2022年4月22日(金)午前9時30分より、岸信夫防衛大臣の定例会見が、防衛省にて開催され、IWJが生中継した。
質疑応答で、IWJ記者は岸防衛大臣に以下のように質問した。
IWJ記者「月刊『文藝春秋』5月号で安倍元総理が、『我が国の周辺には、ロシア、北朝鮮、中国といった核保有国が存在し、北朝鮮はICBM(大陸間弾道ミサイル)の試験発射に成功した。このICBMはアメリカ全土が射程圏内に入り、安全保障上のリスクが高まっている。核シェアリング(核共有)を含め議論すべき』と記しています。
また、ロシアも先日、日本海で巡航ミサイルの発射実験を行い、昨日はICBMの発射実験に成功したと発表しています。
ところが、同じ『文藝春秋』5月号で、フランスの歴史人口学者の泰斗、エマニュエル・トッド氏が、『核共有はダメだ! 核武装して自立しろ!』と説いています。
- 「日本は核を持つべきだ」エマニュエル・トッドが指摘する“米国依存の危うさ”〈ロシア侵攻後、世界初のインタビュー〉(文春オンライン、2022年4月8日)
安倍元総理の議論は無視できないと思いますが、防衛省は、ミサイルを導入し、弾頭を核弾頭にする核共有を考えているのでしょうか? またニュークリアーシェアリングはダメだ、という議論をどう考えるのか?
大臣のお考えをお聞かせください」
岸防衛大臣「我が国の周辺の安全保障環境は非常に厳しさを増しているところであります。我が国の国民の命とそして平和な暮らし、これをしっかり守り抜いていくために何が必要か、ということの議論を、しっかり積み重ねていくことが何より大切だと思っております。
これから年度末、国家安全保障戦略策定に向けて、しっかりと議論を重ねてまいりたいと考えております。
核共有については、非核三原則を我が国は堅持する立場であります。これを考えてはおりません」
岸大臣の冒頭発言では、在外邦人等の輸送に関わる閣議決定、大型連休の新型コロナワクチン大規模接種会場について報告があった。
他社からは、敵基地攻撃能力の名称変更、米軍普天間飛行場の辺野古移設、鹿児島県馬毛島のFCLP(陸上空母離着陸訓練)施設計画、ウクライナ支援の国連物資を輸送予定だった自衛隊機の受け入れをインドが拒否した件等について質問があった。
会見内容について詳しくは、全編動画を御覧いただきたい。