2022年12月20日午前11時30分頃より、東京都新宿区の防衛省にて、浜田靖一防衛大臣の定例記者会見が行われた。
冒頭、大臣からの報告事項はなく、大臣と各社記者との質疑応答となった。
IWJ記者は、12月16日、政府が改定を閣議決定した安全保障3文書について、「国家防衛戦略」に明記された「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」に関して、以下の通り質問した。
IWJ記者「12月6日の浜田大臣の会見で、IWJ記者は、『自衛隊が反撃能力を持ち、米軍と一体となって「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」の構築を進めれば、米軍の指示で即座に自衛隊が敵のミサイル基地を予防的に攻撃するケースも出てくることも考えられます。
その場合、日本自体が敵の報復対象に入ることになります。これは日本の主権の放棄ではないのでしょうか』とおうかがいし、その時大臣は『現在、検討中であり、現時点で具体的な内容等をお答えできる段階にはございません』とおっしゃいました。
『統合防空ミサイル防衛』は、『統合司令部』とあわせて16日閣議決定された『国家防衛戦略』に明記されました。あらためて、米軍の指揮系統下に自衛隊が組み込まれるとは、『日本の主権の放棄ではないのか』、お聞かせください。
また、国家主権を譲り渡すような事項を、閣議決定だけで決めることが許されていいのでしょうか。日本が米国の指揮通りに発射ボタンを押したミサイルの、その責任と、敵国からの報復攻撃は、米国本土に向かうのではなく、日本に向かうことになるのですね? そうした米国の『代理戦争』の駒として日本が使われることも受け入れるのか、その点も大臣のお考えをおうかがいします」
この質問に対して、浜田防衛大臣は、以下のように答弁した。
浜田防衛大臣「前回もお答えしたとおりでありますけれども、我々とすれば、常に、この、日本が主体的に判断をして、あらゆる行動をしていくためにも、今回の『3文書』等々、我々は作らせていただいたわけであります。
あくまでも、我が国にとって、何が重要で、どのように対処したらいいかということを明確にするためのこの『3文書』を、このたび、皆さんにご提示たわけでありますので、その筋に沿って、しっかりと対応していきたいというふうに考えているところであります」
他社の記者からの質問も、「反撃能力」、「有事の際の国民保護」、「南西諸島における自衛隊の体制」、そして、3文書の中の「弾薬を増やす」という記述について等々、安保3文書に規定する「新しい国家安全保障戦略」についてのものに終始した。
会見の詳細は、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。