【第582号】岩上安身のIWJ特報!急速な円安は「アベノミクス」の経済的帰結!?日本はこれからどうなるのか?岩上安身によるエコノミスト田代秀敏氏インタビュー(その1) 2023.1.1

記事公開日:2023.1.1 テキスト独自
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(文・IWJ編集部)

 2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻以降、米国はインフレを抑えるために金融引き締めに向かった。年頭に1ドル=115円台だった円相場は5月中旬以降、米連邦準備制度理事会(FRB)の急速な利上げの影響を受けて円安が進行。9月に入ると1ドル=140円台前半まで下落し、24年ぶりの安値となった。

 9月14日、日銀は為替介入の準備のため、市場参加者に相場水準を尋ねる「レートチェック」を実施。9月13日、14日の円相場は142円から144円の間で推移しており、3月上旬の1ドル=114円台から半年で30円下げたことになる。『日本経済新聞』は年間ベースの下落率について、変動相場制に移行した1973年以降で最大だと指摘した。


▲田代秀敏氏(IWJ撮影)

 この急激な円安を受けて、2022年9月16日、岩上安身は東京都内のIWJ事務所で、エコノミストの田代秀敏氏へ緊急インタビューを行った。

 田代氏は、9月8日に発表された国内総生産統計の2次速報(2022年4月~6月)について、国内総生産(GDP)と国内総所得(GDI)の値が開きすぎているのに、大手メディアは政府発表の数値とグラフしか掲載していないと、以下のように指摘した。

 「新聞には、GDPの成長率の年率換算値が前期比(2022年1月から3月)で3.5パーセント増えた、めでたしめでたし、コロナ前の水準を回復した、と。でも、日本のメディアは政府が(プレスリリースに)発表してない数値は報道しないんです。

 政府の統計には国内総所得(GDI)の数字もある。このGDIの成長率を、内閣府が指定している年率換算公式を使って計算してみると、なんとマイナス0.003パーセント(四捨五入して0.00パーセント)。3.5%増のGDPとGDIの数値の差が3ポイントも乖離するのは異常事態だが、(大手メディアは)誰もそれを指摘しない。

 (国民は)みんな頑張って働いて、コロナ前の水準を上回った。でも、それに対する報酬は増えていない。その差の部分は外国に流出したと考えるのが妥当だ。簡単に言うと、『働けど働けど暮らしは楽にならず』なんですね」

 石川啄木の歌集『一握の砂』から、有名な「はたらけど はたらけど猶(なお)わが生活楽にならざり ぢっと手を見る」を引用して解説した田代氏は、その原因としてエネルギー資源価格の上昇や円安による交易条件の悪化を挙げた。

 そして、液化天然ガス(LNG)輸出大国であるカタールが、東京電力HDと中部電力の火力発電会社JERAとの大型販売契約を打ち切ったことも大きな要因として指摘した。

 岸田内閣は「新しい資本主義」を掲げ、2021年10月、第6次エネルギー基本計画を閣議決定し、「30年までに、液化天然ガスを使う火力発電の比率を27パーセントから20パーセント程度に減らす」と発表。2021年末、カタールは25年間続いた日本への液化天然ガスの大型販売契約を打ち切ったのである。

 「日本が『使わない』と宣言しちゃったんだから、それは契約を切られますよ。それであわてて、岸田総理がカタールに行って直談判すると言ってたら、岸田さんは夏休みにゴルフ三昧やって、コロナに罹って、行ってないです」と田代氏は言う。

 さらに、日本製の半導体などを中国に売らないことを盛り込んだ、経済安全保障推進法についても、「アメリカは喜ぶかもしれないが、日本の基幹産業が潰れてしまう。岸田総理は経済的センスがない」と痛烈に批判した。

 岩上安身は、ロシアメディアの『RT』が、日本がロシア産液化天然ガスの購入を大幅に増やしたと報じていることを指摘し、次のように続けた。 

 「『日本財務省が今週発表した貿易統計によると、日本政府は8月にロシア産液化天然ガスの購入を大幅に増やした』。ひっそり、増やしてたんですね。『ロシアの日本への LNG 供給量は、前年8月比で、量で 211.2パーセント 増加』。2倍ですよ。『金額で380パーセント 以上増』。

 これは、全然、日本のメディアは、報じてない話です。カタールに見放されそうになったから、もうロシアにすがってる」

 田代氏は、ロシアのサハリン2からの液化天然ガスを切ったら、日本の地方のガス会社と電力会社の約半数が債務超過に陥るシミュレーションがあると述べ、「サハリン2のガスに一番依存しているのは、岸田総理の選挙区がある広島県の電力会社。(ガス輸入を止めたら)おそらく破綻するんじゃないか」と説明した。

日本のGDP成長率は年3.5パーセントプラス。「生産」は増加しているのに「所得」はマイナス!? 「びっくり仰天です」

岩上安身(以下、岩上)「皆さん、こんばんは。ジャーナリストの岩上安身です。

 本日は、緊急企画、緊急インタビューです。円安が急激に進んでおります。それが、とどまるところを知らない。

 そして、円安の場合はですね、その代わり株価が上がるとか、何かしら円安のメリットとデメリットがあったんですけれども、今起きていることは、これまでにない程の水準であると同時に、きわめて破壊的な円安であると。

 円安についての話題はテレビのニュース等、流れますよ、しかし、ここまでの危機感を持って流してるところは、ほとんどないと思います。

 本日はエコノミストの田代秀敏さん、お招きしております。田代さん、よろしくお願いします」

田代秀敏氏(以下、田代氏)「よろしくお願いします」

(中略)

岩上「タイトルはですね、『急速な円安は「アベノミクス」の経済的帰結!?』なのかと。通貨も、これは円安の、皆さんイメージを持ってるんですよね。しかし、株式も国債も売られると。日本売りが起きている、という話に入ります」

▲急速な円安は「アベノミクス」の経済的帰結!? 通貨も株式も国債も売られる『日本売り』が起きている!

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(中略)

岩上「『「岸田不況」という悪夢? 実質所得の“負のスパイラル”に打つ手なし!!』」

▲「岸田不況」という悪夢? 実質所得の“負のスパイラル”に打つ手なし!!

(中略)

岩上「輸入インフレがすごい、っていうような中で、経済危機が日本に押し寄せてきている、という感じなんですね。

 ちょっとこれ、『デイリー新潮』に出たばっかりのものなので、田代さんの口からですね、ご説明いただきたいなと思っているんですけれども」

▲「GDP(国内総生産)統計」2次速報値実質GDP+3.49%に対しGDIは0%

田代氏「今朝(9月16日)の午前6時にね、新潮社の『デイリー新潮』というインターネット雑誌で公開されてます。

 どういうことかというと、今月の8日、GDP、国内総生産統計の2次速報値が発表されたんですね。それを見ると、新聞では、実質GDPの成長率が前期比、つまり、今年の1月から3月期に比べて増えてると。それを年率換算、1年通してその成長が続いたと計算すると、3.5パーセントプラスだと。で、めでたしめでたし、と。これでコロナ前の水準を回復した、と書いてあるんだけど、実は、この中にたくさんの統計が入っていて、国内総所得、GDIの統計も入ってるんですね」

岩上「『GDI』っていうのは『国内総所得』ですね(※1)」

田代氏「そちらの成長率は、ちゃんと、これは内閣府が指定している年率換算公式がありますから、それで自分で計算してみると、なんと0.00パーセント。実は、本当はマイナスなんですけどね。マイナス0.003だと思うけど、それは小数点以下、丸めていくと、要するにプラスマイナスゼロとしましょう、と。本当は、ちょっと減ってるんだけど。

 これは、自分で計算すれば、すぐわかるんですね。ところが、実はこれ、日本のメディアの、新聞もそうですけど、政府が発表してない数値は報道しないっていうのがあるんですね」

岩上「記者クラブと官庁の、これはもう、談合と言いますか…」

田代氏「わからない。あと、グラフもね、自前で作ったのは掲載しないと。政府発表(プレスリリース)で付いてたグラフだったら掲載するっていうんですね。

 だから、政府側は単に実質GDIの、ワーッと数字が書いてあるんですね。それで自分で計算すると、ちょっと減ってると。でも、小数点以下、丸めるとプラスマイナスゼロ」

岩上「これ、総所得っていうのは『インカム』なんですね」

田代氏「はい。で、これは実は、その経済活動の規模っていうのを測定するには、3方向の可能性があって、生産面から、つまり、作り出すという面から見ていくか、支出面、支払いですね。経済活動には支払いを伴いますよね。あと、もうひとつは所得。つまり、報酬を受け取るってありますよね」

岩上「『支払い』っていうのは、『消費』って言い換えてもいいわけですね?」

田代氏「いや、それだけじゃなくて、企業だって仕入れする時に支払ってますよね」

岩上「なるほど。企業間取引の」

田代氏「あと、運送代も払わなきゃいけないし、何と言っても、賃金払ってますよね。そういうのを、経済活動を考える時に、『生産』という、作り出すという面から見るのがひとつ。もうひとつは『支払い』、支出の面から見る。あと、『所得』、つまり受け取ったね。これ、よーく考えてみると、一致するはずですよね」

岩上「そうですね。一致してないとおかしいですね」

田代氏「そう。ただし、一致しないのは、なぜかというと」

岩上「貯蓄に回す、ってのはあるかもしれない」

田代氏「いや、外国部門があるからですよ。一国が閉じてれば、3つの方向から測ったものは必ずぴったり一致するはずだけど、実際にはズレてるのは、それは外国部門があるからですよね」

岩上「そうですね。確かに」

田代氏「で、どうかというと、そういう風に、国内で新たに作られた経済的な価値の合計がGDPです。『実質』というのは物価変動の影響を取り除いてるってことですね。

 一方、GDI、グロス・ドメスティック・インカムは、同じ期間にその国内にいる経済主体、家計、企業、政府、そういうところが受け取った金額の合計を、ちゃんと物価水準の変動を取り除いて実質化してますと。

 それぞれの成長率を測ると、なんと、GDPの成長率は年率3.5パーセント、小数点2位を四捨五入にすると。それに対して、実質GDI、グロス・ドメスティック・インカム、国内総所得の実質値の成長率、伸び率は、マイナス0.003で、四捨五入すると0.0パーセント。

 『え⁉』ってわけですよね。作り出したものは3.5パーセント増えてるのに、受け取った所得は全然増えてないと。これ、3ポイントを超えて乖離するなんてのは…」

岩上「珍しいことなんですか?」

田代氏「これは珍しいですね。こんな乖離するのは、びっくり仰天ですよね。もちろん、これ、ズレるのは当たり前なんです。さっき言ったように外国部門があるから」

岩上「でも、それはせいぜい、もっと小さな単位っていうことですか?」

田代氏「こんなに大きくならないですよね」

岩上「ならない」

田代氏「しかも、3ポイントでしょ。これは、ちょっと大きい」


※1)『GDI』っていうのは『国内総所得』ですね:
 GDIは、Gross Domestic Incomeの略。国内総所得。国全体の経済の大きさを、所得の面から計測した指標で、国内で一定期間内に支払われた賃金、利潤、配当等の合計額を指す。

 名目上の国内総所得(GDI)は、三面等価の法則により、国内総生産(GDP)、国内総支出(GDE)と一致する。実際には、ある時点で固定された構成価格の計測を行うGDPとGDIとの間に乖離があるため、GDIを算出する際は実質GDPに、海外との交易条件の変化に伴う購買力の変化(交易利得)を加えて計測を行う。
 GDIに日本企業(日本国民)が海外投資で得た配当等の所得収支を加味したものが、国民総所得(GNI)となる。

参照:
・GDI(じーでぃーあい)(野村證券 証券用語解説集)
【URL】https://bit.ly/3OLiRgb

・よく分かる!経済のツボ『GDPが回復すれば景気回復?資源高と総所得の視点』(第一生命経済研究所、2022年4月1日)
【URL】https://bit.ly/3OHcISc

岸田政権は「新しい資本主義」の下、液化天然ガスの削減宣言。結果、カタールから25年続いた契約を切られてあわてる羽目に!

田代氏「じゃあ、どうしてそんなにズレてるのかというと、簡単に言えば、生産面で増えてるわけでしょ。だけど、受け取った所得は増えてないってことは、国内で受け取らなかった所得は、海外に移転してるわけですよね。

▲「GDP(国内総生産)統計」2次速報値実質GDP+3.49%に対しGDIは0%(続き)

 ていうことは、コロナ前の水準を取り戻そうと言って、みんなですごく頑張って働いて、作り出したものはちゃんとコロナ前の水準を上回ったとしても、問題はそれに対する報酬は増えてない。増えてたはずですよね、たくさん作ったんだから」

岩上「そうですね」

田代氏「ってことは、その差の分は外国に、国外部門に流出したと考えるのが一番」

岩上「そうですね」

田代氏「もちろん、それは統計が間違ってれば、そうかもしれないけれど、統計が正しければ、そう解釈するのが妥当ですよね。

 しかも、実はこの実質GDPは着実に増えているんだけど、実質GDI、つまり国内総所得、これはですね、減少基調なんです。じりじりと減ってるんですね。実はずっとマイナスが続いてたんですよ。

 実は、1次速報値でも減ってますよね。マイナス2パーセントぐらい減ってますよね。今回、2次速報値では、それがプラスマイナスゼロになって、おお、随分改善したというところなんですね。

 簡単に言うと、みんな頑張って働くんだけど、働けど働けど暮らしは楽にならず、なんですね。それはつまり、比喩じゃなくて、経済統計がそう意味してるはずですね。だから、何度も言うように、実質の国内総『生産』はコロナ禍前の水準に戻りつつあるんだけど」

岩上「これが原因ですか? 資源価格の高騰」

田代氏「それだけじゃないと思うね」

岩上「これだけではない。この、『エネルギー資源高騰』とも書いてありますけれどもね」

田代氏「やっぱり円安による、交易条件の悪化が大きいですよね」

岩上「なるほど。輸入価格がみんな高騰しますもんね」

田代氏「あと、もうひとつは、カタールが日本への液化天然ガスの長期にわたる販売契約の更新を断りましたよね」

岩上「(パワポの順番確認)これ、すごい大事なことだと思うんです」

▲対露制裁ロシアの影響だけではなく岸田政権の「失策」も!

田代氏「これも、大変に日本の交易条件、つまり、貿易上の取引の条件というのを悪化させてるわけですよね」

岩上「これ、2021年末に、もう25年続いた(契約の)打ち切りを(された)。大型販売契約、これだと安いんですよね。それがスポットになると大変高いと。だから、ヨーロッパなんかがスポットで買っていて」

田代氏「打ち切りっていうかね、契約期間が切れちゃったんですよね。問題はこれを」

岩上「再更新したいでしょう?」

田代氏「再更新しようと、日本はしてるんだけど。カタールにとっても、実は日本は、ある意味では大得意だから、今のスポット価格よりも安い値段で売ったとしても、それが何十年と売れるんだったら、それでもいいやっていうところありますよね。これは、どんな商売でもそうですよね。けっこう大口で、しかも長期の取引を約束してくれたら、安く応じるっていうのは商売人の常ですよね。

 ところが、カタールは交渉を『もうしない』と言ってきた。それはなぜかというと、岸田政権発足直後の、『新しい資本主義』(※2)とか言ってた頃ですよ」

岩上「はい、昨年10月の」

田代氏「その時に、よりによって閣議決定で、第6次エネルギー基本計画があるんだけど、電源構成比を、30年までに液化天然ガスを使用する火力発電の比率を、今、現状27パーセントだけど、これを20パーセントに減らすと、変えたわけね」

岩上「バカだなー」

田代氏「これ、カタール側から見ればね、『うーん、買ってくれないんだ』と」

岩上「じゃあ、他に売るわ、ってね」

田代氏「そうすると、どんどん買ってくれるところと長期契約は結びたいな、と思いますよね」

(中略)

田代氏「カタールは日本に対して液化天然ガスを安定的に供給してきたんですけど、日本が、使わないってこと宣言しちゃったんだから、もう、それは切られますよね。

 それであわてて、岸田総理がカタールに行って直談判すると言ってたら、彼は夏休みにゴルフ三昧やって、はい、コロナにかかりました、ごめんなさいって」

岩上「(カタールに)行ってないんですか?」

田代氏「行ってないですよ、だから」

(中略)


※2)『新しい資本主義』:
 2021年10月に発足した岸田文雄内閣が掲げる経済政策。小泉純一郎内閣以降の新自由主義的な経済政策を改め、「成長と分配の好循環」を実現するとしている。
 主な内容は、2020年9月の自民党総裁選挙への出馬に合わせて出版された岸田氏の著書『岸田ビジョン 分断から協調へ』に書かれたもの。

 成長戦略として、科学技術によるイノベーション、デジタル田園都市国家構想などによる地方活性化、カーボンニュートラルの実現、経済安全保障の確立の4つを、分配戦略としては、働く人への分配機能の強化、中間層の拡大と少子化対策、看護、介護、保育などの現場に働く人の収入増を掲げている。
 「新自由主義的政策が、格差と分断を生んだ」として所得の再分配を強調したが、楽天グループの三木谷浩史氏など財界人からの批判が相次ぐと、金融所得課税の強化については当面検討しないとした。

 「成長なくして分配なし」「分配なくして成長なし」と説明した岸田首相だが、その成長戦略にも目新しいものはない。格差の見直しは民間企業へ丸投げ、分配の本質である税制にはまったく手をつけず、唯一出てきたエッセンシャルワーカーの待遇改善は遅きに失した感がある。
 消費税はそのまま、企業の莫大な内部留保にも手をつけず、献金と集票で自民党を支えてきた大企業に有利な方向は温存したまま、「新しい資本主義」は迷走している。

参照:
・「新しい資本主義」ぶれる首相の本気度は(東京新聞 TOKYO Web、2022年1月1日)
【URL】https://bit.ly/3VvM3tJ

・新しい資本主義とは? 岸田首相の理想は果たして実現できるのか(日経ビジネス、2022年10月26日)
【URL】https://bit.ly/3VxgEqZ

・「私の特技は人の話を聞くこと」とアピールしてきた岸田文雄新総裁初の記者会見がたったの30分!「民主主義の危機」「コロナ国難」「新しい資本主義」とキーワードは重ねるものの中味なし!~9.29_自民党総裁選・岸田文雄新総裁 記者会見 2021.9.29(IWJ)
【URL】https://bit.ly/3UbaD2c

・新しい資本主義実現本部/新しい資本主義実現会議(内閣官房)
【URL】https://bit.ly/3UgFNFc

・新しい資本主義(ウィキペディア)
【URL】https://bit.ly/3UczXEW

日本の最大の貿易相手は中国なのに「中国にハイテク製品を売るな」という経済安全保障推進法。「岸田総理って、ものすごく経済的センスがない」

岩上「で、田代さんは『岸田総理は米国に追従する姿勢を見せつつ、中国から経済的実利をもぎ取る戦略に欠ける』。戦略があるのかと思ったので『欠ける』っていうことですね」

▲田代氏「岸田総理は米国に追従する姿勢を見せつつ、中国から経済的実利をもぎ取る戦略に欠ける」

田代氏「うん。なぜか岸田総理って、ものすごく経済的センスがない。いろんなもの、あるけれど、『新しい資本主義』っていう与太話を言い出したのに、中身がなかったとかね。

 これが最たるもので、この『経済安全保障推進法』っていうの、やりましたよね。何かというと、結局、中国に半導体などのハイテク製品を売るなって話ですよ。冗談じゃないですよね。日本にとって、中国は最大の貿易相手国です」

岩上「そうですね」

田代氏「だいたい、輸出の25パーセントは中国向けなんですよね。アメリカなんて17パーセントしかないわけですよ。しかもそのうち、最大の輸出項目は何かというと、集積回路です」

岩上「なるほど。半導体とか集積回路なんですね」

田代氏「うん。半導体やダイオードとかね。IC、インテグレーテッド・サーキット、集積回路。これが輸出全体の11パーセント占めてるんです。これが、223億ドル。だから、今の為替レートで換算すると約3兆円ですよね」

岩上「これ、田代さんのお書きになった、あれ(記事)ですよね? ちょっと、見せてもいいですか?(田代氏の原稿が載った『エコノミスト』9月13日号「暴走する中国 習近平3期目の難路」を見せる)」

田代氏「そのタイトルはね、売らんがためにつけた意味のないタイトルで。

 結局、日本にとって中国は本当の最大貿易相手国であると同時に、実は日本から中国に一番売ってるのは、1位はそういった半導体やダイオード、コンデンサー、日本が一番得意にしている、ものづくりの結晶である集積回路。2番目がそういった半導体や集積回路を作るための製造機器。これが、129億ドル」

岩上「なるほど」

田代氏「だいたい今の為替レートで計算すると約1.6兆円ぐらいか。で、第3位が自動車なんです。自動車完成品、それが約1兆円かな。これが3大項目。つまり簡単に言えば、今の日本経済の基幹産業ですよね」

岩上「そうですね。ご飯食べれてるのは、このおかげって」

田代氏「だから、もし本当に、この法律で意図してる通り、『中国にハイテク製品売るな』って言った瞬間に、何が起きるかっていうと」

岩上「3つとも売れなくなっちゃう」

田代氏「それは、ソニー、京セラ、村田製作所、トヨタ。もう、一大経営危機ですよね。もう、とにかく相当数の従業員を解雇しないと、会社存続できないですよ」

岩上「これ(経済安全保障推進法)は、アメリカのためにやってるんですか? 自国の生存が先だと思うんですよ。何でアメリカの、同盟国であるかもしれないけど、言うことを聞く必要なんかないじゃないですか」

田代氏「こういうことをやると、バイデン閣下がお喜びになる、と」

岩上「バイデン閣下、お喜びになっても、我々が食えなくなっちゃうんじゃ、話にならないんで」

田代氏「でも、そしたら、ほら、安倍元首相がトランプと盛んにゴルフしたように、今度は岸田総理もバイデン閣下とゴルフできるかもしれない(笑)」

岩上「岸田のために、我々がいるんじゃないんで、お辞めになっていただいてもかまわないんですけど。こういうことをやって、もうサバイバルできないようなことをやったら、本当、日本は存続できなくなっちゃいますよ」

田代氏「多分、それは日本の政治家、あと官僚でも、そういった貿易部門じゃない官僚たちは、いまだ日中貿易というのを、何か日本から中国に産業用ミシンを輸出して、向こうに作った工場に超低賃金の労働力を集めて…」

岩上「『女工哀史』の状態(※3)」

田代氏「で、安い衣類とか、あるいは、かつて100円ショップで売ってたようなもの、そういうのを大量生産して日本に輸出すると。そういう貿易パターンが主力だと思ってるんじゃないかと。

 それはもう、はるか昔に終わってしまった。一部やってるけど、そんなことは、今、申し上げたように、日中貿易のメインパートじゃないわけですよ。

 メインパートは、まさに日本にとって、最後に残ってる稼ぎ口であるハイテク企業と自動車会社にとって、最大の売り先が中国なんですよ。だって、自動車だって半導体の塊ですから、本当、これ(経済安全保障推進法)でいくと、レクサスだって売れなくなっちゃうんですよ」

岩上「そうですよね。まして電子化が進めば進むほど、必要になっていくわけですから。EV(電気自動車)なんて」

田代氏「もし、EVになったら決定的ですよね」

(中略)


※3)『女工哀史』の状態:
 『女工哀史』は、近代日本の経済発展を担った紡績業や織布業の女性労働者(女工)の過酷な労働実態を描いた書籍。著者は細井和喜蔵(ほそい わきぞう)。1925年(大正14年)7月、改造社から出版された。
 1916年に工場法が施行されたが、紡績業などでは深夜労働がなくならず、「女工」の多くは寄宿舎生活で自由を拘束され、厳しい労働環境で酷使されていた。

 同書は労働者の人権擁護の視点から、詐欺に近い「女工」の募集、搾取的な雇用契約、劣悪な労働環境などの実態に加えて、「女工」の心理や病理を精緻に描いており、大正期の悲惨な「女工」の労働実態をリアルに伝える貴重な資料となっている。
 14歳で機屋(はたや)に働きに出た著者自身が、その後の約15年間を紡績工場の下級職工として働いた体験や、「女工」であった妻・としをの紡績工場での労働経験にもとづいた内容で、文献資料や統計調査なども加えてまとめられている。

 初版刊行後、社会的な問題提起となって版を重ね、深夜業の廃止につながるなど、1920年代後半の紡織労働運動発展の礎となった。細井は刊行の1ヵ月後、貧困の中で29歳で病死。同書の印税は労働者解放運動のために寄付された。
 労働問題の古典的文献として今日も読み継がれ、2019年から国会図書館のウェブサイトで初版本が全ページ公開されている。
 近年でも、いわゆるブラック企業の違法労働や、外国人技能実習制度で来日した実習生への搾取的な待遇について、「女工哀史のような」と表現されることがある。

参照:
・劣悪な労働環境に悲鳴続出! 外国人研修生の「現代版女工哀史」(DIAMOND online、2008年9月18日)
【URL】https://bit.ly/3VkvGkk

・女工哀史(国立国会図書館デジタルコレクション)
【URL】https://bit.ly/3XCg0Ku

・女工哀史(コトバンク)
【URL】https://bit.ly/3u2vD0q

ウクライナ問題で米国に追随しつつ、ロシア産液化天然ガスの輸入は増加!「サハリン2のガスに一番依存しているのは岸田総理の地元の電力会社」

岩上「先程の、このLNGの話に戻ると、実はこれ、僕らがロシアメディアの『RT』を見てて、びっくりしたんですけど。

▲ところがなんと、日本のメディアが報じない事実/ロシアメディア『RT』が「ロシアの対日LNG輸出が急増」

 『日本財務省が今週発表した貿易統計によると、日本政府は8月にロシア産液化天然ガス(LNG)の購入を大幅に増やした』。

 ひっそり、増やしてたんですね。だから、カタールから切られちゃった、と。カタールはカタールで、儲かるスポットを増やしたいのかもしれませんけれども。

 『ロシアの日本へのLNG供給量は、前年8月比で、量で211.2パーセント増加』。2倍ですよ。『金額で380パーセント以上増。一方、8月のロシア産石油の購入は減少。数量で前年比20.3パーセント、金額54.1パーセント減少。ロシア産石炭の購入を32.6パーセント減少、コストは昨年より120パーセント増加』。

 (輸入量が)減少してもコストがかかるっていうのは、円安のせいですよね。だけれども、LNGは、もう待ったなしでやらないといけないっていうことで、実はもう、ロシアにすがってるんですね。

 これは、大きくアナウンスしてないんで、全然、日本のメディア、報じてない話です。

 ここは、僕はサハリン1、2をすぐに切るみたいなことしなかったのは、日本政府は良かったと思ってるんですね。あれだけは評価できる。戦争や(対露制裁)なんかは、全部やめていいと思いますけれども」

▲サハリン2のルンスコエ-A(Lun-A)海上プラットフォーム。天然ガスや石油等を生産。(Wikipedia、Russian.dissident

田代氏「いや、あれもね、実はサハリン2からの輸出を切ったら何が起きるかというと、日本の、特に地方のガス会社と、あと、電力会社の約半数が債務超過に陥るというシミュレーションがあるわけですよ」

岩上「あるんですね。それは要するに、その値段で調達してる、だから家庭に送れるとか、そういうことですよね」

田代氏「そう。特に、そのサハリン2からのガスに一番依存しているのは、岸田総理の選挙区がある広島県の電力会社。ここは、おそらく破綻するんじゃないかと」

岩上「なるほど」

田代氏「だから、いい商売してたわけですよ。すごく安いサハリン2からのガスを使って発電して、それで環境問題もクリアできるし、ってやってたのに、そこをもし切られたら、すごい高い値段で、国際市場で『スポット』、つまり、その時その時の言い値で買うしかなくなっちゃうんだから、とてもそんな小さな会社が持続できるレベルじゃないわけですよね。多分、それがあったろうと思う。

 岸田総理も安倍元総理と同じで、選挙区は田舎だけど、ご自身は東京生まれ、東京育ち。確か、岸田総理は麹町小学校(※4)かな? 永田町小学校(現在の麹町小学校)、そういうところに通ってますよね。だから、本当にもう、永田町界隈でお生まれになって、ずっと育った方じゃないですか。だから一切、広島弁、出ないですよね」

岩上「そうですね」

田代氏「出るはずないですよね。それは、安倍元首相が山口弁、出ないのと一緒ですよね(※5)。だけど、それでも、あの選挙区がなければ国会議員になれないわけですよね」

岩上「そうですね」

田代氏「で、それがあるからと思うんです、私はね。ちょっと、どうしてもエコノミストの経済学者って意地悪ですよね。人は結局、利益を求めて動いてるなってね。

 実際それがあって、結局、カタールから契約切られちゃったから、すがりついたのはここですよね」

岩上「ロシア」

田代氏「もうひとつは、これは、ロシア側からしても非常に重要で、実はちょっと前まで、ロシアの液化天然ガスの輸出先は中国だけだったんです。中国が独占的に買ってくれてたんですね。あれは相当に、ロシア側からすると安く買い叩かれただろうと思う。日本が買ってくれるようになると、中国側もちょっと値段、見直しましょうかと」

岩上「利ざやが大きいんでしょうね。利幅が、日本に売る方が」

田代氏「というか、ほら、何でもそうだけど、売り先が複数あった方が、それぞれの価格交渉で売る側が有利に立つわけですね」

岩上「それはそうですね」

田代氏「中国だけが買うという状況だと、中国側がつけた値段で受け入れるしかないわけですよ」

岩上「そうですね」

田代氏「それもあるからロシア側も、このことはウェルカムで、ここで、日米安保条約から脱退しろとかね、米軍基地を日本がなくせとか、そんな野暮なこと言わないわけですよ。買ってくれるならいいやと。こうやって、どんどん売ってるという形です。

 これで何とか今、日本はもってるわけで、これで皆さんも安心してお正月を迎えられると」

岩上「お正月を迎えられるのは、まだ先ですけど」

(中略)


※4)岸田総理は麹町小学校:
 麹町小学校は、東京都千代田区麹町2丁目にある公立(千代田区立)小学校。1993年、旧麹町小学校と永田町小学校の新設統合により開校した。
 永田町小学校は1908年(明治41年)、現在の永田町2丁目に永田町尋常小学校として開校。1947年4月1日、学制改革(6・3制の実施)により千代田区立永田町小学校となる。

 同校は自由民主党本部と参議院議長公邸の間に位置し、国会議事堂にも近い官庁街の公立小学校で、多くの著名な卒業生を輩出した。1993年3月31日、統合のため閉校。
 岸田文雄総理は通商産業省(現・経済産業省)の官僚であった父の仕事の関係で、小学校1年生から3年生まで米国ニューヨーク市の公立小学校に通い、帰国後の1966年7月、永田町小学校の3年に転入して卒業した。

参照:
・千代田区立麹町小学校・麹町幼稚園
【URL】https://bit.ly/3GMEn2h

・千代田区立麹町小学校(ウィキペディア)
【URL】https://bit.ly/3gErigR

・岸田文雄(ウィキペディア)
【URL】https://bit.ly/3ALjNLV

▲千代田区立麹町小学校正門。(Wikipedia、ジェフ・カールソン

※5)安倍元首相が山口弁、出ないのと一緒ですよね:
 山口県の山口4区を選挙区とする安倍晋三元首相は、東京都新宿区出身。幼少時から東京都渋谷区で祖父の岸信介(きし のぶすけ)元首相と同居、小学校から大学まで東京都武蔵野市にある成蹊学園で学ぶ。本籍地は山口県長門市にある。

 父方の安倍家は江戸時代から山口県大津郡日置村(現・長門市)で酒や醤油の醸造業を営んでいた大庄屋で、明治以降、山口県議会議員や衆議院議員を輩出している。
 母方の祖父、岸信介は山口県吉敷郡山口町八軒家(現・山口市)に、山口県庁の官吏であった佐藤秀助の次男として生まれており、本籍地は山口県熊毛郡田布施町。
 安倍晋太郎元外相が1991年に死去すると息子の晋三が選挙地盤を引き継ぎ、1993年に第40回衆議院議員総選挙に山口1区(中選挙区制)から出馬して初当選。小選挙区制導入により、1996年の第41回総選挙から選挙区は山口4区となった。

 親族から選挙区を引き継いで当選した国会議員(二世議員、世襲議員)は、その地域で生まれ育ったわけではないが、選挙区を「地元」と呼び、私設秘書や後援会を置いて陳情への対応や各種行事などを通じて人脈を広げる。浸透しているファミリーネームを活用すれば支援を得やすい反面、地域への貢献度が重要視されるため、利益誘導型の政治になりやすい問題もある。
 第2次安倍政権下で行われた総理主催の「桜を見る会」で招待客数と経費が倍増した問題では、毎年、安倍晋三後援会の関係者が多数招待され、山口県から貸切バスを連ねて上京していたことがわかっている。「桜を見る会」前日には後援会主催の夕食会をホテルニューオータニやANAインターコンチネンタルホテル東京で1人5000円という格安の会費で開催。公職選挙法や政治資金規正法に違反する可能性を指摘されたが、2021年12月、東京地検はこれを不起訴とした。

参照:
・「桜を見る会」前夜祭、何が問題?安倍晋三前首相に任意の聴取求める(ハフポスト日本版、2020年12月3日)
【URL】https://bit.ly/3UdIlUJ

・安倍晋三(コトバンク)
【URL】https://bit.ly/3APl2K1

・桜を見る会問題(ウィキペディア)
【URL】https://bit.ly/3U70lju

・二世議員(コトバンク)
【URL】https://bit.ly/3VAx5D1

水と食料があってもエネルギーがないと人間は生きられない。エネルギー確保のため、米国が何を言おうと「知ったこっちゃない」と一蹴するべき!

岩上「それからこの表と裏のセットがあるんですけれども、いいですか?

 実は、『ロシア輸出も8月増加』してたんですね。で、これ、おかしいんですけど、中国に対するのと態度が違うんですが、『コンピューターの出荷は107.1パーセント、コンピューターの部品は161.6パーセント増加』。

 で、対露制裁してるのに、『ロシアへの半導体の供給は今年初めに停止』してた。だけど、半導体停止したけど、コンピューター売ってるという状態ですね。で、『ロシアへのバスとトラックの輸出は減少』。だけれども、『自動車の輸出は5.8パーセント増加した』って、こんな感じなんですけれども」

▲実は日本からロシアへの輸出も増加! 半導体は売らないがパソコンと車は売る!?

田代氏「これ、うまいですよね。半導体を売るなってアメリカから言われても、コンピューター売っちゃえばいいわけですね。そしたら、向こうでうまくバラして使えばいいから」

岩上「そうですね。やってください、ってことで」

田代氏「それはそうで、とにかくね、作ってしまったものを早く売らないと、それこそ(日本の大企業も)冬のボーナスが払えなくなっちゃうわけですよ」

岩上「そうですね」

田代氏「しかも、半導体って足が速いんですよね。新しいバージョンに置き換わっていくから、その前に売らないと、本当に二束三文になっちゃうわけですよね」

岩上「そうですね」

(中略)

田代氏「別に、秘密でも何でもなくて、これ、誰でも見られますけど、日本財務省の輸出入統計がありますから。そこの『主要地域別・国別・商品別輸入(ロシア)』というの、ちゃんとありますから。

 それを御覧になると誰でもわかるのは、そこに液化天然ガス、数量で伸び率が211.2パーセントって書いてあるんですね。もう、金額で言うと383.6パーセント増と。

 だから、確かにロシアからの天然ガスは、ものすごい勢いで日本は輸入を増やしてるわけ。だって、頼りのカタールが。あと、オーストラリアが。オーストラリアにとっても、ずっと日本は液化天然ガスのいいお得意さんだったんだけど、急に『売らない』って言い出したんですね。っていうのは、オーストラリア自体がエネルギー危機に直面してるんですよ」

岩上「液化天然ガスはあるけど、石油はとれないってことですか? 十分じゃない?」

田代氏「いや、日本への輸出を。『輸出を停止する』っていうのは、オーストラリアの液化天然ガスなんてね、あんな高いもん買うのは日本だけなんだから、それは『日本へ売りません』ってこと言ってるわけですよ」

岩上「欧州へは売ってるんですか?」

田代氏「いや、買わないでしょう。だって、あんな長い距離、どうして運ぶんですか、意味あるんですか」

岩上「近くじゃないと、どうしようもないですよね」

田代氏「陸路で運ぶのが一番安いわけですよ」

岩上「そうですね、パイプラインで」

田代氏「当たり前なんだけど」

岩上「生ガスが一番」

田代氏「そう。液化天然ガスにするっていうのは、ものすごい巨大な設備で液化して、きわめて特殊な構造のタンカーしか使えないです、あんな怖いもの。しかも、荷下ろしする時も、あれは特殊な設備があるから」

岩上「そうですね。(特殊な設備があってこそ)爆発しないで済むんです」

田代氏「そう。それをプロパンガス化できるんであって。要するに、ガスボンベ入れたりとかね」

岩上「そうですね」

田代氏「そういうことができるんであって、ものすごく金がかかるんですよ。それは、日本はかつて、もうめちゃくちゃな公害大国で(※6)、小児ぜんそくがあんなに広がっちゃったわけですね」

岩上「四日市ぜんそくとかね」

田代氏「それを何とかするっていうので、もう世界でも稀なぐらい、世界でダントツに、液化天然ガスを輸入したわけです。特にカタールから。次はオーストラリアからね。(それが今)両方から、もう嫌だって言われてるわけですよ」

岩上「危ないなぁ、本当にね」

田代氏「だからあれは、オーストラリアは安全保障のためだって言ってる、それは嘘で、さっき言ったように、日本はもう、だんだん買うのを減らしていくって自分で宣言しちゃったから。そんな国と付き合いたくもないですよね」

岩上「バカなこと言いましたね」

田代氏「で、人間が生きるためには、とにかく水と食料とエネルギー、これは絶対、この3つがなければ、水と食料があっても、エネルギーがなければ、ほとんどの食料は食べられないんですよ」

岩上「そうですね」

田代氏「人間は、米も麦も生では絶対食えないんです」

岩上「調理しなきゃね」

田代氏「そう。栄養にならないんですよ。だから、それを確保するためには、もうアメリカが何て言おうと、知ったこっちゃないですよね」

岩上「知ったこっちゃない、が一番いいですよ。知ったこっちゃないで。もちろん、統一教会の批判をされても知ったこっちゃない、っていうのは許せませんけれどもね」


※6)日本はかつて、もうめちゃくちゃな公害大国で:
 「公害」とは環境基本法(2条3項)によって、「事業活動その他の人の活動に伴って生じ、相当の範囲にわたって、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下及び悪臭によって、人の健康または生活環境に係る被害が生ずること」と定義されている。
 日本の公害は明治時代の近代化政策とともに始まった。最初の公害事件として足尾銅山鉱毒問題(1878年~)が有名である。また、浅野セメント粉じん被害(1903年)や日立鉱山亜硫酸ガス被害(1911年)など、大気汚染の歴史も明治期から始まっている。

 富国強兵政策をとる明治政府にとって国の近代化、工業化は重要であり、地域住民の深刻な被害は顧みられることがなかった。足尾鉱毒事件は栃木県出身の政治家、田中正造が明治天皇へ直訴したことで世論喚起に繋がったが、十分な対策や補償はなされていない。
 第二次世界大戦が終了、工業復興期に入ると工業地域の住民に多くの健康被害が見られるようになる。高度経済成長期には工業化、都市化がさらに進み、大気汚染だけでなく水質汚染や自然破壊なども深刻化した。

 1955年、富山県のイタイイタイ病(カドミウム汚染)が社会問題化。1956年、熊本県の水俣病(水銀汚染)発生を公式発表。1961年、四日市市にぜんそく患者が多発。1964年には新潟水俣病(水銀汚染)が発生。これらは日本の4大公害病と言われている。
 1969年に政府が初の『公害白書』を発表。公害対策基本法などの環境法が整備され、1970年には国会で公害関連14法案を可決。1971年に環境庁(現・環境省)が発足した。

参照:
・環境問題の歴史(環境再生保全機構)
【URL】https://bit.ly/3XCpLII

・「公害」とは?(総務省)
【URL】https://bit.ly/3OHdmiA

・用語解説:4大公害病(国立環境研究所)
【URL】https://bit.ly/3u7RkMo

・さまよい続けた「棄民」たちの凄惨な末路「お国のためにはどうでもいい」? 足尾鉱毒事件から学ぶ公害の問題点 2014.8.24(IWJ)
【URL】https://bit.ly/3OGJ6nY

(次号に続く)

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