入管法改正案の採決は見送り!「上川法務大臣は口では『外国人と共生する社会』などと言っているが、そのための何の仕組みもない」田中宏・一橋大学名誉教授~5.7入管法改悪に反対する緊急アクションシットイン リレートーク 2021.5.7

記事公開日:2021.5.8取材地: テキスト動画
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(取材、文・浜本信貴)

 2021年5月7日(金)、正午より、東京・千代田区の衆議院第2議員会館前にて、NPO法人移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)の主催により、「入管法改悪に反対する緊急アクションシットイン リレートーク」が行われた。

 シットイン(座り込み)は午前9時から開始され、同日開催の衆院法務委員会と並行して実施された。

 そして、法務委員会が中断された正午から午後1時までの時間を使って、入管問題の識者・関係者らがそれぞれスピーチをするリレートークが行われた。

 リレートークのトップバッターとなった一橋大学名誉教授の田中宏氏は自身のスピーチの中で、次のように述べた。

 「さっきから(衆院法務)委員会の話を聞いていて、『入管』、『入管』って言っているが、1969年から1974年までの間に、4回、入管法改正案が国会に提出された。

 そして、この法案に反対する激しい入管法(改正)反対運動が行われ、その時に『管理とは何事か!生身の人間を管理するとは、何事か!』という強い批判が出て、民間運動が行われ、とうとう政府が4回目に出した1973年の法案は『出入国法』となり、『管理』がなくなった。

 ところが、野党も最近は不勉強で、法案名に『管理』が残っている。野党が出すときにはこの『管理』を外して、対峙するという姿勢が必要だ。(中略)

 もう一つ言うと、『出入国在留管理庁』、これを英語で言うと、『Immigration Services Agency』となり、これが正式な英語名称となる。少なくとも、『管理』という言葉はどこにもない。しかも、Servicesだ。移民の人々に対するサービスをする役所、という意味である。ここにも大きな嘘がある。外に対しては『管理』という言葉を使わない。(中略)

 日本の法務省は『外国人を取り締まる』仕事だけを一生懸命にやっている。法務大臣も口では『外国人と共生する社会』などと言っているが、そのための何の仕組みもない。

 お隣の韓国には、『在韓外国人処遇基本法』という法律がある。日本の法務省も『在日外国人処遇基本法』を作らなければならない」

 田中氏のスピーチを受けて、他の識者、関係者、そして当事者からのスピーチが続いた。

 この日の衆院法務委員会での入管法改正案の採決は見送られる結果となった。しかし、政府・与党は今国会中には成立させる構えであり、今後も注視が必要である。

 各氏による、入管法改正案反対スピーチの一部始終は全編動画にてご確認ください。

■全編動画

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