「海外サイト運営のオンラインギャンブルは合法か非合法か、判断基準を示していただきたい」IWJ記者の質問に「犯罪の成否は個別に判断されるので、コメントできません」~1.28 古川禎久法務大臣 定例会見 2022.1.28

記事公開日:2022.1.28取材地: テキスト動画
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(取材、文・木原匡康)

 2022年1月28日(金)午前9時15分頃より、古川禎久法務大臣の定例会見が、法務省にて開催され、IWJが生中継した。

 IWJの記者は、以下の質問を行った。

 「スポーツベッティング(賭博)についてうかがいます。

 現状、インターネット上で海外サイトが運営するオンラインギャンブルに、日本から参加することが横行しており、日本の参加者たちと複数の人間が『合法』だとの認識をYouTube上で発言し広めています。

 これが合法か非合法なのか、IWJが法務省刑事局に問いあわせると、『一般論として、「賭博行為の一部が日本国内において行われた場合、賭博罪が成立することがあるものと考えられる」という事しか、法務省としてはお答えできません。海外で運営しているオンラインギャンブルに参加した場合は、個別の案件にあたるので、その捜査状況や証拠によっていろいろ考えられるので、こちらとしては回答することができません』と、曖昧な回答しかされませんでした。

 しかし、このような合法か非合法かわからないようなアナウンスをされると、グレーゾーンだから何をしても今は大丈夫だと、判断する者が増えていきます。現行法では合法なのか、非合法なのか、国民に正しい判断基準を示していただきたいです。

 その上で、仮に合法であるとされて、不正行為が行われる可能性に対して、どう取り繕えるのか! という問題が生じます。

 かつてプロ野球でも『黒い霧事件』と呼ばれる暴力団による野球賭博に、現役選手が関わる八百長事件が起こり、関わったプロ野球のピッチャーが永久追放されることがありました。

 同様にこうしたオンライン上のスポーツベッティングが合法として行われる場合でも『シナリオ』や『台本』が選手当事者間で打ち合わせされ、大番狂わせが起こって、勝率の低い方が勝利をおさめ、その内情を知っていた者だけが不正に大儲けができる、という可能性が出てきます。

 現に大晦日に地上波で放映された格闘技大会で、1試合だけ両選手間で『台本』を話し合ったことが明るみに出たことがありました。この場合も、オンラインでベッティングが行われていました。

 オンラインギャンブルというのは、賭博罪が制定されていたころは想定されていなかったこととは思われますが、それでも『法の空白』は許されません。現行法上に照らし合わせて、合法か非合法か、また台本があるような真剣勝負といえない試合があった場合どう対処するのか、当局はそれも賭けの対象とするのか指針をきちんとお示しいただかないと法秩序を守ることはできなくなります。

 大臣の見解、お答えをお願いします」

 これに対して、古川法務大臣は次のように回答した。

 「合法か非合法かということなんですけど、犯罪の成否というものはですね、捜査機関により収集された証拠にもとづいて、個別に判断される事柄でありますから、具体的な事案ごとに、犯罪が成立するか否かっていうことについては、これはコメントすることはできません。

 お尋ねのオンラインギャンブルということなんですけど、当然ながら捜査当局においては、賭博罪等の刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠にもとづいて適切に対処をすると、こういうことでございます」

 その他、入管収容者の扱い等の問題について質問があった。また、古川大臣は冒頭で、全国の商業登記所における「実質的支配者リスト制度」の開始について報告した。

 詳しくは、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。

■全編動画

  • 日時 2022年1月29日(金)9:15~
  • 場所 法務省 会議室(東京都千代田区)

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