「スタンドオフ防衛能力」は「敵基地攻撃能力」そのもの!米国インド太平洋軍の戦力にまんまと組み込まれる自衛隊・日本!改憲と同期した戦時体制の準備が進む! 〜5.11岸信夫防衛大臣会見 2021.5.11

記事公開日:2021.5.20取材地: テキスト動画
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(取材・浜本信貴、文・六反田千恵)

 2021年5月11日、岸信夫防衛大臣会見で、IWJ記者は「スタンドオフ防衛能力」について質問した。昨2020年末頃から、「スタンドオフ防衛能力」、「スタンドオフミサイル」といった名称をよく目にするようになった。はたして「スタンドオフ防衛能力」で、防衛省が目指すものはなんだろうか。

IWJ記者「ちょっと長くなりますけれども、1点お伺いします。

 昨年(2020年)12月18日の閣議決定で、新たなミサイル防衛システムの整備等及びスタンド・オフ防衛能力の強化によって、敵基地攻撃を容易になし、北朝鮮領域まで直接到達する国産長距離射程ミサイルを日本独自に開発中であると、米国ウォール・ストリート・ジャーナルが報じています。

 小野寺元防衛大臣は、『スタンド・オフ防衛能力とは敵の射程圏外から攻撃できる能力であり、この新型ミサイルには、中国との領土問題を抱える日本の南端にある島々の防衛にも使用できる』の旨を述べておられます。

 しかし本当にそうでしょうか。

 当然ミサイルを撃ち込まれた敵国は日本全土に照準を合わせ、特に海岸線にある原発を目がけてミサイルを撃ち込んでくるのではないでしょうか。

 日本の海岸線は54基の原発を抱えており、原発にミサイルを撃ち込まれてはひとたまりもありません。自らの急所、つまり原発をさらけ出し、敵国の射程圏外から攻撃ができるといっても、全く意味をなさないと思われます。

 現実的に、日本列島全体が中国の準長距離弾道ミサイルの射程の中にすっぽりと入っていることは事実です。その中国の準長距離弾道ミサイルは、150から450発と推定されています。

 そもそも、スタンド・オフ防衛能力が敵の射程圏内とか、脅威圏の外などという迷言自体が懸念です。これは、まさに差し違いの覚悟の戦争であることは自明です。スタンド・オフ防衛能力という言葉で本心を隠し、国民をあざむき、わが国を焦土と化しても米国を守るというお考えなのでしょうか。

 大臣のお考えをお聞かせください。よろしくお願いします」

岸防衛大臣「差し違い覚悟の戦争というものをしたいと思うところがあるのでしょうか。

 基本的にこのスタンド・オフ・ミサイルというのは、先ほどからもお話があったととおり、敵の圏外からですね、攻撃をできる能力を有するというものでありますが、全て我々の抑止力を高めるためのものでございます。

 あくまでも自衛隊員の安全を図るための技能、射程外から発射するミサイルがこのスタンド・オフ・ミサイルであるということでございますが、いずれにしましても、御指摘の沿岸の防空、対空の防衛についてもですね、総合ミサイル防空も進めながら、わが国の防衛能力を高めてまいるところであります」

 「スタンドオフ防衛能力」、「スタンドオフミサイル」は、2020年夏、安倍晋三前総理が辞任する前にしきりと話題にあがった「敵基地攻撃能力」そのものである。しかも、北京や平壌を射程に収め先制攻撃能力を持ったミサイルを配備するという非常に危険な計画が進んでいる。

 中国のミサイルは日本列島全体を覆っているという現実を無視し、「敵の圏外からですね、攻撃をできる能力を有する」と言い張るのは欺瞞でしかない。

 日本の自衛隊がミサイルを持ち、さらに日本中で小部隊が移動してミサイルを発射するようになれば、自衛隊基地にもミサイルを打ち込まなければならなくなるし、市ヶ谷の防衛省にも、三菱重工などの軍需産業の工場や本社にも、戦争協力するあらゆる産業や組織にもミサイルを撃ち込む、ということになる。

 背景には米軍の戦略がある。日本が「スタンドオフミサイル」を配備するという計画は、米国のインド太平洋部隊の「太平洋抑止イニシアティブ」に組み込まれたものだ。基地がミサイル攻撃の対象となっても、残存勢力が報復できるように米軍の機動性に富む小部隊が第一列島線上のあちこちで活動する。

 そして、今国会で進んでいる国民投票法快晴とその後にやってくる改憲も「スタンドオフミサイル」の配備と同期している。緊急事態条項を持つ改憲によって、戦時独裁体制の基盤が築かれ、自衛隊が憲法に明記されることで名実ともに日本軍として出現し、しかも、この新しい日本軍は、指揮権を米軍に明け渡した、米軍に垂直統合された軍隊なのである。

 岸防衛大臣会見の全編動画は以下で御覧ください。

 「スタンドオフミサイル」の詳細については以下の日刊ガイドをお読みください。

■ハイライト スタンドオフ攻撃能力

  • 日時 2021年5月11日(火)9:30~
  • 場所 防衛省 A棟 第1省議室(東京都千代田区)

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