2022年2月22日、東京都新宿区の防衛省で、岸信夫防衛大臣による閣議後の定例会見が行われた。
会見でIWJ記者は、ロシアのプーチン大統領が「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を承認したことを受けて、「この後の展開として、ロシア軍が両州に入ることが想定され、ウクライナがNATO加盟を申請し、即、承認となった場合、ロシアとNATO全体が直接対決することになり、バイデン大統領が言っていた『アメリカ人とロシア人が撃ち合う時、それは世界大戦になる』という言葉が現実になるかもしれない」、「今、最前線はロシアとウクライナ国境だが、極東でも米国とロシアが衝突し、日本も参戦するような事態を大臣は想定しているか?」と質問した。
これに対し岸・大臣は「その後の事態については仮定である。仮定の質問には答えを控える」と繰り返し、想定の有無さえ答えることはなかった。
ロシア国防省が今月12日、「北方領土の千島列島のウルップ島周辺海域で、アメリカ海軍の原子力潜水艦がロシアの領海を侵犯した」と発表するなど、米・露の緊張は東欧の一地域に限らないことは明らかである。日本の防衛を担当する大臣としての姿勢が問われている。