英国で確認された新型コロナウイルスの変異株が日本でも確認され、コロナ・パンデミックが新たな局面を迎えようとしている2020年12月28日、岩上安身は、医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師に、今年4月以来、8ヶ月ぶりとなる第4弾のインタビューを行った。
今回のインタビューでは、今まさに日本国内で広まろうとしている新型コロナウイルス変異株と、各国政府の対応や、英国などで接種が始まったばかりのワクチンなどについて上医師にお話をうかがった。
岩上安身は、変異株出現前に開発されたワクチンの有効性について、12月20日に、ケンブリッジ大学ラヴィ・グプタ教授が「ウイルスはワクチンからの逃走過程にある」と警告し、「変異はその最初のステップ」と述べていることを紹介した。
「変異がさらに進めば、心配する必要が出てくる」というグプタ教授の懸念について、上医師は、「可能性としては十分あると思います。ただ、現時点では問題ないと考えている専門家が多い。変異の数がまだそんなに多くないので。確かにインフルエンザのようになる可能性はあると思いますけどね。やってみないと分からない。この程度の変異でワクチンが全く効かなくなることはないと思います。ワクチンの短期的な安全性はある程度分かっていて、長期的な経過は見ないと分からないものは分からない」との見解を述べた。
また、上医師は「(ワクチンを)高齢者の方に優先接種するというが、副作用が出たときに耐えられない人がいるので後期高齢者に打っていいか、私は疑問だと思う」と懸念を表明。「一人一人丁寧にやっていくことだと思います」と念を押した。
12月27日にPCR検査を受ける直前に病状が急変して亡くなった立憲民主党の羽田雄一郎参議院議員の話題に移ると、上医師は次のように述べた。
「本当にびっくりしました。人と会う機会が多い政治家なので、職業的倫理上の問題もあり、PCR検査をやらないといけないのに、国会議員ですら数日間受けれない。この国の体制はとんでもない。
羽田さんは、肺の疾患が進んでいて亡くなったはずなんです。PCR検査を工務店(木下工務店が新橋駅近くで始めたPCR検査のこと)がやれるのに、専門家や検査会社ができないのか、納得いかない。精度に問題があるのなら問題があるのを示さなきゃいけないんです。政府が言ったのをマスコミはそのまま書いている。
全自動なのでそんなに大きな精度の問題は、常識的にはありえない。もしやってれば羽田さんも早く診断できたかもしれない」
インタビューはさらに、12月25日に行われた菅総理の会見で、岩上安身の追及によって菅総理と尾身茂・新型コロナウイルス感染症対策分科会会長の考えに温度差があることが判明したことや、感染研の問題点などを話題としている。
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