ロシアは一貫して、米国がウクライナのバイオ研究所で、生物兵器に使われうる危険な病原体の研究をしていると主張してきました。国連安全保障理事会でも、3月11日と3月18日に、緊急会合を要請して訴えてきました。
しかし、これまでのところ、まともに取り上げられたことはありません。18日の会合は、16日の「子供たちがいる」マリウポリの劇場への無差別空爆をしたとして、ロシア非難で一色になり、ロシアの主張に耳を傾ける国はほとんどありませんでした。ロシアのネベンジャ国連大使は劇場への攻撃を否定しています。
逆に、米国はロシアの主張は「虚偽」で、ロシア軍が生物兵器を使うための口実づくりの恐れがあると反撃、ロシアが生物・化学兵器を使った場合は「(しかるべき)対応をする」と主張しています。
どちらの主張が本当なのか、今まで決め手はありませんでした。
しかし、ロシア側は、SNSなどを使って、情報を出し始めました。在ウィーンロシア軍備管理代表団はツイッターで以下のような投稿をしました。
「米国とウクライナのmil(意味不明)とバイオの協力に関するMoD(ロシア国防省)の最新情報『この資料は、現在の米国のリーダーシップとウクライナのバイオ研究所の関係を我々が追跡することを可能にする。特にハンター・バイデンが率いる投資ファンド、「ローズモントセネカ」の関与である』
※Russian Arms Control Delegation in
(午前3:17 · 2022年3月25日)
「ロシア国防総省:『これらの活動はすべてペンタゴン(米国防総省)の完全な管理下で行われたものである。この登録カードに注目してください。これによって、14の地域に30のウクライナの研究所が配置されていたことが確認でき、ウクライナで本格的な軍事生物学活動に関与したことが確認できる』」
このツイートには、ウクライナ語と思われる書類の画像が2枚添付されています。
※Russian Arms Control Delegation in
(午前3:17 · 2022年3月25日)
「ロシア国防総省:『2018-2020年の資金総額は約3200万ドルであった。文書のテキストによれば、米国の人員と請負業者は、ウクライナ領内における税金または他の同様の料金を支払う義務を免除される」
このツイートには、ウクライナ語と思われる書類の画像が1枚添付されています。
※Russian Arms Control Delegation in
(午前3:17 · 2022年3月25日)
「ロシア国防総省:これらはすべて、機密の遺伝情報を海外に移送するリスク、ウクライナだけではなく他の地域にとってのバイオ安全性への脅威になる。米国の顧客の一つの優先事項は炭疽菌剤であり、非常に損傷があり、耐性がある」
このツイートには、英語書類の画像が4枚添付されています。
※Russian Arms Control Delegation in
(午前3:17 · 2022年3月25日)
「ロシア国防省の資料」とされる、在ウィーンロシア軍備管理代表団の投稿には、書類の来歴は示されていません。これらのツイートは、日本時間で25日の午前3時17分に投稿されました。モスクワ時間で24日の夜8時17分、ワルシャワ時間で夕方6時17分です。つまり、EU、NATO、G7の同日開催が行われた日の夕方に投稿されたことになります。
ロシア国営メディアの『TASS』通信は、3月25日夜(モスクワ時間25日午後2時)、「ロシアは、バイデン氏の息子がウクライナのバイオラボ運営に関与していることの説明を要求するードミトリー・ペスコフ大統領報道官は、国防省はバイオ研究所に関する世界的に機密性の高い情報の分析を続けていると述べた」と題された記事を掲載しました。以下にIWJの仮訳をご紹介します。
- 「ロシアは、バイデン氏の息子がウクライナのバイオ研究所運営に関与していることの説明を要求するードミトリー・ペスコフ大統領報道官は、国防省はバイオ研究所に関する世界的に機密性の高い情報の分析を続けていると述べた」(Russia to demand explanations of Biden’s son’s role in operating biolabs in Ukraine)(TASS、2022年3月25日、20時12分)
「ドミトリー・ペスコフ大統領報道官は、金曜日(25日)に、TASS通信の質問に答える形で、ジョー・バイデン大統領の息子ハンター・バイデン氏がウクライナのバイオ研究所の運営で果たした役割について、ロシアは米国に説明を要求する、と述べた。
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■皆さまへ緊急のお願いです!! 3月のご寄付・カンパは3月24日時点で月間目標額の50%の達成率にとどまっています! 昨年8月1日から始まったIWJの今期第12期7か月間にわたる累積の不足金額は、トータルで470万4268円です! これに今月3月分の目標額未達分の210万4499円が加わり3月末までに680万8767円必要となります。3月末まであと4日! どうか緊急のご支援をよろしくお願いいたします!!
IWJ代表の岩上安身です。
IWJでは、今期第12期の年間の予算を立てる上での見通しとして、代表である私、岩上安身への報酬をゼロにすることを筆頭に、支出をぎりぎりまでにしぼった上で、IWJの運営上、必要なご寄付・カンパの目標額は月額420万円(年間5040万円)と算出させていただきました。
昨年8月から始まったIWJの今期第12期は、3月で8ヶ月目に入りました。
3月1日から24日までのご寄付・カンパは198件、209万5501円です。24日間で月額目標額420万円に対して50%の達成率となっています。
今期8月1日から2月末までの7ヶ月間の累計の不足分は、470万4268円となっております。
さらに今月3月の月間目標額のうち未達成分の210万4499円が加わりますと、3月末までに、680万8767円が必要となります。このままですと、不足額が雪ダルマのように膨れ上がっていきます!
どうか会員の皆さまのお力で、3月もIWJをお支えください!
IWJの会員数は現在3243人です。そのうちサポート会員は1111人です(2022年3月24日現在)。本当に心苦しいお願いではありますが、会員の皆さま全員が2100円ずつカンパしてくださるか、サポート会員の皆さまが全員1人6129円ずつカンパしてくださったならば、なんとかこの赤字は埋められます!
伏してお願いいたします! どうか皆さまのお力で、この窮状をお助け願います!
※ご寄付・カンパはこちらからお願いします。
コロナ禍は、日本のすべてを直撃しています! IWJも例外ではありません!
同じように皆さまもそれぞれ、コロナ禍で厳しい状況に直面されていることと拝察いたします。こうした状況で皆さまに、会員登録のお願いとご寄付・カンパを繰り返しお願いすることは、心苦しいことではあります。
しかし、どうしても声を大にして、お伝えしなければならないことがあります!
改憲による緊急事態条項の導入と、米国による中国との戦争に日本が巻き込まれる現実的な懸念が、迫っているからです!
また、ロシアによるウクライナへの侵攻とそれに対する世界中からの反発・非難が、どのような第2幕を迎えるか予断を許しません。日本政府は、自国の国益を考えず、米国に追随してロシアに対し経済制裁を行い、ロシアからは「非友好国」と格付けされ、平和条約の交渉を中断する、という通達も受けました。
平和条約を結べないということは、日本はロシアとの間で国境を画定できない非常に不安定な状態にある、ということです。政府も、外交の専門家も、有識者も、マスメディアも、指摘しなければいけないはずなのに、何も言いません。
台湾をめぐる米中の対立と、このウクライナ危機が連動する可能性も、しきりに取り沙汰されています。その場合、ウクライナがそうであるように、日本が米国にとって都合の良いミサイル前線基地となってしまいます。日本がウクライナのような運命をたどり、超大国間の覇権争いゲームの「都合の良い」戦場と化してしまうようなことは絶対に避けなければいけません!
IWJは、中立の立場を守り、ロシアとウクライナの間でどのような確執が起きてきたのか、2014年のユーロ・マイダンのクーデターの時点から、ずっと注目して報じてきました。
※【IWJブログ】ウクライナ政変~揺らぐ権力の正当性――西部の首都キエフを支配した反政権派には米国政府とネオナチの影、プーチンに支援を求める東部の親露派住民 2014.3.6
※【岩上安身のツイ録】風雲急を告げるウクライナ情勢/NATOへの加盟は冷戦終焉後の最大の地政学的転換点 2014.9.2
※【岩上安身のニュースのトリセツ】「ロシア軍による国境侵犯、ウクライナ軍が撃破!」とポロシェンコ大統領の「から騒ぎ」~ウクライナと西側総ぐるみの「8.15虚報!?」とその後の「だんまり」(前編)2014.8.29
※【岩上安身のニュースのトリセツ】「ロシア軍による国境侵犯、ウクライナ軍が撃破!」とポロシェンコ大統領の「から騒ぎ」~ウクライナと西側総ぐるみの「8.15虚報!?」とその後の「だんまり」(中編)2014.9.10
※【岩上安身のニュースのトリセツ】「ロシア軍による国境侵犯、ウクライナ軍が撃破!」とポロシェンコ大統領の「から騒ぎ」~ウクライナと西側総ぐるみの「8.15虚報!?」とその後の「だんまり」(後編)2014.9.15
※【岩上安身のニュースのトリセツ】「世界の戦場」ウクライナ情勢を読み解く マレーシア航空機”撃墜”事件を徹底検証―交錯する各国の主張(IWJウィークリー66号より)2014.10.2
※世界の「いま」は欧米中心主義の断末魔/繋がりあう尖閣・マレーシア・ガザ・ウクライナ ~岩上安身によるインタビュー 第443回 ゲスト 東京大学名誉教授・板垣雄三氏 (IWJ、2014.8.1)
※ウクライナ危機は「平和的解決」が必要 社会正義の実現と「富の再配分」をめざすドイツ左翼党オリバー・シュレーダー氏が訴える 岩上安身のドイツ取材で〜岩上安身によるインタビュー 第481回 ゲスト ドイツ左翼党 オリバー・シュレーダー氏 (IWJ、2014.9.15)
※ウクライナ危機は「米国によるユーラシア不安定化のステップ」 イングドール氏が警告、東に舵を切れ! 「ワシントンの奴隷国である限り破壊と低迷があるだけ」〜岩上安身によるインタビュー 第480回 ゲスト F・ウィリアム・イングドール氏 (IWJ、2014.9.12)
2022年の2月24日、それまで何の前提もなく突然、ロシアのプーチン大統領が狂気にとりつかれて、ウクライナに侵攻し始めたのではありません。そこに至るプロセスがあります。独自取材を続けてきたIWJだからこそ、この事態に対してしっかりと客観視する視点をもつことができた、と自負しています。
こうした「侵攻前」のプロセスを伝えず、「ロシア侵攻」のみを大騒ぎして伝えるイエローペーパーばかりですが、これは本来のメディアの役割を放棄していると言わざるをえません。我々は、どんなに石つぶてを投げられようとも、メディアの王道をいく仕事をし続けます。
戦争は発火した時が、最終段階です。その前に、政治的・経済的・社会的な不満がマグマとしてたまっているのであって、戦争が勃発する前にそのマグマの存在を明らかにし、対話と議論によって平和的解決の道を探して、「戦争」という「政治的解決の最終手段」に至る前に、未然に防ぐことが一番重要です。
そのためには、「戦前」の段階で、現状を正確に把握することが必要です。メディアが戦時だけ騒いで、洪水のような情報量で一方を「悪」とし、一方を「善」と決めつけて、他方だけの言い分しか取り上げないような偏向報道だけを行えば、一般国民の間に、「悪」とされた国への敵視感情だけが醸成されていってしまいます。
自国政府も味方の国の政府も、負けず劣らず、プロパガンダしているものですから、相手のプロパガンダであれ、フェイクまじりであれ、相手を知る手がかりを失う、というのは、目と耳を自ら閉ざすに等しく、絶対にやってはならないことです。
世界は今、100年に1度あるかないかの、巨大な政治的・経済的・軍事的な地殻変動に見舞われています。
いうまでもなく、日本を含む世界全体に対し、単独覇権国として支配的な影響力を及ぼしてきた米国が衰退し、中国が米国の国力を上回る勢いの新興国として台頭してきており、その中国とロシアは結束を強めています。
米国対中露が激突する時、日本は地理的にもこの3つの超大国の間にはさまっている、ということを忘れてはなりません! 戦争において地理的位置は、絶対的な条件となります。今のままでは、米国対中国、あるいは米国対中露の戦いに、日本が巻きこまれずに無傷のままやりすごすのは、非常に困難です。
地球上の覇権国の力関係が、劇的に変わろうとしつつあります。この米中のせめぎあいに、米国の「従属国」に甘んじてきた日本は、モロに巻き込まれつつあります。
米国につき従っていきさえすれば、安全で繁栄も約束される、というのは、第二次大戦後の米国が、ゆるぎなく、軍事力も経済力も圧倒的に強大で、余裕があり、そしてまだしもモラルが残っていた時代の話です。現在の米国は、昔日の米国ではないのです。
こうした現実は、既存の大手新聞、テレビなどの御用マスメディアに頼っていては、まったく見えてきません。意図的に、国民の目を現状からそらせるような情報操作ばかり行われているからです! IWJは、国民をないがしろにして戦争準備を進める政府にこれでいいのか! と声を上げ続けてきています!
こうしたことがIWJに可能なのは、特定のスポンサーをもたないことで、何者にも縛られず、忖度せずに真実をお伝えしてゆく、独立メディアだからです!
特定の政党や、特定の政治団体などから、隠れ資金を受け取ったことなど、IWJは1度もありません! 市民の皆さまに直接、真実をお届けすることができるのは、市民の皆さまから直接の、会費、ご寄付・カンパによるお支えがあってこそです!
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マスメディアが報じない事実と真実を報道し、売国的な権力への批判を続け、主権者である日本国民が声をあげ続けることができるようにすることが、今、絶対に必要なことであり、それが我々IWJの使命であると自負しています。
本年、2022年は、本当に日本の分水嶺の年となります!
決して負けられないこの戦いに、私は、IWJのスタッフを率いて全力で立ち向かいたいと腹をくくっています! 皆さまにはぜひ、ご支援いただきたくIWJの存続のために、会員登録と緊急のご寄付・カンパによるご支援をどうぞよろしくお願いしたく存じます。
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岩上安身拝