「急速な円安は『アベノミクス』の経済的帰結!? 安倍元総理の国葬よりも『アベノミクス』の国葬を!」~岩上安身によるインタビュー第1099回 ゲスト エコノミスト・田代秀敏氏 2022.9.26

記事公開日:2022.9.28取材地: テキスト動画独自
このエントリーをはてなブックマークに追加

(文・IWJ編集部)

特集 ロシア、ウクライナ侵攻!!
※全編映像は会員登録すると御覧いただけます。 サポート会員の方は無期限で、一般会員の方は記事公開後の2ヶ月間、全編コンテンツが御覧いただけます。 一般会員の方は、22/11/28まで2ヶ月間以内に限り御覧いただけます。
ご登録はこちらから

 9月27日、安倍晋三元総理の「国葬」が執り行われた。なぜ、安倍元総理が「国葬」なのだろうか。数々の疑惑があり、「アベノミクス」の功罪も十分議論されたとは言えない。

 岩上安身は、安倍元総理の国葬の前日26日、「急速な円安は『アベノミクス』の経済的帰結!? 今こそアベノミクスの『国葬』を!」と題して、エコノミスト田代秀敏氏への緊急インタビューの第2弾を実施した。

 岩上は冒頭、27日に執り行われる安倍元総理の国葬について言及した。

岩上「国葬の話が、いよいよもって、日本の中で分裂しています。安倍元総理の国葬ですが、国葬反対という人が圧倒的に多い。3分の2くらいではないでしょうか。にもかかわらず、強行すると。

 実は本当に葬らなければいけないのは、安倍総理ではなくて、安倍総理の政策『アベノミクス』ではないか。『アベノミクスの国葬』を取り行わなければいけないのではないかと。

 『安倍総理死して安倍政治は死せず』。『板垣退助死すとも民主主義は死なず』ではないですけどね。

 安倍元総理が死んだところで、統一教会との腐れ縁も、アベノミクスという破滅的な経済政策も終わっていないのです。継続中なんです。日本経済は今、断末魔状態にある。

 これこそ、安倍さんが生きていたら、国会に招致して、『こんな経済政策をやっているから、こんなことになるじゃないか』と言わなきゃいけない。

 同時に今、世界を戦争の危機の、本当にがけっぷちにまで追いやっているロシアのウクライナ侵攻およびロシアに対する制裁。むしろ、世界経済に対しては、(対ロシア)制裁の方が、はるかに副産物が大きいかもしれません。

 これらは重なり合って、日本など、アメリカの同盟国ばかりが損をするという、まったく馬鹿げた状況にあるわけです。

 今の日本の国難は、人為的にもたらされているものです。それをはっきりさせたい。

 そして、国葬反対と言ってる人、『アベノミクスこそ国葬』という風に、これもついでにシュプレヒコールに入れていただきたいなと思います。(中略)

 今こそ国難です。今こそ『アベノミクスの経済的な帰結』が訪れている時です」

 アベノミクスの帰結として、日本は円安、株安、債券安というトリプル安に落ちいっている。

 日本の財政赤字は主要国最悪レベルで、2022年3月末で1241兆円、国民一人当たりで1011万円と言われている。

 さらに、貿易収支も赤字転落、8月には過去最大となる2兆8173億円となった。非常に厳しい状況だと言わなければならない。

 22日に政府・日銀が為替介入を行ったが、田代氏が予測した通り、米国の協調は得られず、日本の単独介入であったことがわかった。

 田代氏は、今の米国のインフレの状況は庶民に重くのしかかっていると指摘した。

田代氏「シングルマザーのお母さんが子供には毎日卵食べさせたいから私も我慢するのと言うわけですよ。もう私は卵食べないと。卵はすべて小学生の子供に食べさせると。

 お母さん大丈夫だろうかと」

岩上「(米国の一般庶民の現在の経済状況は)開発途上国ですね」

田代氏「開発途上国を通り越していて、フードバンクに人々が殺到しているわけです。

 だからもう、アメリカは何がどうあっても、このインフレーション、例えば不景気になって失業が出たとしても、インフレーションを抑える方が先決なんですよ。

 とにかくまず利子率を上げる。為替相場がドル高にふれるということは、アメリカからすれば輸入物価が下がるわけですから、これはインフレ抑制のための重要な援軍ですよ。

 なのに、このタイミングで、なんで日本を助けるために、あえて円高ドル安、つまり、アメリカにとって輸入物価が上昇するようなことに加担するわけですか? するわけないですよね」

 1985年には、行き過ぎた米国のドル高を是正するために、各国が協調して「プラザ合意」が結ばれた。

 岩上は、今回は1985年とは違って、各国はドル高に対する通貨防衛を単独で行うことを余儀なくされていると、23日付『ブルームバーグ』の記事を紹介した。

岩上「『現在の為替市場の問題は多くの点で1980年代を想起させるが、当時のような解決策の可能性は低い。世界の経済大国は1985年のプラザ合意で、ドル高是正に共同で取り組むことで一致した。しかし今回は、そうした合意に近づいている兆しはほとんど見られない』(ブルームバーグ)。

 なぜ見られないのでしょう?

 ひとつは、(かつては)G7のような国が、特別に世界経済の中で力を持っており、その少ないメンバーが話し合えば協調行動ができた。そして、大きな影響を与えられた、ということを指しているのでしょうか。

 または、現在は、利害がばらばらで、こっちを向いて誰かが買いや売りに出れば、反対の方向に進んで逆に得をする人もいるというような状態になっている、ということを言ってるのか。

 1985年のプラザ合意で、一気にドル高是正のため、一気に円高にされたわけじゃないですか。(円高是正に奔走した)宮沢(喜一)さん、忘れられませんけれども。あのことがなぜできないって言ってるでしょうか?」

田代氏「プラザ合意っていうのは、まったくの秘密協定だったんですよね。(プラザホテルを)大蔵省財務省が貸し切ったわけです。5ヶ国の財務大臣がニューヨークに密かに集まった。

 実際、日本でも竹下が大蔵大臣でしたけど、彼は『ゴルフに出かけます』といって、本当にゴルフウェア着て、ゴルフバッグを担いで車に乗って、その足でニューヨークに向かったんですよね」

■ハイライト

■ピックアップ1【「ごぼうの党」奥野卓志代表が大暴れ①】岩上安身によるエコノミスト 田代秀敏氏インタビュー 第2弾より

■ピックアップ2【「ごぼうの党」奥野卓志代表が大暴れ②】岩上安身によるエコノミスト 田代秀敏氏インタビュー 第2弾より

  • 日時 2022年9月26日(月)20:30~
  • 場所 IWJ事務所(東京都港区)

(…サポート会員ページにつづく)

アーカイブの全編は、下記会員ページまたは単品購入より御覧になれます。

サポート会員 新規会員登録単品購入 550円 (会員以外)単品購入 55円 (一般会員) (一般会員の方は、ページ内「単品購入 55円」をもう一度クリック)

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です