2021年10月5日(火)午前12時より、岸田内閣で初入閣、3人の女性閣僚の1人、堀内詔子 東京五輪担当・ワクチン接種推進担当 大臣記者会見が開催された。
IWJ は質疑応答において、以下のように質問した。
IWJ「堀内大臣は、2018年5月25日に、過労死を促進させるおそれがあるとして慎重な審議を求められていた、『高度プロフェッショナル制度』を含む『働き方改革 関連法案』が、衆議院厚労委員会で野党の反対を押し切って強行採決された際に、傍聴する過労死死者の遺族の前で、大きな身振りで飛び跳ねながら自らの賛意をアピールし、採決への参加を促していた姿が知られています。
今回大臣に就任されたことで、その動画がインターネット上で拡散し、批判の声もあがっています。その姿勢は党利党略ばかりを意識し、健康や生命を損なうほどの労働に追い込まれる市民への理解を欠落させていたのではないでしょうか。当時お考えだったことと、いま振り返ってそれをどう考えるかをお聞かせください」
質問中の堀内大臣の衆院厚労委員会での『働き方改革 関連法案』強行採決時の振る舞いについては、昨日の日刊IWJガイドで、以下のようにお伝えした。
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なお、3人の女性閣僚のうち、堀内詔子ワクチン担当大臣は、2018年5月25日の衆院厚労委員会で働き方改革関連法案が与党に強行採決された際、過労死犠牲者の家族が傍聴席で見守る中、両手を広げてぴょんぴょん飛び跳ね、強行採決をうながしたことが、早速SNSで話題になっています。(中略)
社民党副党首の大椿ゆうこ氏は4日、堀内氏について次のように連投ツイートしました。
「堀内詔子さんって、2018年の高度プロフェッショナル制度を含む「働き方改革」関連法案の時、祭囃子みたいにぴょんぴょん飛び跳ねて強行採決促した、あの人だよね?続」
※大椿ゆうこ氏のツイート(2021年10月4日)
https://twitter.com/ohtsubakiyuko/status/1444779041576210435
「過労死・過労自死した労働者の遺族が傍聴する中での強行採決。飛び跳ねる堀内詔子議員を見た時、『私たち、この人たちに殺される』って本気で思ったんですよね。私たちの命のこと、これっぽっちも考えてないって。飛び跳ねるあの姿、あまりに醜悪過ぎて忘れられないし、忘れちゃいけない」
※大椿ゆうこ氏のツイート(2021年10月4日)
https://twitter.com/ohtsubakiyuko/status/1444780748804800512
過労死していく「下級国民」の命には痛みを感じないのは、ご自身は「上級国民」からでしょうか。
堀内氏は、嫁ぎ先の堀内家が大久保利通や吉田茂とも血縁にあり、夫が富士急行社長の堀内光一郎氏で、義父は堀内光雄元衆議院議員。労働大臣、通産大臣等を遍歴した大物自民党議員です。学習院で、幼稚園から大学院一貫して「かつて現天皇が浩宮時代に妃候補として名前が上がったことがある」ともいわれ、「血統・家柄」も話題になっています。
※堀内詔子ワクチン・五輪相の横顔(日本経済新聞、2021年10月4日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA032RN0T01C21A0000000/
こうした育ちであれば、過労死させられる側の痛みがわからない言動・行動を取るのは当然、という批判は今後も避けられないかもしれません。
※はじめに~岸田総理、14日衆院解散、19日公示、31日投開票を表明! 閣僚人事では「女性閣僚3割以上」と表明していたにもかかわらず、20名中女性はわずか3人! 党役員人事は甘利明幹事長、小渕優子組織運動本部長、高木毅国対委員長と、「政治とカネ」の疑惑で閣僚を辞任した人ばかり!(日刊IWJガイド、2021.10.05号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/49564#idx-1
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また、問題の衆院厚労委員会の映像は下記で御覧いただける。強行採決時の堀内氏の姿は、9:13:10および9:13:55頃に登場する。
- 厚生労働委員会(衆議院インターネット審議中継、2018年5月25日)
IWJの質問に対して、堀内大臣は、次のように答えた。
堀内詔子大臣「『働き方改革』のなかのものとして、法案が成立する必要があったと考えております。一時間あたりの労働生産性の向上というのが、どうしてもこの厳しい、いわゆるグローバル社会のなかで、我が国に求められているのではないかと思っております。という状況ですが、どうですか。それでご納得いただけますか」
IWJ記者はさらに、次のように質問した。
IWJ「ありがとうございます。ただ、あの、遺族の方々がいらっしゃる前で、派手にアピールされて採決をしていたことに対する批判というものが現在ありますが、その姿勢や、市民のことを考えていたのかということはどうでしょうか」
堀内氏は、以下のように答えた。
堀内大臣「そうですね、当時はやはり成長していく日本というものをこれからも続けていくためにも、いわゆる『働き方改革』というものはどうしても必要だと思っていたところでございます。やはり今、少子化の日本のなかで、働いてくださる方になっていくお子さんも少なくなってきているわけで、やっぱりおひとりおひとりが日本人としてのお仕事をしていっていただくための整理が必要だと、そのとき思っておりました。
ただ私自身の身振り手振りとかがたいへん、その、過労死なさった方々のご遺族のお気持ちを害してしまったのならば、それは本当に申し訳ないことだったなと思っております」
他の大臣発言、他社メディアとの質疑応答についてはぜひ会見全篇動画を御覧いただきたい。