2022年2月24日に、ロシアがウクライナに侵攻してから、5ヶ月が経過した。
米国を中心とした西側諸国は、ロシアへの経済制裁とウクライナへの武器供与を続け、ウクライナ紛争を長期化させ、両国を仲介して停戦させようとする動きはまったく見られない。
岩上安身は、ロシアの侵攻が始まってから1週間が過ぎた2022年3月3日、東京都内のIWJ事務所で、元外務省国際情報局長の孫崎享氏に4回目となるインタビューを行った。
ロシアによるウクライナ侵攻直後、米国内の世論調査では、バイデン大統領の対応への支持率が34%から43%へと上昇し、71%が「ウクライナに武器を提供すべき」と回答した。
さらにロシアへの追加の経済制裁に約77%が賛成し、58%の人が「ウクライナ危機のために燃料やガス料金を多く支払うことは、他の民主主義国家を守るために価値がある」と回答した。
バイデン大統領は開戦直後のインタビューに「選択肢は2つだ。第3次世界大戦を起こすか、国際法に反した行動を取れば、その代償を支払う羽目になるということをはっきりさせるか」と答えた。
孫崎氏は「戦略的にロシアと対決してもいい、というところまでは来た」、「今までは対決というものは絶対にしないということだったんだけど、ロシアに(対して)優位を作る(ロシアを弱体化させる)という意味で、もう、そこに踏み込んじゃった」と、懸念を表明した。
ウクライナ支援をめぐっては、NATO諸国に加え、中立国のスウェーデンまでもが武器供与を表明した。孫崎氏は「戦争終結ではなく、拡大に向けての政策」だと批判した上で、「中立国までアメリカに引きずり込まれている」と指摘した。