日刊IWJガイド・非会員版「本日から12月です! 11月は非常に厳しい財政状況となりました! IWJが倒れてしまう前にご支援ください!」2023.12.1日号~No.4085


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~本日から12月です! 11月は29日までに118件、137万5900円のご寄付をいただきました! これは毎月の活動費の月間目標額400万円の34%です! 累積した赤字の返済と、金融機関からの借入の返済のためには、実際には毎月613万円が必要です! IWJが倒れてしまう前に、会員・YouTube登録、ご寄付、協賛広告でご支援ください!

■【中継番組表】

■軍事と並ぶアメリカの世界支配の手段である基軸通貨ドルの崩壊が始まった!「(米国の金利の利下げが)実際に実施されるのであれば、これほど多額のドルを保有する必要はない!」という判断から、投資家はドルを大量に売り始め、日本円・カナダドル・中南米通貨やメキシコ・ブラジルの株式へ投資! 世界がドル依存をどんどん減らしてゆく! アメリカに対して「ディリスキング」(リスクを最小限に抑えるために特定の取引や顧客との取引を避ける)の時代へ!

■【本日のニュースの連撃! 2連弾!】

■【第1弾! 検証・10月7日に何が行われたのか? イスラエルの女性戦車隊隊長が、民間人がいるかどうかはわからないが「ただ、撃て」と命令されたと証言!】(『グレイゾーン』11月27日)

■【第2弾! ヘンリー・キッシンジャー元米国務長官が100歳で死去!】ウクライナ紛争についてバイデン政権に批判的な立場を表明し、停戦と和平を訴えて孤立、同じ米国への亡命ユダヤ人であるジョージ・ソロスとは、ダボス会議で真向対立! しかし、ウクライナ軍の劣勢がもはや隠しきれない状況になった今、改めてキッシンジャー氏の慧眼が光る!(『キッシンジャー・アソシエイツ』11月30日ほか)

■米国覇権は凋落から崩壊へか? ウクライナ紛争は、衰退する米国の軍事覇権、経済覇権、政治文化覇権衰退の加速!~11月発行の『岩上安身のIWJ特報!』は、9月1日収録「岩上安身による安全保障と国際関係論の専門家・桃山学院大学法学部・松村昌廣教授インタビュー第2弾」をテキスト化し、詳細な注釈をつけて発行します! ぜひ『まぐまぐ』からご登録ください!! バックナンバーの単独購入も可能です! サポート会員になればバックナンバーをすべて読めます! ぜひ、サポート会員にご登録を!!
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■はじめに~本日から12月です! 11月は29日までに118件、137万5900円のご寄付をいただきました! これは毎月の活動費の月間目標額400万円の34%です! 累積した赤字の返済と、金融機関からの借入の返済のためには、実際には毎月613万円が必要です! IWJが倒れてしまう前に、会員・YouTube登録、ご寄付、協賛広告でご支援ください!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 本日から、12月になりました。11月は非常に厳しい財政状況となりました。

 11月は29日までに118件、137万5900円のご寄付をいただきました。誠にありがとうございます!

 これは毎月の活動費の月間目標額400万円の34%です! あと66%、262万4100円が必要となります。残念ながら、今月は赤字となるのは避けられず、IWJは今後の活動にも大きな支障をきたします!

 また、累積した赤字の返済と、金融機関からの借入れした2500万円の返済のためには、実際には毎月613万円が必要です!

 どうか引き続き、IWJ会員登録、YouTube登録、ご寄付・カンパ、協賛広告でIWJをご支援ください!

 前期第13期は、目標額に到達した月が1回しかなく、平均して半分程度だったため、大変大きな赤字を出してしまいました。私、岩上安身が自身の私財の中から、赤字の月を越すたび、その都度、緊急でつなぎ融資を出し、その額2200万円となってしまいました。

 今期は、その轍を踏まないように、ぜひ、皆さまのご寄付・カンパが、毎月の月間目標額400万円に届きますように、よろしくお願いいたします!

 月間目標額400万円を超えた分は、これまでに累積した債務約5000万円の返済に回したいと存じます!

 債務を少しずつでも減らしていけば、IWJが経営破綻せず、存続する道が見えてきます! ご寄付いただいた方には、心から感謝いたします! 皆さま、本当にありがとうございます!

 これまでの前期1年間の累積の赤字2200万円(見方を変えると、個人岩上安身からの、会社IWJへの貸し付け)に加え、第14期スタートにあたっての銀行からの新たに2500万円をつなぎ運転資金として借り入れしました。11月から12月にかけてのキャッシュフロー不足は、こうした借入金に手をつけて、しのがなくてはならないと思われます。まだまだ約5000万円近い累積の債務を返済できてはおらず、危機を切り抜けたなどとはとても言えません。

 第13期と、引き続き第14期のこの現状は、IWJ創業以来初めての大ピンチです。これは私、岩上安身1人の力で乗り越えることは困難です。

 今期はもちろん、前期の第13期のうちから、支出を徹底的に削ってきました。今期第14期は、赤字を出さないだけではなく、黒字を出し、累積した債務への返済にあてていきたいと真剣に取り組んでいる最中です。

 今年は、私からの借り入れ2200万円を返済しきろうとすると、2200万円÷12ヶ月=183.3万円となり、この183.3万円の返済額と、直接の運営のための月間目標額の400万円とを合計すると、毎月583.3万円が必要になります。

 他方、金融機関からの借り入れ2500万円の毎月の返済額は約30万円ずつ7年間にわたることが決まっており、決して少額ではなく、毎月の返済負担は重いものとなります!

 前述の通り、毎月、583.3万円が必要であり、それに毎月30万円の銀行への返済額を合計すると、約613万円が毎月、必ず必要となります。

 そういうわけですので、月額400万円の目標額に到達して、ようやく、その月の活動費の収支がトントンということであり、累積した赤字を返済してゆくことは、それだけでは足りないということになります。特に金融機関への返済は待ったなしです!

 どうか、613万円近くにまで達するよう、皆さまのご寄付・カンパによる応援、ご支援をよろしくお願いします!

 下記のURLから会員登録いただけます。ぜひ、会員登録していただいてご購読・ご視聴お願いいたします!

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードをお願いします!

 また、無料で日刊IWJガイド非会員版を読み、ハイライト動画を御覧になっている無料サポーターの皆さまにおかれましては、有料の一般会員登録をぜひともお願いいたします!

 また、休会中の皆さまは、メールやお電話をいただければ、すぐに会員を再開できます。一度退会された方でも、改めて申し込みをいただくことで再び会員になっていただくことが可能です!

※ご寄付・カンパはこちらからお願いします。
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします!

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 どうぞ、皆さま、IWJを知人・ご友人、地域の皆さまへIWJの存在をお知らせいただき、米国に忖度し、隷従を深める日本政府、大手主要メディアの、連日の「情報操作」の積み重ねの恐ろしさと、権力に忖度しないで真実をお伝えする独立メディアの意義と必要性について、多くの人に口コミでも、SNSを通じてでも、広めてください!

 今後とも、ご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます!!

 岩上安身拝

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◆中継番組表◆

**2023.12.1 Fri.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch5】9:35~メド「武見敬三 厚生労働大臣 定例会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 武見敬三厚生労働大臣による記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた厚生労働大臣関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e5%8e%9a%e7%94%9f%e5%8a%b4%e5%83%8d%e5%a4%a7%e8%87%a3
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【IWJ_YouTube Live】14:00~「『多摩地域の有機フッ素化合物(PFAS)汚染を明らかにする会』記者会見 ―報告:原田浩二京都大学准教授『多摩地域の地下水中PFAS濃度調査の結果について」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 「多摩地域の有機フッ素化合物(PFAS)汚染を明らかにする会」主催の記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきたPFAS関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/pfas
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【IWJ・エリアCh5・東京】18:00~「原発反対八王子行動」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_areach5

 「キンパチデモ実行委員会」主催の原発反対八王子行動を中継します。これまでIWJが報じてきたキンパチデモ実行委員会関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/kinpachi-demo-executive-committee

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◆中継番組表◆

**2023.12.2 Sat.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch5】14:30~「平和のための学習会 塩原俊彦さんが語る『ウクライナ戦争をどうみるか』」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 「平和のための学習会実行委員会」主催の講演会を中継します。これまでIWJが報じてきたウクライナ関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/ukraine

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

「政府は絶対にワクチンを止めることはないと思う。『気づいている方』が先頭に立って、もう一度、本当に発信するしか方法はないと思う」と小金井隆行氏(ワクチン被害者遺族)~11.19 ISF主催公開シンポジウム「WHOパンデミック条約の狙いと背景~差し迫る人類的危機~」
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/519836

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■軍事と並ぶアメリカの世界支配の手段である基軸通貨ドルの崩壊が始まった!「(米国の金利の利下げが)実際に実施されるのであれば、これほど多額のドルを保有する必要はない!」という判断から、投資家はドルを大量に売り始め、日本円・カナダドル・中南米通貨やメキシコ・ブラジルの株式へ投資! 世界がドル依存をどんどん減らしてゆく! アメリカに対して「ディリスキング」(リスクを最小限に抑えるために特定の取引や顧客との取引を避ける)の時代へ!

 11月24日付『フィナンシャル・タイムズ』が、「米国金利のピークアウトに賭ける投資家のドル売り 資産運用会社のドル売りペースは過去1年で最も速く、市場は来年のさらなる利下げを織り込んでいる」という記事を配信しました。

※Investors dump dollar in bet that US rates have peaked(フィナンシャル・タイムズ、2023年11月24日)
https://www.ft.com/content/7624df44-4d49-4c5b-b7a9-07334c2c2f3e

 このドル売りは、投資家が、米国金利のピークアウトが来たと判断し、米連邦準備制度理事会(FRB)による、来年の複数回の利下げ前に、手持ちのドルを売っているのです。

 金利が低いドルでは、ドルを保有することで得られる利益が限られるため、投資家は利回りの高い通貨に資金を移すことで、より大きな利益を期待するわけです。

 では、ドルを売ってどの通貨を買っているのでしょうか。

 24日付『フィナンシャル・タイムズ』は、「日本円、カナダドル、中南米通貨」と報じています。ドルの次に、信用度が高いとされてきたユーロが入っていません。

 対露制裁を行い、欧露の間のWin-Winの関係だった良好な経済関係を破壊し、格安のロシア産の天然ガスをパイプラインで生ガスの状態で送ってもらえる地政学的メリットを放棄した欧州は、深刻なインフレと景気後退の中にいます。

 そうしたこともあって、ドルを売って買う通貨としては、ユーロは外されたのではないかと思われます。

 『FT』のこの記事が伝えている事実は、現在のドル売りが、一時的なドル安現象なのではなく、軍事と並ぶアメリカの世界支配の手段である基軸通貨ドルの崩壊が始まった兆候とも見ることのできる重要なものです。

 IWJは、この点をついてすでに、岩上安身によるエコノミストの田代秀敏氏への連続インタビューの中で明らかにしています。

 以下が、24日付『フィナンシャル・タイムズ』の記事の全文仮訳・粗訳です。ぜひ、お読みください。

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米国金利のピークアウトに賭ける投資家のドル投機
(Investors dump dollar in bet that US rates have peaked)
(フィナンシャル・タイムズ、2023年11月24日)
https://www.ft.com/content/7624df44-4d49-4c5b-b7a9-07334c2c2f3e

 「米連邦準備制度理事会(FRB)が積極的な利上げキャンペーンを終了し、来年は複数回の利下げを実施するとの見方が強まり、投資家は過去1年で最も速いペースでドルを売却している。

 資産運用会社は、今月ドル建てポジション(※注:ドル建て資産に対して保有する未決済の売買のこと)の1.6%を売却する見込みであり、これは昨年11月以来の最大の月次流出となる見込みである。

 40兆ドルの資産管理会社(custodian)である『ステート・ストリート』によると、11月3日の予想を下回る米国の雇用データ(※注:新規雇用者数が予想を下回る鈍化だったこと)以来、運用会社は『大規模な』売却を毎日行ってきた。

 アナリストは、資産運用会社による売却は、投資家の間で米国資産へのエクスポージャー(※注:投資家が米国の資産にどれだけの投資をしているか、またそのリスクにどれだけさらされているかを示す指標)を減らす長期的なトレンドの始まりに過ぎない可能性があると警告している。

※ここから先は【中略】とさせていただきます。御覧になりたい場合は、ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して御覧ください! 会員へのご登録はこちらからお願いいたします。

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

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 ありていに言えば、「基軸通貨ドル」は、米国一国覇権体制があって初めて成立している「経済慣行」だと言えます。

 しかも、この一国覇権体制は、アメリカ一国が求めたものではなく、日本を始めとした、米国とその従属国との集まりであるG7が共同で求めて実現しているのです。そういう意味でも「共同幻想」なのです。

 しかし、今行われているウクライナ紛争とガザ戦争の後、このアメリカ一国の覇権体制が持たないのは、誰の目にも明らかです。ロシア、中国、南アフリカ、ブラジル、サウジアラビアなどのグローバルサウス、BRICSは産業的・金融的な根拠を持った多極化へと移行しています。

 さらにこの後、万が一、中国の台頭を抑えるために、東アジア有事を起こして、米国が中国との代理戦争を始めるとしたら、なおさらその「米国離れ」のトレンドは加速するでしょう。

 9月28日に行われた岩上安身によるエコノミスト田代秀敏氏へのインタビューの中で、田代氏は今のドル売りが起きている背景を次のように説明しています。
 
岩上「アメリカが対露制裁をしていろいろな(ロシアの)資産を凍結しました。これは国際法上合法なんですか、という問題があります」

田代氏「それもありますが、各国中央銀行は、決済を円滑にするために、お互いの資産を、相手側に委託しているわけですね。そうすれば、そこから受け取ってくださいと言えば、瞬時に決済が済みますから。

 そうやって通貨危機を乗り越えるために、お互いに委託しあっているわけですよ。もちろん、これは相手国のものだから、それを手元に置いてあるわけです。いざという時には、相手が指示したら必要な分を、そこから引き出すのです」

岩上「信用ですね」

田代氏「そうすれば送金も不要です。2008年に起きたような世界的な金融危機に備えて、お互いに委託しあっているわけです。ところが、今月、ロシア中央銀行がアメリカのFRBに預けてある(ロシア)資産を差し押さえてしまったのです。これはびっくりでね、金融危機の火消しのための水を全部出してしまいましたというのと同じです。(中略)

 そういうことをやってしまうと、これは紳士協定で、委託してあるからと言って、それを勝手に取り上げてしまったら、取引交渉など成立しません。ロシアの海外資産を全部差し押さえてウクライナ復興に転用したとしても、それはスケールの違う話で、全然、ウクライナの復興には足りません。

 それが国際法違反という以前に、世界の金融システムの安定化装置をアメリカが壊していいんですか、ということです。それで、本当に首が締まるのはアメリカ自身ですよと。そんなバカなことをやっている国が発行している通貨には、あまり頼ってはいけないかなと(そういう世界共通認識になってきている)」

岩上「ああいうことをアメリカはやってしまう。そして、アメリカにサンクションを与えられる国はありません」

田代氏「フォン・デア・ライエン(欧州委員会委員長)の言葉で言えば、『ディリスキング(derisking)』の動きが起きているのです。なるべく米ドルに依存しないようにしていこうと。米ドルから離れることはできないけれど、なるべく依存を減らそうという動きです。非常に合理的です」

※日本で盛んに報じられる「中国経済崩壊論」は真実か!? 他方、マスメディアがほとんど報じない「米ドル覇権崩壊」は疑いようのない事実! 岩上安身によるインタビュー 第1135回 ゲスト エコノミスト・田代秀敏氏 第2回 2023.9.28(全編動画 後半:1:16:01~)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/518658

 ウクライナ紛争におけるアメリカのロシア金融制裁は、世界の金融システムの安定化装置を自ら破壊し、自らの首を絞める行動であるにも関わらず、それをまったく自覚していないということです。

 さらに、このインタビューでは、田代氏は、ドル基軸通貨を経済的に支えてきたSWIFT(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunicationは、国際的な銀行間通信ネットワーク)、IMF、WTO、世界銀行からなる全体的な戦後の金融システムを、このウクライナ紛争で、アメリカが、自分の都合次第で政治利用するという意思表示をしたからだと指摘します。

 これによって、とてもではないが、SWIFTによりかかり続けることは、怖くてできない、代替の貿易決済手段を見つけなければとなり、その米国に対する恐怖によって、ドル基軸体制が崩壊し始めているという指摘なのです。

岩上「SWIFTからロシアを排除すれば、ロシア経済は壊滅すると言われてきました。しかし、実際はそうはなりませんでした。他方で、SWIFT外取引はまだまだ小さい、国際取引の中心は、今もSWIFTだという論者もいます。さらに、アメリカ覇権が終焉して、中国に覇権が移れば、人民幣が基軸通貨になると言われてきましたが、人民幣とドルは両建てで行き、ドルを尊重すると中国は言っています」

田代氏「SWIFTについて言うと、SWIFTは古くあるシステム、機関なので設備が劣化したのです。SWIFTを介すると時間がかかる、という問題があります。SWIFTは昔に作った機関なので、当時の外国為替市場の規模に合わせて作ってあります。今のサイズには合っていません。

 この議論は前からあります。SWIFTを通すと時間がかかるので、そこはみなさん、考えていたはずです。SWIFTを使わなければいけないという国際法はありませんから、便利だから(SWIFT)を使っていたのが、そうじゃなくなれば、なるべく使わないで行こうという動きが出てきても不思議ではありません。SWIFTを使わない国際取引は増えているはずです。

 かつては、発展途上国にとって、国際金融などの難しいことをやるのは思いもつきませんでした。たとえば、サウジアラビアのサッカーチームが、クリスティアーノ・ロナウドなどのようなスーパースターを擁しています。そうなると、サッカーの中心がヨーロッパから中東に来ます。

 それと同じで、発展途上国も資金も貯めたし、力もつけてきました。SWIFTというヨーロッパの片隅に置いてある、実際はアメリカが管理している機関を、アメリカに取引内容を知られてしまいますが、これまで便利だから使ってきましたが、古くなり劣化したので、障害が発生するときもある。

 SWIFTを使う取引において、これを政治化しないというのが前提のはずなんですよね。なぜSWIFTを、ワシントンではなく、ヨーロッパの片隅の森の中に置いているかというと、政治利用しないという象徴としてそうしているわけです。なのに、ここを(アメリカが)政治利用したものだから、みんなビビりますよね。(アメリカから)なんの言いがかりをつけられるかわかりません。だから、(SWIFT離れが)加速したわけです。

 今、輸出輸入に関して、どの国もアメリカドル決済は、事実上の標準になりました。それは端的に便利だから。ところが、貿易の本来を言えば、輸出国は自国通貨建てで輸出して、輸入する際には、相手方の通貨建てで輸入するというのが普通のあり方です。アメリカ覇権というのは、アメリカは輸出も輸入もドル建てで行いますと。他の国もそうすると便利ですよと。そういうシステムをアメリカは担保しますと。

 それがIMF、WTO、世界銀行、そしてSWIFTです。これ(この国際金融システム)は中立じゃないと困るわけです。それを(アメリカが)やったもの(国際金融システムを政治利用した)だから、かなりめんどうでも、為替レートが日々変動するけれど、コンピューターの普及で計算が楽になったのです(だから、基軸通貨のドル離れが加速している)」

※日本で盛んに報じられる「中国経済崩壊論」は真実か!? 他方、マスメディアがほとんど報じない「米ドル覇権崩壊」は疑いようのない事実! 岩上安身によるインタビュー 第1135回 ゲスト エコノミスト・田代秀敏氏 第2回 2023.9.28(全編動画 後半:1:31:58~)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/518658

 要するに、現在のドル売りの背景には、米国がロシア制裁の手段として、国際金融システムやその安定化装置を政治利用してしまった事があるのです。これでは、市場の信頼や合意も雲散霧消してしまいます。アメリカ自らが、ドル基軸体制を支えている国際金融システムを、ロシア制裁に使ったことで、国際金融システムの機能を棄損した結果、ドル離れが加速することになったのです。

 それが可能になったのは、G7以外の国々の、国際金融取引を可能にする技術力や経済力が、アメリカの予想をはるかに超えて高まっているということに他なりません。

 ここにも、アメリカの過去の成功体験に呪縛された「読み違い」があります。

 ぜひ、あわせて、エコノミストの田代秀敏氏への連続インタビューを御覧ください。

※日本で盛んに報じられる「中国経済崩壊論」は真実か!? 他方、マスメディアがほとんど報じない「米ドル覇権崩壊」は疑いようのない事実! 岩上安身によるインタビュー 第1134回 ゲスト エコノミスト・田代秀敏氏 2023.9.21
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/518618

※米国覇権の凋落と日本の転落、少子高齢化が始まった中国経済にも「翳り」が見え始めた? そして世界各地で続く紛争は台湾・東アジア情勢にどう影響するのか!? 岩上安身によるインタビュー第1141回ゲスト エコノミスト・田代秀敏氏 2023.11.24
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/519920

※【ライブ配信11/28 19時頃~】 岩上安身による エコノミスト 田代秀敏氏インタビュー(その2)
https://www.youtube.com/live/dc3oHDLvS-k?feature=shared

■【本日のニュースの連撃! 2連弾!】

■【第1弾! 検証・10月7日に何が行われたのか? イスラエルの女性戦車隊隊長が、民間人がいるかどうかはわからないが「ただ、撃て」と命令されたと証言!】(『グレイゾーン』11月27日)

 『グレイゾーン』は27日、「イスラエルの戦車砲撃手が、キブツへの無差別砲撃命令を明かす」と題する、ワイアット・リード氏とマックス・ブルメンタール氏のレポートを公開しました。

 10月7日にパレスチナ人の武装勢力がガザを包囲するフェンスを突破して、音楽祭や周辺のキブツ(イスラエルのコミュニティ)を襲撃し、多くの犠牲者が出ました。『グレイゾーン』は、キブツ・ホリットでの戦闘に参加した女性だけの戦車部隊が、イスラエルメディアの『N12ニュース』の取材に応じて語ったインタビューを取り上げました。

 「イスラエルの『N12ニュース』ネットワークによる、女性だけの戦車部隊の輝かしい実績について、20歳の隊長(『カルニ』と名乗るのみ)が、『パニックに陥った』兵士から、キブツ・ホリットにある民家に民間人がいようがいなかろうが、発砲するよう命じられたことを認めている」。

 グレイゾーンが取り上げたインタビューは、『X(旧ツイッター)』上に、14分ほどの動画で投稿されています。投稿者は、ニューヨークのイスラエル前総領事代理、国連イスラエル代表を務めたイスラエル・ニッツザン氏です。

 「御覧ください。IDF(※イスラエル国防軍の)女性の物語。ハマスのテロリストらと戦い、キブツ全体を救った装甲部隊の女性兵士の物語です。@N12News」

 動画自体は、戦闘の経験のない4人の若い女性たちが、戦車に乗って勇敢に戦ったことを称賛する内容になっています。イスラエルは国民皆兵制をとっているため、若い女性でも戦闘訓練を経験しています。

※Israel Nitzan@IsraelNitzan(X、7:44 AM – 2023年11月26日)
https://twitter.com/IsraelNitzan/status/1728545148018004179

 この動画を見ると、9分すぎのところで、『グレイゾーン』が指摘した「キブツ・ホリットにある民家に民間人がいようがいなかろうが、発砲するよう命じられたことを認めている」というくだりが出てきます。

(カルニ隊長)「その兵士は指差して私に言いました。『あそこ(※民家)を撃て、あそこにテロリスト達がいる』。
 私は彼に聞きました。『あそこには民間人はいないのですか?』。
 彼は言いました。『知らない。ただ、撃て』。
 私は(※戦車砲では)撃たないことに決めました。これはイスラエル人のコミュニティです。
 私はその家に向けて、私の機関銃を撃ちました」。

 戦闘服を除けば、大きなメガネをかけた、真面目な女子学生にしか見えないカルニ隊長は、ある兵士から、キブツの民家にイスラエル人の人質がいるかどうかはわからないが、「ただ、撃て」と命令されたことを明らかにしています。

※Israeli tank gunner reveals orders to fire indiscriminately into kibbutz – report(WYATT REED AND MAX BLUMENTHAL、2023年11月27日)
https://thegrayzone.com/2023/11/27/israeli-tank-orders-fire-kibbutz/

★「ハマスの奇襲攻撃によって、ナチスのホロコースト以来のユダヤ人虐殺が行われた」とイスラエル政府が大声で主張する10月7日に、一体何が起こっていたのでしょうか。

 ハマスとそのほかのパレスチナ武装組織などが、民間人の殺害や誘拐を行ったことは動かぬ事実であるとしても、10月7日に殺害されたイスラエル人の一部が、イスラエル軍によって殺害されたことを示す証言が少しずつ出てきています。

 10月7日の「ハマスの奇襲攻撃」に対して、イスラエルは自衛権を根拠にして、ガザで民間人の大量虐殺を含む民族浄化作戦を正当化しています。しかし、「ハマスの奇襲攻撃」といいながら、自国の軍隊による自国民の殺害が行われていたとしたら、どうでしょうか。被害を誇大に宣伝し、すべてをハマスらのせいにするための、一種の偽旗作戦である可能性すら疑われます。その作戦のために、自国民を殺した、とあっては、イスラエル政府とイスラエル軍に、いかなる道義的正当性もありません。

 IWJは、11月6日に、10月7日の惨劇を生き延びたイスラエル人女性、ヤスミン・ポラトさんが、イスラエル国営ラジオで「イスラエル軍が自国の市民を射殺した」語ったことを紹介しました。

※【IWJ号外】10月7日に起きた「ハマスの奇襲攻撃」の真実とは!? イスラエル公営ラジオで、生存者のイスラエル人女性が「イスラエル軍が自国の市民を射殺した」と語る!! 2023.11.6
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/519627

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■【第2弾! ヘンリー・キッシンジャー元米国務長官が100歳で死去!】ウクライナ紛争についてバイデン政権に批判的な立場を表明し、停戦と和平を訴えて孤立、同じ米国への亡命ユダヤ人であるジョージ・ソロスとは、ダボス会議で真向対立! しかし、ウクライナ軍の劣勢がもはや隠しきれない状況になった今、改めてキッシンジャー氏の慧眼が光る!(『キッシンジャー・アソシエイツ』11月30日ほか)

 ニューヨークに本拠地を置く、キッシンジャー・アソシエイツ社は11月30日午前7時37分(ET)に、ヘンリー・キッシンジャー氏がコネチカット州の自宅で死去した、と声明を出しました。キッシンジャー氏は今年5月に100歳を迎えていました。死因には言及されていません。

 以下は、キッシンジャー・アソシエイツ社が出した短い声明文の全文仮訳です。

 「著名なアメリカの学者で政治家であるヘンリー・キッシンジャー博士が本日、コネチカット州の自宅で死去した。

 ヘンリー・キッシンジャーは、1923年にドイツ南部で(ユダヤ人として)生まれ、父親は教師として働いていた。1938年、彼は家族とともにナチス・ドイツ(によるユダヤ人の迫害から逃れるために)アメリカに亡命した。1943年にアメリカ市民権を取得後、アメリカ陸軍に徴兵され、1943年から1946年まで第84歩兵師団に所属した。その功績により青銅星章を授与された。戦後、占領下のドイツで米陸軍防諜活動に従事。1959年まで米国陸軍予備役をつとめた。

 ハーバード大学で学士号、修士号、博士号を取得した。また、同大学で約20年間、国際関係論を教えた。1969年、リチャード・ニクソン大統領から国家安全保障顧問に任命された。

 その後、ニクソン、ジェラルド・フォード両大統領の時代に国務長官を務め、米国の対中開放や中東のヨム・キプール戦争終結に向けた交渉で重要な役割を果たすとともに、ベトナム戦争へのアメリカの関与の終結に貢献した。さらに、旧ローデシアにおける代議制民主主義の導入に尽力し、ソ連との重要な軍備・軍備管理協定の交渉にも携わった。

 国家安全保障に関する著書が21冊ある。1977年に政府から引退したが、アメリカの偉大な政治家の一人として名声を博し、後年は共和党と民主党を代表するアメリカ大統領だけでなく、他国の数多くの指導者にも頻繁に助言を行った。2023年5月に100歳の誕生日を迎えたが、その後も精力的に活動を続けてきた。最近では、人工知能の利用がもたらす影響の問題に焦点を当てた。メディアへの出演やパネルディスカッションへの参加も多く、執筆活動や海外旅行にも時間を割いた。

 キッシンジャー博士の略歴や著書については、以下を参照。
 www.henryakissinger.com

 キッシンジャー博士は、50年近く連れ添った妻のナンシー・マギネス・キッシンジャーと、最初の結婚でもうけた2人の子ども、デイビッドとエリザベス、そして5人の孫を残してこの世を去った。

 キッシンジャー博士の遺体は、家族が参列する非公開の葬儀で安置される。追悼式は、後日、ニューヨークで行われる。キッシンジャー博士のご遺族は、献花の代わりに、アニマル・メディカル・センター、またはヘンリー・A・キッシンジャー・センターへの寄付をご検討くださいますようお願いします」。

※W wieku 100 lat zmart dr Henry Kissinger(Kissinger Associates, Inc., CISION PR Newswire, 2023年11月30日)
https://www.prnewswire.com/news-releases/w-wieku-100-lat-zmar-dr-henry-kissinger-302002011.html

★キッシンジャー氏は、2020年にウクライナ紛争が始まると、NATOの拡大を諌め、ロシアとの融和を進言するなど、「ウクライナ=善、ロシア=悪」の二元論で突き進む、バイデン政権の外交政策に対して批判的な姿勢を表明してきました。

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■米国覇権は凋落から崩壊へか? ウクライナ紛争は、衰退する米国の軍事覇権、経済覇権、政治文化覇権衰退の加速!~11月発行の『岩上安身のIWJ特報!』は、9月1日収録「岩上安身による安全保障と国際関係論の専門家・桃山学院大学法学部・松村昌廣教授インタビュー第2弾」をテキスト化し、詳細な注釈をつけて発行します! ぜひ『まぐまぐ』からご登録ください!! バックナンバーの単独購入も可能です! サポート会員になればバックナンバーをすべて読めます! ぜひ、サポート会員にご登録を!!

 IWJではメルマガサイト『まぐまぐ』で、『岩上安身によるインタビュー』をテキスト化し、詳細な注釈をつけて「岩上安身のIWJ特報!』として、毎月発行しています。

 11月発行分の『岩上安身のIWJ特報!』は、9月1日に収録した、「岩上安身による安全保障と国際関係論の専門家・桃山学院大学法学部・松村昌廣教授インタビュー第2弾」をテキスト化し、詳細な注釈をつけて発行します。

 2023年6月4日に始まった、ウクライナ軍による『反転攻勢』。欧米から供与された最新鋭の武器と、NATO加盟国各国の将校団によって鍛え抜かれて、戦術を授けられ、万全を期してロシア軍を蹴散らすはずでした。

 実際、6月4日以降、日本を含む西側メディアは、連日、その「戦果」を報じ続けました。

 ところが、約半年間にわたる『反転攻勢』の「戦果」は、ウクライナ政府と西側メディアの合作プロパガンダによる白昼の幻でしかありませんでした。

 実際にはロシア軍は、1000kmにおよぶ東南部の防衛線の突破を一度も許しませんでした。11月に入って、突然、ウクライナ軍の敗色濃厚を、日本のメインストリームメディアが手の平返しを始め、伝え始めました。

 日本のテレビに出ている自衛隊元幹部や「専門家」らが、ウクライナ軍の「健闘」を大げさに伝えている間に、ウクライナ軍は人的にも大きく損耗し、戦術的にも破れていたのです。

 IWJは、この半年間、メインストリームメディアがウクライナ優勢を唱えている間、一貫して事実を伝え、ロシア軍の守備の固さ、ウクライナ軍の損失の大きさを伝え続けてきました。この6月から11月までの報道姿勢と内容を見れば、IWJと、日本のすべての新聞・テレビというメインストリームメディアの差は歴然だったとわかるはずです。

 ウクライナ戦線がそのようなプロパガンダまみれになっていた時、10月7日早朝、パレスチナ暫定自治区のガザ地区を合法的選挙によって選ばれ統治するするイスラム組織ハマスが、ガザのフェンスの外へ出て、その周辺地区を奇襲攻撃しました。

 すると、これに対してイスラエル軍は、激しい空爆によるパレスチナ人の無差別殺戮を開始し、国際社会の注目は一気に中東情勢へと移りました。

 米国のバイデン政権は、イスラエル支援を表明。イスラエル軍がガザ地区への地上侵攻を開始して、世界中から非難を浴びても、イスラエルへの巨額支援と、国連でのイスラエル非難にも拒否権を行使して、イスラエルを異常なまでに擁護しました。

 一方、ウクライナ紛争は、ウクライナ軍の劣勢が、誰の目にも明らかになってきました。ウクライナ紛争は、いつ、どのようにして決着がつけられるのでしょうか。あるいは、決着をつけないまま長期戦に入って、さらにウクライナは疲弊してゆくのでしょうか。

 2023年9月1日、岩上安身は桃山学院大学法学部教授の松村昌廣氏に2回目のZoomインタビューを行ないました。8月20日の「ロシア弱体化と孤立化は米国の大誤算!『米国の覇権は確実に破綻する! 外部要因ではなく「自壊」によって崩壊する!』」と題するインタビューの続編です。

※ロシア弱体化と孤立化は米国の大誤算!「米国の覇権は確実に破綻する!外部要因ではなく『自壊』によって崩壊する!」~岩上安身によるインタビュー第1130回 ゲスト 桃山学院大学法学部教授・松村昌廣氏 2023.8.20
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/518062

 「戦争がないということは、非常に困ったことなんです」と、松村氏は困惑を呼ぶような言葉をも口にしました。「戦争がない」とは、「核の出現」によって、人類は「大きな覇権をかけた戦争」ができなくなった、ということを意味します。覇権システムを維持していくためには、資金の流動性の確保が重要ですが、核兵器の出現によって世界には大きな戦争がなくなり、戦争による大きな破壊もないので、大きな需要も生まれてきません。米国の覇権システムを支える経済力が弱くなり、覇権が衰退し、覇権国家不在の時代がやってきます。

 「米国の覇権は早晩、崩れるのだから、日本はいつまでも寄りかかっているのではなく、早く自立しなくてはいけない」と説く松村氏に、岩上安身は「おとなしく老いてくれる人と、そうではない人がいるじゃないですか」と前置きし、次のように問いかけました。

 「経営者でも老害になっていく人がいる。(アメリカは衰退する過程で)そういう暴れっぷりをするのではないか。世界を面倒なことに巻き込んでいくのではないか。その一例がウクライナ紛争じゃないんですか?」。

 松村氏は、「実際に今、アメリカという国家の中では政治的な葛藤・対立があって、政治的な内戦状態になっている。我々はそれを注視しながらも、傍観しているしかない」と述べました。

 さらに話題は、台湾有事の可能性、そこに日本がどう関わることになるのか、日本が選択できるシナリオがあるのか、などについて、話題は広がっていきました。

 以下、11月発行の『岩上安身のIWJ特報!』の目次です。IWJ会員ではない方も、ぜひご購読ください。

(第624号の目次)
◆いまだに「ウクライナが反転攻勢」と伝える日本のマスメディアの劣化ぶり!「群盲、象を評する」ごとく、一部の事実は言うが全体をとらえず!
◆日本全体が「自動操縦」されたように動いている! オルタナティブのない日本の民主制は、もう終わっている!?
◆日本敗戦から100年後、2045年にはアメリカの覇権は崩れている!「それまでに日本は自立しなくてはいけない」

(第625号の目次)
◆中国発展の原資は流出した日本マネー! 90年代初め、アメリカは繁栄しすぎた日本を潰すためにバブルを終わらせ、投資先を中国に切り換えた!
◆中国の不動産バブル崩壊!? しかし「破産」という言葉がない中国は絶対に潰れない。むしろ想像を絶する事態になるので余計に悪い!
◆核兵器の出現によって大規模戦争ができなくなった世界。2030年には覇権国が不在の状態になり、多極化へと向かう!
◆「我々は第三次世界大戦の淵にいる」という認識が必要! 中国が第3の核大国になる移行期の今、リスクは高くなっている!

(第626号の目次)
◆台湾有事における日本のオプションは3択。中国の軍門に下るか、核武装するか、スイスのような非核の重武装国家になるか!
◆第二次世界大戦で徹底的に負け、アメリカにマインドセットをされた日本。その「魔法」を解くためには非常に大きな衝撃が必要!
◆「発展途上国で人為的に民主制を実現できる」としたアメリカの中東政策は挫折! 原因は「米国による日本の民主化」を成功体験だと誤解したから!
◆2008年、リーマン・ショックの金融バブル崩壊とNATOの東方拡大宣言!「歴史に偶然はない。起こっていることは全部、必然」
◆冷戦か熱戦か、ぬるま湯か? 第三次世界大戦で血と汗を流せば良くも悪くも早く終わる。それが嫌なら戦争はだらだら続く!?

 『岩上安身のIWJ特報!』は、まぐまぐ大賞2022のジャーナリズム部門で1位になりました!

 まぐまぐ大賞2022は、2022年にもっとも輝いたメルマガを読者投票とまぐまぐ審査で選出するものです。

 『岩上安身のIWJ特報!』は、2021年の「まぐまぐ大賞2021」のジャーナリズム部門でも第2位に選ばれており、昨年ついに1位を獲得しました。

※まぐまぐ大賞2022部門別賞
https://www.mag2.com/events/mag2year/2022/list.html?cid=journalism&aid=77

※「岩上安身のIWJ特報!」ご購読はこちらから(月額税込880円、初月無料)
https://www.mag2.com/m/0001334810

 岩上安身による桃山学院大学法学部教授・松村昌廣氏インタビュー第2弾の動画は、以下のURLから御覧ください。

※米国覇権は凋落から崩壊へか? ウクライナ紛争は、衰退する米国の軍事覇権、経済覇権、政治文化覇権衰退の加速! 岩上安身によるインタビュー第1132回 ゲスト 安全保障と国際関係論の専門家・桃山学院大学法学部・松村昌廣教授 第2弾 2023.9.1
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/518292

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 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

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IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵、尾内達也、浜本信貴)

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