2022年3月4日(金)午前9時30分頃より、岸信夫防衛大臣の定例会見が、防衛省にて開催され、IWJが生中継した。
質疑応答で、IWJ記者は岸防衛大臣に以下のように質問した。
IWJ記者「岸田総理は、敵国の基地を攻撃する『敵基地攻撃能力』を持つことの検討を始めると2月22日の国会で発言されました。
一方、安倍元総理は、2017年、現役の総理だった時に、『総理大臣の立場でございますから、この核シェアリングについては、まったく検討も研究もしていない…』と発言していましたが、2月27日のフジテレビ『日曜報道 THE PRIME』に出演した際には、『核シェアリング』について『この世界はどのように安全が守られているのかという現実の議論をタブー視してはならない』と発言し、総理時代の発言を翻しています。
岸田総理の『敵基地攻撃能力』や安倍元総理の『核シェアリング』議論によって、『敵基地攻撃能力』の獲得や『核シェアリング』準備を進めるつもりだと隣国が受け止められた場合の影響についてどう考えているのだろうと思います。ロシアはウクライナに対してと同じように『敵意』をむき出しにして、標的として日本をとらえることにまったくならないと、大臣はお考えでしょうか?
これは、仮定の話ではなく、ロシアは、ウクライナがNATOへ加盟しようとしていたり、核配備の可能性がある段階で、神経を尖らせ、反対の立場をとって、まだ、NATO加盟も、中・短距離核ミサイルも配備していない、いわば『議論』の段階でそれらをくい止めようとして、ウクライナに侵攻したと考えられます。
日本は、ロシアの極東の隣国でもあります。ウクライナの事例を踏まえて、またロシアと隣国であるという共通点を含めて、極めて現実的な事であると考えておりますので、ぜひ大臣のお考えをお聞かせください」
岸防衛大臣「ご指摘の発言については、承知をいたしております。閣僚としては、政府、政策上の方針として、非核三原則を堅持していくとの変わりはございません」
なお、岸大臣は冒頭発言で、陸上自衛隊が当日より米海兵隊と共同訓練する旨を発表した。また、他社からは、ウクライナへの医薬品や防弾チョッキなど自衛隊が持つ物資供与の検討状況や、国防費増額の必要性、国家安保戦略の見直しなどについて質問があった。
会見内容について詳しくは、全編動画を御覧いただきたい。