国民生活に直結するGDI(国民総所得)はマイナス。しかし「GDP成長率3.5パーセント」「コロナ前に回復」だけを報じる記者クラブメディア!
岩上安身(以下、岩上)「実は『大本営発表』してる、『統計偽装』してるという話があるんですね。『「GDP速報」に問題があると指摘!』してるんですが、これは、さっきのGDIの話とかなり被りますか?」

▲田代氏が指摘する「大本営発表」「統計偽装」とは?

▲田代氏が、日本の「GDP速報」に問題があると指摘!
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田代秀敏氏(以下、田代氏)「一緒ですね。だから、さっき申し上げたように、GDPの成長率は3.5パーセントだと。
ここだけ報じてるでしょ、メディアを見ると。だけどほら、自分で計算すればいいんですよ、GDI、計算すれば。プラマイ」
岩上「0パーセント」
田代氏「本当は、マイナス0.03パーセントなんだけど。で、両方とも事実なんだったら、両方とも報じて、この差は何なのかということを、取材して書くべきじゃないですか」
岩上「そうですね」
田代氏「だけど、その前半だけ書いてね、これで『コロナ前の回復』なんてね。そりゃ、ここはそうだろうけど、こっちはどうするんですか? になっちゃうわけね。じゃあ、もう、これはずーっとマイナスが続いて」
岩上「これ、円安だけが原因ではないですよね?」
田代氏「うん。それはもう、構造的に」
岩上「それと、ある程度『一次産品価格高騰の交易条件の悪化を反映』してるという、かなり大きいわけですね、これがね」
田代氏「うん。何度も言うように、GDPとGDIの区別っていうのは、これ、マクロ経済学の基本中の基本ですよね。でね、庶民の生活を考えれば、直接に関係してるのはGDIですよ」
岩上「そうですね。所得が大事ですからね」
田代氏「というか、ここにもとづいて暮らしてるわけですから」
岩上「そうですね、はい」
田代氏「さっき言ったように、経済活動規模を生産面と支出面と所得面の3つの面から、それぞれ見なさいっていうのは、それこそ経済学部の1年生の入門経済学とかね、そういう科目で口酸っぱく教えられることじゃないですか。
で、問題はそれを、なぜ、日経を含めて報じないんですか? ってわけ。
ブリーフィング受けたことだけ報道するというのであれば、それは、大本営発表をそのまま書いていた戦中の日本のメディアと変わりがなくなっちゃいますよね」
岩上「でも、戦中もあったけれども、戦争のために作られたものですから、記者クラブって(※1)。だから、その制度は今も、戦後も残ってて、お上が『これは、この通り書けよ』って言ったら、その通りになっちゃいますよ。横並びで」
田代氏「だから、そういう風に一番基本的なことをきちんと押さえれば、自前で計算すればいいわけですね。別に簡単ですよ、エクセルで式を書けばいいわけなんだから」
(※1)戦争のために作られたものですから、記者クラブって:
記者クラブとは、大手メディアを中心に構成された任意組織。中央省庁、国会、政党などの公的機関をはじめ、企業や業界団体、地方自治体の役場など、取材対象の組織から専用の記者室を無償もしくは低額で提供され、記者が常駐することが多い。
加盟報道機関が当番制で「幹事社」となり、取材対象から情報を伝えられると、幹事社が発表日時などを調整して各社一斉に報道する。
日本には約800の記者クラブが存在するが、先進国でこのようなシステムがある国は珍しく、英語では「Kisha club」などと表記される。
記者クラブは、明治時代に取材互助組織として発足した。1890年、第1回帝国議会が開催されたが、議会側は新聞記者の取材を禁止。これに対して『時事新報』の記者が、在京各社の議会担当に呼びかけて「議会出入記者団」を結成、議会に対して取材許可と傍聴券交付を求めた。これに全国の新聞社が合流し、名称を「共同新聞記者倶楽部」と改めた。
その後、記者クラブは各官庁や政党に広がり、1930年代には現在の形に近づいた。当時、東京だけでも60あまりの記者クラブがあった。なお、この時期の記者クラブは、記者個人が直接加入するものだった。
第二次世界大戦で、軍部主導の言論統制が始まる。1940年12月、報道と宣伝の一元的統制機構である内閣情報局が設置されると、新聞界は自主的に政府に協力する態勢をとった。
1941年5月、新聞統制機関「日本新聞連盟」が発足。11月に「新聞の戦時体制化」が決定され、12月に太平洋戦争が始まると記者クラブ加盟は記者個人から会社単位となる。
各官庁にあった約30の記者クラブは解散、1省1記者クラブの官製記者クラブヘと変化した。さらに戦局が悪化すると「中央記者会」という名で一本化され、軍部に好都合な大本営発表をそのまま報じた。
戦後、GHQは、記者クラブは報道の自由や取材の自由を踏みにじる組織だとして、一般の親睦団体への転換を迫った。1949年10月、日本新聞協会は記者クラブを「親睦社交を目的とする」と規定。GHQは態度を軟化させ、記者クラブは超法規的な措置として受け入れられた。
1990年代以降、記者クラブの排他性や特権性に対する疑問の声が高まる。記者クラブ主催の記者会見には独立系メディアや海外メディア、フリージャーナリストなどは参加できないことが多く、参加できても質問できないなど独自ルールがあり、「情報カルテル」ではないかと問題視されている。
記者クラブ制度によって、いわゆる番記者が優先的に情報をもらう代わりに、取材対象に肩入れしたり、批判を避ける事例も指摘されている。
2020年5月、東京高検検事長だった黒川弘務氏が、旧知の新聞記者3人(産経新聞2名、朝日新聞1名)と記者の自宅で賭け麻雀をしていたことが明らかになり、辞任した。
後日、開示された供述調書の中で黒川氏は、その会合は取材対象者とマスコミという関係上、自分を中心としたもので、帰宅時には記者のハイヤーに同乗、取材の場を提供していたことを認めている。
2022年の「国境なき記者団」による世界報道の自由度ランキングで日本は180ヵ国中の71位。これはG7で最下位、発展途上国や独裁政権に近い国々と同等である。
2009年、民主党政権下で記者会見のオープン化が進んだ時は、同ランキング11位まで上昇したが、自民党が政権を奪還して以降は、下落に転じている。
参照:
・日本の「記者クラブ制度」について 樋口美智子(東洋大学学術情報リポジトリ)
【URL】https://bit.ly/3GV6o7N
・黒川弘務・東京高検検事長辞任で明らかになった記者クラブメディアと官庁とのズブズブの関係! 常習賭博による収賄への関与に口を閉ざす大手メディア! 書かれるのは「ヨイショ記事」ばかり! 2020.5.25(IWJ)
【URL】https://bit.ly/3GRizT7
・【独自】「軽い気持ちで賭けマージャン続けた」 黒川元東京高検検事長が後悔の供述 刑事裁判記録が本紙請求で開示(東京新聞TOKYO Web、2021年11月11日)
【URL】https://bit.ly/3u6tUY4
・中小メディア記者やフリーランスの名前を記事中引用しない大手メディア! 「非記者クラブ」を低く見なす傲りからか!? 「排除」発言を引き出した横田一氏と、岩上安身とIWJの事例を徹底検証! 2018.1.17(IWJ)
【URL】https://bit.ly/3u1XYUF
・日本の国力の衰退をあらわにした「報道の自由」ランキング71位の衝撃(論座、2022年5月16日)
【URL】https://bit.ly/3AM4Usv
・記者クラブ(ウィキペディア)
【URL】https://bit.ly/3APNuvs
・【特集】記者クラブ問題(IWJ)
【URL】https://bit.ly/3FZr9gz
・「咽頭がん手術で声帯を失う前にIWJで日本の記者クラブ問題を話したい!」岩上安身によるインタビュー 第989回 ゲストジャーナリスト浅野健一氏 2020.3.27
【URL】https://bit.ly/3WSX0q9
もはや通貨危機レベルの円安! アメリカで食べるビックマックは日本価格の3倍に相当!「ジャンクフードなんて言える金額じゃない」
岩上「ということで、『98年以来となる24年ぶりの円安水準!』ということですよね。だから、円安も少しはいいだろうという話、製造業、輸出企業が儲かるから、結果、巡り巡って日本にとってはプラスなんだ、そういうようなことから始まっていったのに、止まらなくなってきた。

▲1998年以来となる24年ぶりの円安水準!日銀は為替介入へ?
難しいマクロ経済学の話って、一般の市民の方、あるいは庶民の方、しないわけですよ。だけれども、さすがに経済の話でも、ここまで円が安くなったと、円安の話ってなると、皆さん、話し始めるし、問題は何なのか、問題の所在にも気が付いてると。
たとえば、テレビのワイドショーだとか、ごく一般の人たちが目にするようなメディアでも、こういうことがトピックとして、日々取り上げられるようになりましたね。

▲「円が安くなった」と、実感する生活!! 円安はいいのか悪いのか?
『円安の影響で、日本人は海外旅行に気軽にはいけなくなった』。たとえば、ハワイが数十万円です。ハワイ行って、帰ってくるだけでも。それがもう、かつて、たとえば円高だった時代を知っている、80年代を知ってるような世代には、ちょっともう、衝撃の金額ですね。
向こうへ行って、海外へ行ったはいいけれども、会社の都合で行くことになったとしてもですね、ランチとか普通のディナーが、日本の感覚で1000円ぐらいのもの、かつて1000円ぐらいで食べられたものが、3000円、4000円の価格になっちゃってると。ニューヨークだとか、ロンドン行ったりすると。びっくりしつつある。何か日本がすごく貧しくなってるなって、円って安い金になっちゃったなっていうことは、いろんな人が気が付いてると。
爆買い客といえば中国だったんですけど(※2)、アメリカからも来るようになってると。これ、『日本は買い物天国』だっていうね、何でも日本で買うと安い。で、良い面を見れば、観光とかサービス業、インバウンドが活性化しつつあるけれども、現実にはコロナ禍でね、まだ外国人客は完全に戻ってないんですよね。岸田政権が、入国を緩めるということは発表しましたけれども。ということは、まだ戻りきってないんですよ。だから、そういう意味では受益の部分、円安効果が経済にプラスになるっていうところではない。
で、寿司ネタとか魚とか、あるいは牛肉。牛肉も自国のばっかりでは賄えないので、輸入肉が多いわけですけれども、そうした食べ物でも、買い付けで中国に買い負けてしまう。中国だけじゃないんですけど、近隣で、やっぱり非常に強い国があると買い負けてしまってですね、寿司ネタがものすごく高価になってしまい(※3)、少量でべらぼうに高くなってると。これは本当、ちょっと庶民の文化が大打撃っていう感じですね。
こんなようなことを話題にしたりしていることは、あるんじゃないかと思うんですね。ガソリンが思ったほど高騰していないのは、何やらいろいろなかたちでクッションを入れて、そのまま反映してないという話も聞きます。タクシーなんかは組合があって、ガスを用意してる。でなかったら、もう相当きついっていうことを、タクシーの運転手さんから聞いたこともあります。
こんな話題なんですけど、これを、ちょっと入り口として。円安が、いろんなかたちで影響出てるねと。で、ここからは、ちょっと数字の話になってくるんで、ぜひ、ご説明いただきたいなと思うんですけど」

▲円安が加速! 1ドル=144円台は1998年以来およそ24年ぶり!
田代氏「昨日のですね、9月15日付の毎日新聞の記事に面白いのがあって、毎日新聞の記者さんがね、ニューヨークに行ってきたという話。その時にね、たとえばマンハッタンのお店、マンハッタンのマクドナルドに行って、ビッグマックのドリンクとポテトが一緒になったセット。これ、日本では690円なんです(注:9月30日から値上げして710円)」
岩上「バリューセット(※4)ですね」
田代氏「それ、同じものを頼んでみると、Mサイズでね、中くらいのMサイズで14.1ドルだと。そうすると、為替レートが1ドル144円だから、日本円にすると2030円なんです。だから、日本で690円のビッグマックの、そういったバリューセットが、ニューヨークでは2030円なんです」
岩上「すごく円が弱い。なるほど。アメリカのインフレもあるんでしょうけどね」
田代氏「いや、アメリカのインフレというより、やっぱり為替レートを通すとこうなる。だからもう、日本人がアメリカへ行ったら、マクドナルドに行く時は、これは大変なごちそうを食べるんだ、と思ってください」
岩上「なるほど。もう、ジャンクフードなんて口が裂けても言えないと」
田代氏「ジャンクフードじゃないですね。
そういった、ものすごい円安が来ていて、実は、この『1998年以来』というのも、これ、メディアがつけてるんだけど、意味ないですよね」
岩上「意味がない」
田代氏「うん。こんな与太話を言って恥ずかしくないんだろうか、というのは、もう。
今こう、144円台に来てますよね、実際ね。不思議なのは、不思議と言うか、まだね、以前は円安になると、株価上昇したんですよね」
岩上「そうです、これです。そうそうそうそう、はい」
田代氏「ところが現在、その効果も消えていて、とにかく円安が進んで、株価は下がって。で、国債価格が下落してるってのは、これは金利が上昇しているので、わかるわけですね」
岩上「そうですね」
田代氏「ということは、要するに、円が売られて、日本株が売られて、日本国債が売られていると。要するに、『トリプル安』ですよね、みんな値下がりしてるってことは。要するに、これは『日本売り』って状態ですよね。
しかも、実は今年3月上旬で、為替レートは1ドルが114円台だったんですよ」
岩上「すごいですよね」
田代氏「ってことは、半年で30円も下落してるわけですね。もし、これが韓国やタイで起きれば、日本のメディアはたちまち『通貨危機だ』と騒ぐレベルなんですよね」
岩上「そうですね」
田代氏「実はこれは、だから、通貨危機が起きてると」
岩上「もう、通貨危機なんだと」
田代氏「と言うべきですよね。今までの報道姿勢からすれば」
岩上「さっきのようなね、爆買い客が来てるよーっていうレポートがテレビに流れてるなんていう、のどかなものじゃないんですね、本当はね」
田代氏「うん、そう」
(※2)爆買い客といえば中国だったんですけど:
2000年代初頭から年間100万人前後で推移してきた中国人訪日旅行者数は、2014年に240万人、2015年には499万人と倍増していき、2015年は2月の春節(中国の旧正月)期間中だけで訪日人数45万人、消費額は66億元(1140億円)を記録。2008年のリーマンショック以降、停滞した日本経済においてインバウンド消費がもたらす利益は大きく、中国人による爆買いの光景は定着していった。
しかし、現在起きている「爆買い」は、中国人による爆買いとは状況が異なっている。コロナ水際対策が緩和され、急激な円安で「すっかり安くなった日本」に米国や欧州から観光客が押しかけている。『日テレ』は、米国からの観光客が「昔は500円は5ドルぐらいだったが、今は3ドルぐらい。すごくいい」、「気に入ったものがあればなんでも買っちゃうよ」、「1ドル145円のはずなので、日本に旅行するには良いタイミングだと思った」、タイからの観光客が「今回は毎晩5つ星ホテルに泊まる」などと述べている様子を紹介している。
参照:
・流行語大賞「爆買い」と中国語”爆买”間のイメージギャップ(愛知大学 言語と文化 No.35、2016年7月)
【URL】https://bit.ly/3jAudrK
・【ニッポンを満喫!】 円安で“買い物三昧”街に戻る外国人観光客(日テレニュース)
(※3)寿司ネタがものすごく高価になってしまい:
ヘルシー志向を背景にした世界的な水産物需要の高まり、円安の進行、さらにロシアのウクライナ侵攻の影響などで、寿司ネタとなる魚介類の価格が上昇、食材調達に大きな影響が出ている。
寿司には欠かせないマグロも、地中海産クロマグロは2021年5月から相場が急騰、前年同期比で仕入れ価格は25%~35%上昇した。キハダマグロは産地を問わず6割以上、値を上げている。
ロシア産ボタンエビの相場は、1年で2.5倍に上昇、甘エビは3.5倍、カニはカナダ産、アラスカ産、ロシア産、どれも2倍以上になっている。イクラ(ロシア産、アラスカ産)、チリ産サーモン、ノルウェー産サバなども値上がり幅は30%以上。
日本の大手商社は儲からない水産事業の撤退や縮小を進めており、この先、ウクライナ侵攻が長引けば、国際物流チェーンの混乱などによって、さらなる品薄や価格高騰が懸念される。
回転寿司の最大手「スシロー」は2022年9月、1984年の創業以来続けてきた「税抜き1皿100円」を終了し、値上げに踏み切った。10月から最安値は1皿120円。他の回転寿司チェーンも一部のメニュー価格を引き上げるなど、対応に苦慮している。
参照:
・海産物高×中国に買い負け×大手商社撤退のトリプルパンチが直撃! 回転寿司が消滅の危機!?(週プレNEWS、2022年3月12日)
【URL】https://bit.ly/3FToAwx
・回転ずしに値上げの波 円安で食材高騰、1皿100円困難に(時事ドットコムニュース、2022年5月24日)
【URL】https://bit.ly/3WIvL1s
・すしネタの高騰が利益を圧迫「スシロー」がメニューの見直しと値上げで対応(M&A Online、2022年5月11日)
【URL】https://bit.ly/3vgoLgs
(※4)バリューセット:
ハンバーガー・チェーンのマクドナルドが提供するセットメニュー。
メインの商品(ハンバーガーなど1品)にサイドメニューのマックフライポテト(Mサイズ)、ドリンク(Mサイズ)を付けたもので、各商品を単品で購入するより割安になる。
本文中で言及される「ビッグマック」は、3層のパンの間にミートパティ2枚と野菜、チーズを挟んだ大型サイズのハンバーガーで、高さは8~9センチ、直径は約11センチほど。
世界中のマクドナルドの店舗で同サイズ、同品質のものが提供されるが、価格は現地の経済状況によって決定されている。
日本マクドナルドは、2022年9月30日から約6割の商品を値上げしたため、現在、日本でビッグマックを買うと410円。これにマックフライポテト(Mサイズ)290円とドリンク(Mサイズ)220円を付けると合計920円となるが、ビッグマックのバリューセットにすると、同じ商品構成で710円となる。
なお、世界のビッグマック価格ランキング(2022年7月)によれば、ビッグマック1個の価格がもっとも高いのはスイス(6.71ドル)。アメリカは6位(5.15ドル)、日本は41位(2.83ドル)となっている。
参照:
・メニュー セット(日本マクドナルドホールディングス)
【URL】https://bit.ly/3PVNIaH
・マクドナルド 9月30日値上げで“ちょいマック”エグチ・チキチーは220円もスパチキ・スパビーは200円維持、ハンバーガーは150円に(食品産業新聞社ニュースWEB、2022年9月26日)
【URL】https://bit.ly/3jvXwvQ
・世界のビッグマック価格ランキング(世界経済のネタ帳、2022年7月27日)
【URL】https://bit.ly/3YPoRJu
・ビッグマック(ウィキペディア)
【URL】https://bit.ly/3Vq0b7q

▲ビッグマック(Wikipedia、Christopher Rath)
急激に進む円安で投資のプロは「日本は死に体」と判断、売りに走る! これこそ緊急事態なのに政治家は気付いていない!?
岩上「すいません、ちょっといいですか? この後にもパワポ、ちょっと用意してあったんですけれども。多分、重なるかもしれませんが、今、非常に重要なことをおっしゃられた。
日経の平均株価は、もう下がってるってことなんですけれども、これまで円安局面になると、円安になれば必ず株価が反騰したという話がありました。それがなぜ、そういうことになるのか。その公式が今回、なぜ、きかないのか。ちょっと、そこを教えていただきたいんですけど」
田代氏「かつて、円安が起きると日経平均株価が上昇するっていうのは、別に簡単な理由で、日本の金融市場は現在、実は外国の金融機関が最大の取引主体なんですね、株式も国債も」
岩上「そうですね」
田代氏「で、彼らが、もちろん日本にもスタッフはいるわけだけど、基本的には本社がコントロールしていて。ていうことは」
岩上「ドルで換算してる」
田代氏「そう。ニューヨークの本社では、それを全部ドル勘定してるわけですよね。ですから、日経平均株価も、我々は、何『円』て書いてあるけど、彼らはそれを瞬時にドルの為替レートで変換して、何『ドル』と見るわけですよ」
岩上「割安だと」
田代氏「うん。そうすると、株式投資の秘訣っていうのは、値下がりしたやつを買って、値上がりしてから売ると。素人は逆やっちゃうんですよね、値上がりしてるやつを買って、値下がりしてしまって、損切りを迫られて売却するので、どんどん損失が膨らむんだけど、プロはそういう風に値下がりしたものを買う。で、値上がりしたら売る。
そうすると、たとえば、日経平均株価が昨日と今日が同じ値だったとしても、円安が進めば、ドルで換算した値は下がってますよね」
岩上「そうですね」
田代氏「そしたらですね、もう今は、別に人間が判断するんじゃなくて、AIが『あ、これは割安だ』と言って買うわけですよ。そういう仕組みになってたんだけど、現在、円安が起きて、そういう風に、日経平均株価のドル換算した値は下がってるはずなのに、それでも買いに来ない。ということは、日本企業の成長性を考慮できないってことですよね」
岩上「これはもう、ダメだろうっていうことですか? 見込みがあるだろうということだから、そこにお金が入って、そして、やっぱり反転してきたねっていうところで売るわけですよね。
だけれども、これは、株価がこんなに下がっててっていうのは、ひとつは株価が自力で上がってこないだろうっていうことなのか。それとも、このスピードで短期間でこんなに下がってる。それも政策が、それを生み出してると。その話、後で詳しくやると思いますけれども。
だから、もう構造的に、日本というのは、もう、ずーっと沈没するから、多少個々の企業の努力があって生産性が上がったって、もう株価として評価ができないと。円ドル換算したらね。円が、もうダメなんだから。だからもう、どんどん今のうちに手放してしまおうということなんですか?」
田代氏「たとえば、韓国で通貨危機が起きた時、すごいウォン安が進んでね。ほら、街頭で、国家のために貢献しましょうとか言って、金とか銀のアクセサリーを、みんなに供出させたじゃないですか。ああいう報道を見て、そしたら韓国株ね、日本円建てで換算したらバカ安だと、買い進んだ人いるかな、ってことですよね。その時にサムスンの株式や、そういうの買った人は賢いわけですよ、確かに。その後、考えれば」
岩上「そうですよね」
田代氏「だけど、多くの人は逆に逃げ出したはずですよね」
岩上「なるほどね」
田代氏「それと一緒で、やっぱり、ここまで急速な円安が起きてるってことは、これはちょっと、手を出しにくいですよね」
岩上「その、今、多くの人っていうのは、さっき、素人は安くなってきたら売ってしまって、高くなったら買っちゃうっていうね、ど素人ってそういう、やっぱり周りに同調しちゃうから。
ところが、プロ中のプロは、機関投資家とか、それからAIなんかはプロ中のプロのプログラミングされてるから、下がってきてるってことは、今が買いだなっていう風な判断が働くだろうと。そのプロにしても、『いや、もう無理。日本は死んだも同然だ、今は売る』という判断になっちゃうんですか?」
田代氏「うん。と言うしか、言いようがないですよね、状況はね。だから、これは深刻な事態なんですよ」
岩上「深刻ですよ」
田代氏「だから、これはマクロ経済学の教科書に書いてある通り、トリプル安が起きたら、もうこれは、赤信号が3つ点灯してるわけだから」
岩上「そうですね」
田代氏「これこそね、緊急事態なんですよ」
岩上「スリーアウトですよね」
田代氏「これ、緊急事態なんだから。だけど、それで騒いでる節はない、政治家もね。ちょっと、そこが非常に解せないとこですけどね」
岩上「気が付いてもらいたくないんでしょうね。国民に、気付いてもらいたくもないし」
田代氏「あるいは、ご自分たちが気付いてないのかもしれない」
岩上「なるほど」
田代氏「あの経済オンチぶりを見てると、僕は、そう思う節はある」
岩上「ある。おそらく毎日毎日のね、株価とか、あるいは為替とかを見て、どう反応したかっていうことを、日々、見ている人って少ないと思うんですよ。
じゃあ、これ、始まった頃からのこの数日間、この7日、一挙に144円台まで行きました。じゃあ、どう反応していったかっていうの、数枚、ちょっとコマ作ったんで、ちょっと一緒に見ていただきたいと思うんです」
田代氏「はい」

▲この円安トレンドを、日本政府は「放置」!? 7日、財務大臣と官房長官は「静観」の姿勢!
岩上「『この円安トレンドを、日本政府は』、どうも『放置⁉』。『え⁉』と思ったんですけど。さっき、7日と言いました。144円になった時、『財務大臣と官房長官は「静観」の姿勢!』。
鈴木俊一財務相はですね、何と言ったかというと、『(現在の円安の動きが)継続することには強い関心を持っていかなければならない』。
関心を持つことに『いかなければならない』ということは、よほどの努力をして関心を支えるってことで、(そうした努力なしには)関心を持たないという感じなんですかね。
それから『松野博一官房長官「必要な対応を取りたい」』。何ですか、この他人事。『どちららからも「静観」の姿勢しか伝わらない!』んです。
で、続けますね。で、数日間の対応を見てからですね、それについてまたコメントいただきたいと思うんです。

▲翌8日、ようやく日本政府が事態の「異常」さを認め、対抗策をとる姿勢を示す!
翌8日です。『ようやく日本政府が事態の「異常」さを認め』始めました。『対抗策をとる姿勢』を示しました。8日付けブルームバーグは、財務省、日銀、金融庁による三者会合後に『神田真人財務官は8日、最近の円安進行は「明らかに過度な変動」と』。前日の財務大臣の発言と、だいぶ違いますよね。
『過度な変動』とした上で、政府としては『動きが継続すれば、あらゆる措置を排除せず、為替市場において必要な対応を取る準備がある』と述べた、と報じました。

▲9日、岸田総理と日銀・黒田総裁が会談! 急激な変化を「好ましくない」としたが…
で、その翌日9日です。『岸田総理と日銀・黒田総裁が会談!急激な変化を「好ましくない」』と言いました。9日付の日本経済新聞は『9日、首相官邸で岸田文雄首相と会談した黒田東彦日銀総裁は足元の相場を「急激な変化」とし、「将来の不確実性を高めてしまう意味で好ましくない」と主張した』と報じた。
言葉が弱くなってるんですよね。この、財務官のレベルでは、前日の時点で『過度な変動』であり、『あらゆる措置を排除せず、必要な対応を取る』って言ったのに」
田代氏「これは少し注釈すると、財務官っていうのは、財務省の中で、為替レートを担当する役人のトップなんですね。これは事務次官と同格です、役人としては」
岩上「『ミスター円』と呼ばれた榊原さん(※5)が、何といっても、この財務官だったわけですよね、あの頃」
田代氏「うん。だから、この人(神田財務官)がですね、一番これ、深刻に考えなきゃいけない人なんですね、日本で」
岩上「責任者ですからね」
田代氏「だから、こういう風におっしゃってるわけですよ。ところが、その上司である」
岩上「岸田総理」
田代氏「上司の上司ですね。総理大臣は、こういう風に、何かふにゃっとしてる」

▲岸田総理と日銀・黒田総裁の会談は、「円買いの為替介入には、まだ踏み切れない」と国内外にアナウンスしてしまった!?
岩上「ふにゃっとした(岸田総理)。で、この2人、『岸田総理と日銀・黒田総裁の会談は、「円買いの為替介入には、まだ踏み切れない」と国内外にアナウンスしてしまった!? 一方で、日経の記事は「円買いの為替介入はハードルが高く、大規模金融緩和の変更は景気の腰折れを招くリスクがある」』。まだ、こんなこと言ってんのかなー。
『「政府・日銀の対応には限界があるとの見方が円安に傾きやすい要因になっている」と伝える』。これじゃあ、円安を進めると言ってるようなもんじゃないですか。
それから、自分たちの介入の効果がたいしたこともなくても、俺たちのやることはすごい影響出るぜ、ってアナウンスすることって大事だと思うんですけど、『限界がある』って、こういうこと自分で言っちゃったら、もう打つ手ないですよね。何か、この1日前の、さっきの財務官の言葉の切迫性と全然違うことを言ってるわけですね。

▲14日、日銀がレートチェック、為替介入準備へ! 鈴木財務大臣、円急落で「あらゆる手段」
14日、ちょっと日が飛びますが、『日銀がレートチェック、為替介入準備へ! 鈴木財務大臣、円急落で「あらゆる手段」』と。ちょっと、間が経っちゃったんですが、その間に進んでったんですね。
で、14日付の日経からですが、『「日銀が14日、為替介入(円買い介入)の準備のために市場参加者に相場水準を尋ねる『レートチェック』を実施した」。鈴木俊一財務相は14日、円安に対応する手段に為替介入を含むかどうかについて「あらゆる手段であり、そう考えていい」と説明』したと。
ここまでの流れ、ちょっと、7、8、9と続いて14なんですけれども、これは、どう見たらよろしいでしょうか?」
(※5)『ミスター円』と呼ばれた榊原さん:
元大蔵省(現財務省)財務官の榊原英資(さかきばら・えいすけ)氏。
1990年代後半、財務官として円安阻止の為替介入を手がけ、「ミスター円」と呼ばれた。
1941年生まれ。東京大学大学院修士課程を修了、1965年に大蔵省に入省。国際金融局長などを経て、1997年から1999年まで財務官を務める。退官後は慶應義塾大学、早稲田大学で教授などを歴任。現在は青山学院大学教授、インド経済研究所理事長。黒田東彦日銀総裁は大蔵省の後輩で、国際金融局長や財務官の後任にあたる。
1990年代後半、円安を止めるためのドル売り円買いの為替介入に踏み切った際、米国の金融当局相手に臆することなく渡り合う手腕から「ミスター円」の愛称がついた。
参照:
・「ミスター円」榊原氏に聴く「黒田ショック」、円高に反転、強い円はプラス(トウシル、2022年12月22日)
【URL】https://bit.ly/3YPu8AQ
・ミスター円・榊原氏が語った円安 「円安がプラスの時代は終わった」(朝日新聞DIGITAL、2022年6月3日)
【URL】https://bit.ly/3WqPvH4
・榊原英資(ウィキペディア)
【URL】https://bit.ly/3WrXMuq
9月14日に日銀がやったレートチェックは口先だけで相手を牽制する典型的「チープトーク」だった!
田代氏「財務官が言い出すまで、皆さん、鷹揚に構えてたわけですね。これは、どうしても政治家たちが陥りやすいところで。
たとえばアメリカだって、今、インフレーション抑えなきゃいけないって大騒ぎしてるけど、去年の夏から明らかにインフレーションの兆候があったのに、パウエル議長も、イエレン財務長官も、これはトランジトリーだと、一過性のものだと言って、何もしなかったじゃないですか。だから、その放置した分のツケが回って、今、激烈な利上げをやってるわけですよね。
今、これも一緒だと思うんですね。何か、一過性のもんだと思ってたら、どうもそうじゃないと。で、財務官が言い出したというので、やったんだけど、結局、腰折れしてしまうのは、簡単で。簡単でもないけど、これ、レートチェックっていうのは、これも変な話でね。
まず、外国為替市場っていうのは、別に取引場あるわけじゃないんです。これは外国為替の取引業専門業者の間で、主に電話回線の上に成り立ってる市場なんです。だから、よく『今日の東京外国為替市場』って言ってるけれど、あれは、よく上田ハーローとか、そういった主な外国為替取引業者のところに行って、数字が動いているのを映してるだけじゃないですか。実際の市場って、目に見えないわけ。
問題は、今は、それは刻々とブルームバーグとかいろんなことで、あるいは、もうスマートフォンでもね、金融サイト見れば為替レートわかるわけですよ。でも、昔はわかんなかったんです。日本銀行だってわかんないですね。だから、どうしたかっていうと、取引業者に電話して聞くんです。今、1ドル何円ですか、って。でも、日本銀行が聞いてくるってことは、次に、これ介入してくるなって気付くじゃないですか」
岩上「なるほど」
田代氏「だから、特に今のね、意味ないんですよ。だって、日本銀行だって」
岩上「そうか、市場参加者に相場水準を尋ねるというのが出てきてる」
田代氏「尋ねる必要はないわけです。だって、ブルームバーグを見れば」
岩上「出てんだし」
田代氏「為替、リアルタイムで出てるわけだから」
岩上「古いやり方を、やり出したって」
田代氏「しかも、高い契約金払えば。安いとね、20分遅れなんですよ、値が。だけど」
岩上「リアルタイム」
田代氏「うんと高い契約すれば、リアルタイムで情報(が入る)。それは価値があるからいいんだけど。日本銀行は当然」
岩上「入ってますよね」
田代氏「そのリアルタイムのもの、持ってるわけですよね。それをあえて、そんなね、昭和の時代みたいなことやったということは、あら、やるんですか、為替介入をと。だから、一瞬ですね、円高に振れたんですよね」
岩上「なるほど」
田代氏「それは、みんなビビりますよね」
岩上「昔の方法、やってきたって感じですよね」
田代氏「だけど、やった形跡がないんですよね」
岩上「やった形跡がない」
田代氏「これは典型的な口先介入、チープトークというやつで、口先で相手を牽制かけて」
岩上「口先介入だ。『チープトーク』っていいな。わかりやすい」
田代氏「これもですね、別に通貨管理をする当局は、よくやる手なんです。つまり、実際に為替介入やるとなると、まず資金集めなきゃいけないと。で、日本の組み立てではですね、財務省が短期国債などを発行して資金を集めて、それを日本銀行に託して、日本銀行の外国為替市場の専門家が介入するっていう、そういう仕組みなんです。だから、日本銀行の意思だけでもできないし、財務省の意思だけでもできない、そういう仕組みになってます」
岩上「両者が一致しないといけない」
田代氏「両者が一致して。基本的には財務省が、とにかく資金集めなきゃいけないわけね。それはそれでコストがかかる話だから、とにかく、口先介入をなるべく先にやってみるわけですよ
岩上「なるほど」
田代氏「それでね」
岩上「動くかなと」
田代氏「沈静化できれば、儲かったと考えるべきで、それはそうですよね、国債発行する費用だってゼロじゃないんだから。また、巨額の資金集めるわけですから、それを考えれば、それは当然。
ただ問題は、為替介入って、日本だけじゃ意味ないんです。アメリカ側も同じく、それに呼応した行動をとってくれないといけない。だから、簡単に言えば」
岩上「いわゆる、協調介入ってやつです?」
田代氏「そう。日本銀行がね、円を買ってドルを売るということした時に、アメリカ側で、それと同じ行動をとってくれなければ、動かないわけですよ、マーケットはね。
でも、問題は、これってアメリカ側が、円安ドル高を止める、つまり、ドル高を止めるということに、今、インフレーションでのたうち回ってるアメリカが、納得するだろうか。だって、ドルが上がるってことは、これは輸入価格がドルベースは下がっていくわけだから、インフレの抑制にはもってこいなんですよ」
(中略)
岩上「金利差なんですね」
田代氏「金利差があれば。今、アメリカの金利がどんどん上がってますよね。そうなれば、ゼロ金利の円を持ってるよりも、ドルを買えば、金利付いてるわけじゃないですか」
岩上「そうですよね」
田代氏「で、それを狙いに行くのは当然ですよね」
岩上「世界中の機関投資家が、そういう行動とりますよね。個人投資家も含めて」
田代氏「そう。あと、もうひとつは、それがあるから、ドルはここしばらく上昇し続けていくなっての、気付くから」
岩上「ドル一強」
田代氏「だったら、今のうちに買えば、もっと上がってから、それを自国通貨に買い戻せば、もう濡れ手に粟の商売になりますよね。
というわけで現場は、日本円の売りが売りを誘って、ドルの買いが買いを誘うというね、典型的な『モメンタム相場』ってやつなんですね。勢いがついていて、止まらなくなったんですよ」
岩上「『モメンタム相場』とは、勢いがついている相場」
田代氏「そう。『モメンタム』、つまり勢いがついていて、止めようがなくなっちゃったという状態なんですね。
で、日本銀行は大規模な、要するに、この長期金利の上限が0.25%で、短期金利はゼロということにしてるわけですよね。ところが、アメリカの長期金利は、これ、どんどんどんどん上がっていってるから」
岩上「もう、大儲けですね」
田代氏「そうなると、簡単に言えばね、日本で日本の銀行から円資金を借りてきて、その金でアメリカドル買うと。で、しばらく経って、それを日本円に戻せば膨らんでますよね」
岩上「そうですね」
田代氏「それで、元の借りた金は、どうせ、ほとんどゼロ金利なんだから、元本返してしまえば、残った差額は丸ごと利益なんですよ」
岩上「ということは、みんな、ドル買いやればいいじゃないですか、日本人も」
田代氏「だから、もちろん日本の金融機関もやってるわけですよ」
岩上「金融機関も巨大企業はそういうことをやりますよね」
田代氏「うん。熱心にやってます」
岩上「熱心にやってる。ということは、それ、円売りを加速させるわけじゃないですか」
田代氏「それはだって、儲かるから仕方ないです。それをやるなってのは、それは企業に企業であることをやめろっていうことですよね」
岩上「ということですよね」
短期金利が高くなった米国債。目先の利益を追いかけ、設備投資や研究開発投資など長期的な視点が欠ける懸念も!
前号で、円安を生む「円売りドル買い」について田代氏は、超低金利の日本で円資金を借り、その金で高金利の米国のドルを買い、しばらく経って円に戻せば膨らむ。日本の金融機関もやっており、やるなというのは、企業に企業をやめろということだと指摘した。以下は、その話の続きである。
田代秀敏氏(以下、田代氏)「でも、それは1930年の金解禁の時もそうですよね(※6)。あの時だって、それはもちろん、シティバンクとか、イギリスの香港上海銀行とかも、熱心に円売りドル買いやったけれど、一番巨額にやったのは野村證券であり、三井銀行であり、日本の金融機関ですよ。当たり前じゃないですか。
実はその時、国会で大騒ぎになったわけですよね。そしたら、三井の大番頭が『商売してどこが悪いんだ』と。それは正しい。そっちの方が正しい。それが嫌だって言うんだったら、資本主義やめるべきですね、すぐに。新しかろうと古かろうと、もうそれは、資本主義やめるってことですね。利益を追求しちゃいけないってなったら、企業に」
岩上安身(以下、岩上)「こうやってね、円売りドル買いなんていうことは、個人はなかなかできないわけですよ。そうすると」
田代氏「外国為替相場は、市場は非常に巨大なので、1ユニットが100万ドルなんですね」
岩上「100万ドル。日本円で言うと?」
田代氏「その144倍でしょ」
岩上「144倍……大変だ」
田代氏「要するに、1億4440万なんですよ。それが1ユニットなんですね。それを100本とかね、100ユニット売りとかね、50ユニット買いとかね、やるわけですよ。しかも電話だけで。信用取引ですよね」
岩上「それは、個人はできないですよね?」
田代氏「まず、その電話できるというのは固定された業者ですよね。しかもこれは、その口約束を絶対に履行しなきゃいけなくて、その履行が一瞬でも遅れたり1ドルでも足りなかったら、もう、外国為替市場から追放されるわけですよ。その人から電話かかっても誰も出ないってなるわけですよね。っていう、そういう世界なんですよ。だから、個人は、実はその1ユニット、100万ドルを小分けにした、外国為替『商品』を売り買いしてるわけです」
岩上「なるほど」
田代氏「そこでは手数料が発生してるわけですよね」
岩上「そうですよね。儲かるかどうかわかんない」
田代氏「儲かる場合もあるし、儲からない場合もあるけれど、問題は、あくまで主体は巨大金融機関なんですよ、これはね。あるいは、巨大企業がその取引の主体なんですね。
彼らからすれば、とにかく利益を出さなきゃいけないんだから、それはこんなにね、わかりやすい相場だったら、みんな円売りドル買いに向かうわけですよ」
岩上「先ほど、一番円安で苦しいというのはこんなことだよと、個人のレベルでも感じるようなこと、特に、寿司ネタの魚が高くなったよとかね。輸入ものが高くなってる、それがいろいろ影響してるって、こういうことを(円安によって庶民は)感じるわけですけれども、大企業だったらば、この為替で大儲けできるわけだから、あんまり文句を言わないわけですね」
田代氏「でも、一番は、さっき言ったように、結局、本当に介入しようと思っても、アメリカ側が別に話聞いてくれないですよ」
岩上「なるほど」
田代氏「困ってるのはあなたであって、私は困ってないどころか、現状はいいことなんだから」
岩上「ひっでーなぁ」
田代氏「それは、そう言うに決まってますよね。
というわけで、そうやってレートチェックはしてるけれど、介入はできない。だから、あの手も1回だけですよね。次、レートチェック入れても、もう誰も反応しないですよね」
岩上「なるほど。これ、国債の図なんですよ。『米国債利回りの推移』っていうもんなんですけど」

▲日米金利差による、円売りドル買いが原因
田代氏「満期が10年の国債が、この薄い線ね。で、満期が2年の国債が緑の線で、それぞれの利回りなんだけど、これが去年の10月、今年1月、4月、7月と。見るからに、もう、ものすごい勢いで、こう」
岩上「すごいですね」
田代氏「ほぼゼロだったのが、ビューっと来てますよね。で、10年債ね、これがこう増えてますよね」
岩上「そうですね」
田代氏「しかも、短期の方が、長期よりも金利が高くなってる」
岩上「そうですね」
田代氏「これはすごく危ないけどね」
岩上「危ない?」
田代氏「長短逆転が起きるってことは、あまり、ろくでもない話なんだけど」
岩上「どういうことですか?」
田代氏「だって、おかしいじゃないですか。どうして。長期の方が金利が高くて然るべきですよね」
岩上「そうなんですか?」
田代氏「だって、銀行預金考えてください」
岩上「ああ、そうですね」
田代氏「定期預金っていうのは、長期に預ける前提だから高い金利が付くわけですよね」
岩上「そうですね」
田代氏「これ、逆、起きてるでしょ」
岩上「なるほど。ということは、危ないというのは、この短期のものが急激に上がり過ぎてて、落ちる可能性があるってことですか?」
田代氏「いろんな理由があるんだけど、ひとつは今、アメリカでも、大企業でも10年っていう単位を考えてないんですよね。かつて、日本でもアメリカでも、大企業というのは、プロジェクトってのは5年から10年。だから、長期金利は意味があったんだけど、今、そんなプロジェクトってないわけですよね」
岩上「そうなんですか」
田代氏「基本的には、3ヵ月で利益を出すという四半期会計主義が徹底してるので、そうすると、こっちの方に人気が集まるだろうと思うんですよね。でも、それって、怖いことであって、資本主義的なマーケットが機能しないってことですよね」
岩上「目先のね、利益の方ばっかり行ってしまって」
田代氏「うん、そう」
岩上「投機的になりやすいってことですね」
田代氏「投機的以上に問題なのは、長期の視点がなくなっちゃうわけです」
岩上「そうですよね」
田代氏「そうなると、時間をかける設備投資、あるいは研究開発投資ってのは、きわめてしにくいですよね。それが、おそらく5Gに関して、アメリカが中国に後れを取ってしまった理由だろうと思いますね」
(中略)
田代氏「結局、為替介入できないのです。アメリカが承諾するはずない。アメリカのインフレーションが鎮静化するまでは、アメリカは協調介入には応じない。そうすれば、日本は単独介入するわけでしょ。単独介入すれば、ものすごい円売り起きますよ。だって、日本銀行が買うと言ってるんだから。じゃあ、と言って、みんな売り浴びせますよね。そうすると、資金ショート起きますよね」
岩上「そうなんだ」
田代氏「そうしたら、ますます円安が進む。つまり、藪を棒でつつくようなものですよ」
岩上「あら~、ですね。じゃあ、アメリカにくっついている意味がないですね。アメリカに忠誠を誓って、ロシア制裁もして。一部、サハリンからLNGもらってますけれども。もう堂々と石油、ロシアから買ったらいいじゃないですか、制裁やめて。インド、他のサウジとか、皆さん、おやりになってるじゃないですか。何で、日本はこんな苦しい思いするんですか。破滅しちゃいますよ」

▲ロシアの石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン2」は、英シェルの撤退表明や、プーチン大統領による新運営会社への移管後も、三井物産、三菱商事が出資を継続し、日本へLNGを供給している。ただし石油に関してロシアは、日米欧等によるロシア産原油の価格上限設定に対抗し、原油の禁輸措置を打ち出しており、影響が懸念される。画像は天然ガス・石油の海上プラットフォーム。(Wikipedia、Russian.dissident)
田代氏「それはやはり、経済が危機的事態だっていう認識がないからでしょ」
岩上「それは、大企業とか金融機関は、この金利差を利用して儲けることができるから、一部、パワーセクターって言うかパワーセンターのところでは儲かってるんで、もう、それでいいやって話ですか?」
田代氏「ビジネスのこと、わかってない人に、あまり関わりたくないからでしょ。そういう人たちに関わっても、利益が出るわけでもないし。でもまあ、権力は持ってるから、それなりに付き合ってるふりはするだけで」
岩上「いたたまれないですね。今の状態は」
(※6)それは1930年の金解禁の時もそうですよね:
金解禁とは、金の輸出入禁止を解除し、為替レートを金の価値に合わせるもの。金本位制に復帰すること。
日本では1930年1月に金解禁が実施されたが、1931年12月に再禁止となって日本の金本位制は終焉した。
第一次世界大戦中、日本は各国同様に金本位制を停止していたが、大戦終了後に再建の世論が高まり、1929年7月成立の浜口雄幸内閣は、1930年1月に金解禁を行なった。
これによって、為替相場が安定すれば、貿易が伸びると見られていたが、輸出は年々低下。1929年の米ウォール街の株暴落に端を発した世界恐慌は深刻化し、1931年9月には満州事変が勃発。同年、イギリスが金本位制を停止し、カナダも同調した。
日本も再禁止となれば、円相場が下がり、米ドルなどの外貨が高騰する。この時、多くの日本の金融機関はドル買いを進めた。三井銀行は横浜正金銀行から2135万ドル分のドルを購入。これは投機目的ではなく、自衛措置だったが、金額が大きく、政府は「三井は金の輸出再禁止を見越して円売りドル買いをした。売国行為だ」と糾弾。三井財閥への批判が集中した。これが「三井のドル買い事件」である。
その後も金の流出は続き、金本位制の維持は、困難となった。同年12月、犬養毅内閣が成立すると、金の輸出再禁止が実施された。
参照:
・「日本の金本位制度」終結の裏側 “三井のドル買い事件”が引き起こした「血まみれの政変」(文春オンライン 文藝春秋増刊号 昭和の35大事件、2019年9月29日)
【URL】https://bit.ly/3vhaVdT
・三井の「ドル買い事件」(三井広報委員会)
【URL】https://bit.ly/3Vsfi0e
・三井銀行の長老が証言、売国行為と非難された「三井ドル買い事件」の真相(DIAMOND online、2021年4月28日)
【URL】https://bit.ly/3PVCx1o
・金解禁(コトバンク)
【URL】https://bit.ly/3I8e9Ik
「20数年ぶりの円安」どころか今の円の実力は「1ドル360円時代」。海外旅行がニュースになった半世紀前に戻ってしまった!
岩上「『1950年代以降の対ドル為替レート』、これ、うちで作ってきたものなのかな? 『1973年変動相場制に移行後、円高抑制』するということが、もう、とにかくひとつテーマだったんですよね。85年のプラザ合意と急激な円高がありました。それから、こうやって抑えてきたんですよ。輸出のためにと言いながら、グングン上がってきているんですけどね。これ、どこまで上がるんでしょうね、この円安は」

▲1950年代以降の対ドル為替レート
田代氏「円安はどこまで続くかっていうと、これは恐ろしいところまで来てるから、これ以上進むと大変だと思う。まず、このグラフってのは簡単に作れますよね、発表されてるから。意味はないんですよね、それほど」
岩上「そうなんですか?」
田代氏「だって、日本でさえもね、物価水準、全然違うでしょ」
岩上「そうですね」
田代氏「2022年と、ここで言えばね、1950年と。初任給、考えてください」
岩上「全然違う」
田代氏「この辺の初任給なんて数千円ですよね。もっと安いか。よく聞くじゃないですか、ほら、大学生になった時に、何かね、おじいさんが『わしの初任給は何千円だった』とかね。『それに比べたら、お前はずいぶん取ってる』とかね。それはつまり、物価水準が変わったからですよね」
岩上「そうですね」
田代氏「それを考えれば、そういうことをまったく考えずに、ただ額面だけを並べて何年ぶりだって言っても、意味がないことに気付きますよね。しかも、そんな何十年っていうね、単位を経てるなら、それは、こういうのを見て、ああ、そうですかとは思うけれど、こっからは本質は見えないですよ、少しもね」
岩上「なるほど。次の方がいいのかな?」
田代氏「そう」
岩上「これかな?」

▲円の対米ドル為替レートと実質実効為替レート(月次)
田代氏「はい。これは、どういうことかというと、この青い線が、普段ニュースの中で言ってる為替レートですね。で、これは、ちょっと、さっきとこう、軸を逆にしてるので」
岩上「円高ドル安、円安ドル高」
田代氏「これ、上へ行くほど円高ドル安で、これ、値小さいでしょ。で、こっち側が円安ドル高になってますよね。それで見ると、このように」
岩上「この数字は、円ドル為替レートということですね」
田代氏「日本はずーっと、1948年からずーっと、1ドル360円っていうね」
岩上「管理相場で」
田代氏「固定為替レートだったわけですね。これがもう、アメリカがやめてくれって言って。で、こう、紆余曲折経たんだけど、結局、バカッとね、変動為替相場制になることによって、上昇し始めたわけですよね。それがこう来て、今、ここまで来ましたと。
それを、こうたどるとね、20何年ぶりと言ってるんだけど。何度も言うように、これは、日本の物価水準の変動も考えてないし、外国、特にアメリカの物価の変動も考えてない。そこで、あと、もうひとつは、日本の貿易相手国は、この頃ってのは圧倒的にアメリカですよね」
岩上「そうですね、はい」
田代氏「今、圧倒的に中国なんですよ」
岩上「そうですね」
田代氏「そうすると、つまり、円ドルだけじゃなくて、円と人民幣との為替レート、これも考えなきゃいけない。あるいは、日本にとって台湾も大きな貿易相手国なんだから、今度は台湾ドルとの為替レート考えなきゃいけない。で、そういうのを全部勘案して作ったのが『実質実効為替レート』」
岩上「なるほど」
田代氏「『実質』っていうのは、物価水準の変動を考慮してますってこと。『実効』、エフェクティブだっていうのは、これは貿易パターンの変化を考慮してますという言葉でね、それで変換するとどうなるかっていうと、この赤の線です。これは指数なんで、これは上に行けば行くほど、円の力は強いと。購買力が高い。下に行けば行くほど」
岩上「下落する」
田代氏「下落するってなるわけ。そうすると、何が起きてるかというと、現状は、そんな20何年ぶりじゃないですよ。1970年代の前半に来てるわけですよ」
岩上「うわー! そうか。24年ぶりどころじゃないんだ」
田代氏「ただし、この計算は非常に難しいので、これは、今、出てるのは7月までなんですね、今年の。現状は多分、8月、9月ね」
岩上「そうですね。もう入ってますもんね」
田代氏「……の値は、こっちはわかってるから、ここからですね。過去の相関のパターンから現状を予測してみると、ここまで来てるわけ」
岩上「うわー」
田代氏「てことは、見てください。こうでしょう。もうほとんど」
岩上「350円時代」
田代氏「1ドル360円時代の実力しかないんです」
岩上「そうそう、360円。うわっ、固定相場時代に戻ってる」
田代氏「で、この頃の新聞記事とか、当時の『文藝春秋』とかね、そういうの見てみると、面白いのは、王貞治氏とかね、そういったスター選手が、何かハワイに旅行とかいうのがニュースになってるわけね」
岩上「そうですね」
田代氏「そりゃそうですよね。普通の庶民は外国なんか行けないわけです。さっき言ったように。だから、そういった、本当に超高給取りのスーパースターたちだけが、外国に行けたのね」
岩上「しかも、船で行ったりして」
田代氏「いや、彼は飛行機だったと思う。そこは、記事、見る限りは。あとは、国費で留学する人たち」
岩上「フルブライト(※7)とか?」
田代氏「うん。で、氷川丸(※8)に乗って留学したりしたでしょ。小室直樹先生もフルブライトの奨学生になって、氷川丸に乗って、アメリカに行かれたわけですね。そういうことがない限り、留学なんかできなかったですよね、とても」
岩上「そうですね」
田代氏「で、その時代に来てるんですよ、もうすでに。だから、もうそんな、20何年、1990何年以来とかね、何の意味もないでしょ。それこそ、大本営発表」
岩上「戦後の高度成長期以降の営みの何かが全部、何か、失われたような気がしますね」
田代氏「この間、日本人が営々と働いて作った円の価値っていうのが、全部吹き飛んでしまって、1ドル360円時代に戻りましたと」
岩上「うわっ、気が遠くなるー」
田代氏「というふうに、(今は)来てるわけですよ」
(中略)
(※7)フルブライト:
米国の代表的な国際学術交流事業、フルブライト・プログラム。
米国内外の学生、研究者、教師、芸術家などの専門家を対象とした国際交換プログラムと奨学金制度の総称である。
第二次世界大戦終了直後の1945年、「世界平和のために人と人の交流が有効だ」としてウィリアム・フルブライト上院議員が米国議会に提出した法案にもとづき発足した。
フルブライト奨学金を受けた米国人は海外の受け入れ先機関に留学し、海外のフルブライト奨学生は米国の大学に派遣されて学ぶ。
フルブライターと呼ばれる同窓生の多くは、教育、行政、法曹、ビジネス、マスコミなど多彩な分野で活躍しており、これまでに40人の国家元首、60人のノーベル賞受賞者、89人のピューリッツァー賞受賞者を輩出した。
日本では1949年から1951年までガリオア・プログラムという名で約1000名の日本人が米国へ留学した。日米講和条約を控えた1951年8月、当時の米国大使、ウィリアム J. シーボルトと吉田茂外務大臣との間で日米相互の人物交流に関する覚書が交わされる。1952年、米国政府により在日合衆国教育委員会が設立され、ガリオア・プログラムを継承してフルブライト・プログラムが始まった。
この交流事業は約30年にわたり、米国政府の資金で運営されていたが、1979年12月、フルブライト交流事業を継承する形で日米教育委員会が設置され、日本政府も運営費用を分担するようになった。
1952年以降の参加人数は9600人以上。内訳は日本人が約6700人、米国人が約2900人となっている。
参照:
・フルブライト奨学金制度概要(フルブライト・ジャパン)
【URL】https://bit.ly/3G0GiOv
・フルブライト・プログラムとは?(アメリカ大使館公式マガジン アメリカン・ビュー)
【URL】https://bit.ly/3hYHslN
(※8)氷川丸:
氷川丸は、日本郵船が1930年に北米シアトル航路用に建造した貨客船。
当時の最新鋭の船として横浜で竣工、太平洋を横断する貨客船として活躍。太平洋戦争が始まると引き揚げ船や病院船としての役目を担った。
当時の日本は海外渡航の唯一の交通手段が船舶であり、氷川丸にも多くの著名人が乗船した。1932年に日本を観光で訪れたチャーリー・チャップリンは、横浜から氷川丸に乗船して帰国の途に就いた。
戦時中は海軍の特設病院船となり、客室や船倉など大部分は改装されて病院設備や病室が設けられた。
終戦までに3回触雷したが沈没を免れ、戦後は貨客船に戻って1953年にシアトル航路に復帰。船齢30年に達して1960年に引退するまでに太平洋横断を254回、船客数は2万5000名に上る。
1961年より横浜の山下公園前に係留保存され、2008年に「日本郵船氷川丸」としてリニューアルオープン。戦前の日本で建造された現存する唯一の貨客船であり、造船技術や客船の内装を伝える貴重な産業遺産として高く評価され、2016年、海上で保存されている船舶として初めて重要文化財に指定された。内部は一般公開されて見学可能。映画などのロケ撮影にも利用できる。
参照:
・氷川丸の歴史(日本郵船氷川丸)
【URL】https://bit.ly/3I6fkaV
・歴史をつなぐ船(ハマトク)
【URL】https://bit.ly/3Q0SDqS

▲横浜市の山下公園に停泊している氷川丸(Wikipedia、邱鈺鋒)
インフレと円安で「行きはよいよい、帰りは怖い」。これはアベノミクス初期にわかっていたこと。引き返す道は通り過ぎた?

▲円が急落してもやめられない日銀金利抑制策
岩上「それで、『円が急落してもやめられない日銀金利抑制策』っていう話なんですけれども、これ、朝日新聞の記事の中にですね、『円安でもやめられない 異例の金利抑制策の本当の理由』っていうのがあったんで、ちょっと取ってきたんですが。『外国為替市場では、金利が高いドルを買い、金利が低い円を売る動きが強まり、円安が加速している』。これは今、ずっとお話しいただいてきたことの、まとめみたいな感じですね」
田代氏「うん」
岩上「で、『日銀の国債保有残高は、 2012年末に113兆円余から、21年末には4.6倍の521兆円まで増』。これ、国債増発してきたからですよね」
代氏「いや、日本銀行が買いまくったからですね」
岩上「ああ、そうですね。あれはセットなんじゃないんですか? 日本銀行が買いまくるのと、増刷を言うことと」
田代氏「うん」
岩上「ですよね。アベノミクスですよね、これ」
田代氏「もちろん、両方なければね」
岩上「日本総研のコメントとして、『日銀が金利を引き上げる局面になれば、政府