪を行うようになっている。

 12月16日、IOFの狙撃兵が、ガザのカトリック教会である聖家族教会に避難していた群衆に発砲した[原注2]。

[原注2]: Pope speaks out after IDF sniper kills two women inside Gaza church, per Catholic authorities(CNN、2023年12月18日)

 女性は娘を安全な場所へ運んでいるところを、白昼堂々、職員の目の前で、2人ともIOFの狙撃兵に処刑された。IOF軍は教会への発砲を続け、多くの負傷者を出し、最初の銃弾が単なる過ちではなかったことを証明した。

 IOFは何の警告も与えず、何の正当な理由も示さなかった。

 IOFは、すべての銃弾がどこに飛ぶか把握していることを常に自慢している[原注3]のだから、彼らに(※間違えて撃ったのではないかという)擁護の利益を与えてはならない。

[原注3]: Israel admits, then deletes, responsibility for Gaza killings(The Electronic Intifada、2018年3月31日)

 10月以来、約500人のパレスチナ人のキリスト教徒がこの教会に避難している。IOFの無差別爆撃によって自宅が破壊された後、教会の職員は地域社会に保護と避難所を提供するために、教会の扉を開けた。

 この取り組みは、教会の上層部でも注目され、承認された。ローマ法王フランシスコ[原注4]でさえ、毎日電話で彼らの取り組みを直接個人的にチェックしていた。

 この集団には、地元のキリスト教徒とその家族だけでなく、IOFがガザのすべての病院や介護施設を意図的に破壊した後、(※破壊された施設から教会に避難した)教会付属の修道院の修道女に世話を受けている約50人の障害者も含まれている。

[原注4]:A daily call from Pope Francis gives hope to Catholics sheltering in Gaza church(MENA、2023年10月20日)

 再三の度重なる脅迫にもかかわらず、人々はIOFの人間性を信頼して、彼らを攻撃しなかった。いつものことだが、ファシストに人間性があると思い込むことは、多くの人々が犯す最後の過ちである」。

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<ここから特別公開中>

 「IOFは、何度も繰り返し、ロケット弾で教会を攻撃し、狙撃兵による攻撃以前から、建物の電力を奪っていた。それにもかかわらず、人々は依然として抵抗を続けている。聖家族教会は戦闘中も運営を続け、物資が減少しているにもかかわらず、1日2回、信者にミサを捧げ、保護を必要とする人すべてに保護を提供してきた。

教皇フランシスコ『私は、ガザに関する非常に深刻で悲しいニュースを受け取り続けています。非武装の市民が、爆弾や銃撃の標的になっています。そして、このようなことが、家族、子供たち、病気や障害を持った人々、姉妹たちがいる聖家族の小教区の中でさえも起こっています。テロリスト(※ハマスら、イスラム教の武装勢力のこと)はそこにはいません』。

 これは、孤立した事件ではない。

 我々は、IOFが、ガザで動くものすべてを無差別に銃撃していることを示す証拠が増えつつあるのを目の当たりにしている。この事実は(※IOFの冷酷さに)、注意を払ってきた者達にとっては、驚くべきことではない。

 しかし、IOFが犯罪を犯す際、抑制することをかなぐり捨てたという事実は、新たな展開である。それは、彼ら自身の無能さと血への渇望が引き起こしたものだ。

 IOFは、少なくとも名目上は、10月7日に(※ハマスのような)抵抗勢力に連れ去られた(※イスラエル人の)人質を救うためにガザにいることになっている。しかし、この表向きの目的は、動くものすべてを無差別に撃つという、彼らの戦略とは正反対である。

[図注2]:<IOFの兵士が命令の概要を説明する。記者『民間人はいませんでしたか?』、兵士『私にはわかりません。(※命令通り)ただ撃ったのです』>
(※IWJ注1)出典である『guancha.cn』の取材動画はすでに削除されている。同取材動画については、IWJも『日刊IWJガイド』2023.12.1号で報告した。

・【第1弾! 検証・10月7日に何が行われたのか? イスラエルの女性戦車隊隊長が、民間人がいるかどうかはわからないが「ただ、撃て」と命令されたと証言!】(『グレイゾーン』11月27日)
会員版:(日刊IWJガイド2023.12.1号)
非会員版:(日刊IWJガイド2023.12.1号)

 聖家族教会への狙撃が、通常ほど大きく報道されなかった理由は、IOFが「救助」を求めに来た(※イスラエル人の)人質3人を無残に殺害したことが明らかになり[原注5]、すでにスキャンダルに巻き込まれていたからである。

[原注5]: Initial IDF probe: 3 hostages were shirtless, waving white flag when troops shot them(Times of Israel、2023年12月16日)

 さらなる詳細が明らかになるにつれ、IOFとネタニヤフ政権にとって、事態は悪化する一方である。

 (※イスラエル人の)人質達は、ハマスに厳重に拘束されていたわけではなく、数日前からIOF部隊の注意を喚起しようとしていた。ある時点で、彼らはベッドシーツに「人質3名」「SOS」という文字をスプレーで描き、窓から吊るした。IOF兵士が近づくと、3人は丸腰であることを示すために服を脱いで裸になり、白旗を振りながら、IOF兵士に近づいていった。

 IOFの暴漢どもは、鏡に映った自分たち(※テロリスト)を見慣れていたのだろう、『テロリストめ!』と叫んで(※丸腰の3人の人質に対して)発砲し、人質のうちサマル・タラルカ氏とアロン・シャムリズ氏の2人を、その場で射殺した。重傷を負った3人目の男性、ヨタム・ハイム氏は、ヘブライ語で命乞いをしたが、IOF兵士に処刑された。

 ハイム氏の状況は、特にひどい。赤毛で青い目の白人男性は、平均的なガザ人とは似ても似つかない(※ガザのパレスチナ人はアラブ人の特徴を持っている)。もちろん、それは彼がそうではない(※ガザのパレスチナ人ではない)からである。

 ハイム氏は、ガザ近郊のキブツで生まれた。このような農業施設は、もちろん、まったく文字通りの意味での入植地である。現実には決して自分たちのものではなかった土地を『取り戻す』ことを求める白人のヨーロッパ人達(※欧州からやってきたユダヤ人=アシュケナージ)によって、パレスチナ人から奪われた小さな区画の土地である。

 イスラエルのプロパガンダ活動家達が使用したヨタム・ハイム氏の写真[原注6]には、(※米国南北戦争時の)南部連合国旗が描かれた、ネオナチのヘビーメタルバンド、「パンテラ」[原注7]のポスターの前に座る彼の姿が写っている。

 いつものことだが、アパルトヘイト国家『イスラエル』は、非常に歪んで腐っており、入念に手入れされたPRキャンペーン以外で、その本当の素顔を見せようとする試みは、外の世界からはより反感を買うだけである。

[原注6]:『ヨタムは熱心な動物愛好家で、家で犬や猫を飼っていました。母親をこよなく愛し、母親の真似をして「マモ」と呼んでいた。ヨタムは二人の両親、兄、妹を残しました』。(X、Arieh :Miller@AriehMiller、午前5:28・2023年12月16日)

[原注7]: Pantera shows cancelled after frontman’s Nazi salute prompts fan backlash(The Guardian、2023年1月26日)

 3人の人質が殺害されたことで、入植者たちがようやく眠りから覚めた理由も、おそらくこれで説明できるだろう。シオニスト国家内部で大規模な抗議デモが勃発し[原注8]、数万人もの人々が、ファシストのネタニヤフ政権に抗議し、戦闘の停止を要求するために街頭に繰り出した。

 おそらく、これほどシオニスト・イデオロギーの真の姿を露呈したものはないだろう。パレスチナの民間人2万人(うち1万人近くは子ども)が死んでも、(※シオニストの)入植者達からの反応はほとんどなかったが、1人の白人男性(※シオニストでアシュケナージ)の死は、シオニストの存在の安定そのものを激しく脅かしていたのである[原注9]。

[原注8]: Fury on the streets of Tel Aviv over IDF shooting of Israeli hostages: Families of civilians kidnapped by Hamas stage demo after army admitted killing three it mistook for terrorists in Gaza fighting(Daily Mail Online、2023年12月15日公開、17日更新)

[原注9]:Hostage Deaths Fuel Israelis’ Doubts About Netanyahu(The New York times、2023年12月17日)

 通常の状況であれば、政府はその「臣民」を無視するだろうが、このならず者国家は、独特の圧力にさらされている。与党政権に対する広範な汚職容疑のため、長年にわたって、(※ネタニヤフ政権は)かなりの不安に直面してきた。

 ネタニヤフ首相は、これ以上の捜査から与党を守るため、司法を掌握することで対応した[原注10]。これは入植者を激怒させ、何十万人もの入植者が抗議のために街頭に繰り出した。

[原注10] :Israel passed a bill to limit the Supreme Court’s power. Here’s what comes next(CNN、2023年7月24日)

(※IWJ注2)2022年12月に、ネタニヤフの極右連立政権が樹立されてすぐに、ネタニヤフ政権が着手した司法制度改革は、司法を国会(クネセト)の支配下に置くもので、三権分立という民主主義の原則を踏みにじるものだった。これは、イスラエルの民主主義を破壊する改悪だとして、国内でも強い反対運動が起き、国際社会でも懸念される中、7月にイスラエル国会で可決された。
 2024年1月1日、まさに今年の元旦、イスラエルの最高裁判所は「合理性条項(司法が国会の不合理な判断を裁くことができる条項)」を削除した法律を無効とする判決を下し、ネタニヤフ政権に抵抗している。

 (※10月7日のハマスの襲撃以降)10月12日に戒厳令が出され、さらなるデモが禁止された。それまでほぼ毎晩のように、軍、警察、情報機関の大部分を含む[原注11,12]反対勢力による抗議が行われ、ネタニヤフ政権は揺さぶられた。デモ隊との衝突では、政権軍は馬上から反体制派を殴打し、自国民に対して日常的に化学兵器を使用した。

[原注11]:Cracks are emerging in Israel’s military. Reservists threaten not to serve if government plan passes(AP、2023年7月20日)

[原注12]:Former leaders of Israel’s security services are speaking out against Netanyahu’s policies(AP、2023年9月13日)

 これを踏まえると、政権に対する抗議行動の再開は、政権の安定にとって深刻な脅威となることがおわかりだろう。パレスチナの抵抗勢力がますます効果的な行動をとるようになった[原注13]おかげで、ガザでの犠牲者はますます増えており、IOFはすでに深刻な(※イスラエル兵士達の)脱走の危機に直面している。部隊全体を解散させるどころか、大赦を発令せざるを得なくなった。

[原注13]: 10 Israeli troops killed by Hamas in Gaza fighting – highest single-day loss of life since October(New York Post、2023年12月13日)

 我々は、この狂気のファシスト政権が退陣することを祈るしかないが、この男たちの死は、シオニストの臆病者がねぐらに帰ってきたというにすぎない。

 IOFがガザに入ったのは、人質を救うためでも、ハマスの殲滅のためでも、10月7日の復讐のためでもない。ガザの人々を絶滅させ、入植のために土地を奪取するためなのだ。

 いつものように、彼ら自身の言葉と行動が何よりの証拠である。戦闘に入る前、シオニスト勢力は、『ガザには罪のない人などいない』という歌を歌う(※IWJ注3)。

(※IWJ注3)イスラエルの子供達が「フレンドシップ・ソング 2023」という歌を、「秋の夜がガザの海岸に落ち、飛行機が爆撃、破壊、破壊。1年以内に我々は全員を殲滅し、その後畑を耕しに戻ってくるだろう」と歌っている。

 シオニストの不動産会社は、すでにガザ地域における新しい植民地計画を進めており、顧客に海辺の家を手に入れる最初のチャンスを熱心に提供している。その作業を始める前に、ガザから、すべての住民を『浄化』しなければならない。

[図注3]<シオニスト系不動産会社による『海辺の家も夢ではない』という広告>「『海辺に家も夢じゃない』:ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地を専門とするイスラエルの不動産会社は、明日の住宅建設を計画している。これは単なる願望を超えたもので、彼らのスタッフはすでに計画に取り組んでいる」。(Lana Tatour氏:UNSWシドニー社会科学部講師、2023年12月16日)

(※IWJ注4)投稿に添えられたヘブライ語の広告には、無惨に「消し去られた」ガザ地の瓦礫の向こうに青い海が見え、そのまえに海辺の家の立体CGが配置されている。ポップな明るい色の地図には、ガザ地区中部の海辺沿いに2本の緩やかにカーブした街路があり、住宅が配置されている。住宅の番号は最大89番まで確認できる。

 これには言葉がある。それはジェノサイド(大量虐殺)と呼ばれるもので、私たちは入植者=植民地政権と、ワシントンの支援者達によるそれをリアルタイムで目の当たりにしている。私たちは、それをもっとずっと以前から、ありのままの姿として直視するべきであった(※IWJ注5)」。

(※IWJ注5)岡真理 早稲田大学文学学術院教授は、10月20日京都大学吉田南キャンパスで開催された「緊急学習会 ガザとはなにか」で、今起きていることがジェノサイドなのだと指摘している。
 「まず言いたいのは、現在起きていることは、ジェノサイドである。テレビの報道番組を見ていると、地上戦のことばっかり言ってる。地上戦がいつ起こるのか、地上戦が起きたらどうなるのか。
 私もメディアから取材連絡を受けて、地上戦が起きたら何かコメントをしてくださいと言われたが、『地上戦が起きたら』じゃない!地上戦が起きたらとんでもないことになるわけだが、既に今起きてることがとんでもない・起きてることがジェノサイドである」。

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