日本で盛んに報じられる「中国経済崩壊論」は真実か!? 他方、マスメディアがほとんど報じない「米ドル覇権崩壊」は疑いようのない事実! 岩上安身によるインタビュー 第1135回 ゲスト エコノミスト・田代秀敏氏 第2回 2023.9.28

記事公開日:2023.10.12取材地: テキスト動画独自
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(文・IWJ編集部)

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 岩上安身は2023年9月28日、エコノミストの田代秀敏氏にインタビューを行った。9月21日に収録したインタビューの続編である。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は、2023年9月17日放送の米『CBS』のインタビューで「ウクライナが敗北すればロシアはポーランドやバルト3国に迫り、第3次世界大戦に発展しかねない」と警告し、「プーチンを食い止めるか、世界大戦を始めるか、全世界が選ばなければならない」と、世界を恫喝した。

 これについて岩上安身は、「ウクライナがロシアの侵攻を呼び込んだのは、2014年のユーロマイダンクーデター以来、ウクライナが国内のロシア系住民への迫害・虐殺を継続し、ロシアを挑発したから」だと指摘し、「プーチンがロシア軍を動かして、ロシア系住民への差別政策や虐殺が実行されていないポーランドやバルト3国に介入する理由はない」と批判して「(ウクライナ東部でロシア系住民への虐殺や迫害が行われた)ドンバスを忘れる、ドンバスの話をしないなんて、倫理的におかしい」と訴えた。

 これに対して田代氏は、次のように語った。

 「事件が起きる前には、ヒストリーがある。少なくとも2014年のユーロマイダンクーデターまでさかのぼらなければ、今起きていることはわからない。

 じゃあ、そもそもどうしてユーロマイダンクーデターのような奇怪なことが起きたのか、というのは、その前に(親欧米政権を誕生させた)オレンジ革命があった。

 なぜ、オレンジ革命があって、ウクライナというもともと破綻していた国家が、輪をかけた大混乱常態になってしまったのか、というのを、全然みんな、スパッと切って、『とても善良で、天使のように清らかな人たちが、平和に生きて暮らしていたところに、突然、悪の帝王プーチン率いる悪魔の軍団が襲いかかった』なんて、今時、子どもでもおもしろがらないような、安っぽいストーリーを見せつけられているわけです」。

 また、田代氏は、「ウクライナの悲劇」を次のように指摘した。

 「ウクライナって、もともとソ連の中で最も工業が発達した国のはずだったのに、彼らは何か勘違いして、ドイツの企業の下請けになったら、付加価値の低いところばかり押し付けられた。

 2023年現在の日本が製造できない大型旅客機や宇宙ロケットを作っていた国なのに、ドイツからすれば、単に低賃金の労働者がたくさんいる国にすぎないので、低付加価値のものばかり押し付けられてしまって、自分たちが持っていた強みをまったく使えなくなった。(中略)

 ウクライナは(独立を果たす直前の)1990年の時点で、国際的な債務がないんです。借入がなかった。ところが、少なくとも2019年時点のデータを見ると、ウクライナは世界で3番目に対外債務の大きい国なんです。人口からすれば、恐るべきことですよね」。

 ウクライナはソ連からの独立を果たし、「脱ロシア入欧」を目指して欧米化の方向へ突き進んだあげく、経済は破綻し、欧州最貧国に陥ってしまった。そのストレスがたまるたびに、より、親欧米国になろうとして、オレンジ革命や、ユーロマイダン・クーデターを経て、何もかもうまくいかないのは、その責任はロシアにある、と、ロシアへの責任転嫁を強め、反ロシア色を強めていった。

 岩上安身は、ユーロマイダンでポロシェンコが大統領だった時に、「すでにアメリカがずけずけと入り込んでいって、この国の公共財産を片っ端から民営化し、ただ同然で買い取った。国外に持ち出した国富の金額は、60兆とか70兆といわれます。やりたい放題、この国を買い叩いて、みんな持ち出して行った」と応じた。

 田代氏は、「ソ連崩壊直後、ソ連を構成していたあちこちの共和国で妙な経済ナショナリズムが出てきた」と指摘し、自国の良質な製品を「国際価格で売ることができるという時には、自分たちが必要とする物も、国際価格で買わなければいけない。その支払い能力がないということに、気づかなかった」と述べました。それまでは、国際価格より安い、ソ連国内の価格で買っていたのである。

 田代氏は「ソ連という巨大な経済システムが解体した時点、ウクライナ国家の出発時点で、経済的には破綻国家だった。それをずっと引っ張ってきてしまったのが、ウクライナの最大の悲劇ですよね」と語った。

 9月に行われた国連総会では、ゼレンスキー大統領が演説で「ロシアの『ジェノサイド』に団結を」と呼びかけたが、会場の席の半分以上が空席だった。また、穀物輸入をめぐってポーランドとウクライナの対立が表面化し、ポーランドのモラヴィエツキ首相が、「ウクライナへの武器供与を停止する」と発表。その後、ポーランドのドゥダ大統領が、国連での記者会見で「最新鋭の兵器は送らないと言っただけ」だと火消しに走ったことも報じられた。

 また、バイデン大統領は国連で、「ウクライナが(ロシアに)切り刻まれるのを許してしまえば、いったいどの国の独立が無事だというのか」と、米国がこれまで数々行なってきた他国への武力介入は棚に上げ、ロシアを名指しで批判する演説を行った。

 一方、ブラジルのルラ大統領は「対話を基礎にしなければ和平は長続きしない」と、ウクライナへ軍事支援を続ける欧米諸国を暗に批判。イランのライシ大統領は、「アメリカは欧州諸国を弱体化させるために、ウクライナでの暴力行為をあおり立てている。残念なことに、これは長期的な計画だ」と、米国を非難した。また、中国の馬昭徐外務次官は、国連の安全保障理事会で、ウクライナ危機の長期化や拡大は「誰の利益にもならない」と和平交渉を呼び掛け、他国に対し、火に油を注がないよう求めた。

 インタビューでは、こうした西側諸国とグローバル・サウスの国々の、ウクライナ紛争に対する態度を対比させ、岩上安身が田代氏に意見をうかがった。

 また、インタビュー終盤では、日本のマスメディアがまったく報じない、中国の「新経済」などについて、田代氏に詳しくお話をうかがった。

■ハイライト

  • 日時 2023年9月28日(木)18:00~
  • 場所 IWJ事務所(東京都港区)

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