日本生まれのペルー人高校生が家族を強制送還させられる恐怖を訴え! クルド人青年は入管係官に「勉強しても無駄だ」と侮蔑された苦痛を告白!――4.22入管法改悪反対! 緊急院内集会 ~移民・難民の排除ではなく共生を 2021.4.22

記事公開日:2021.4.22取材地: テキスト動画
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(取材、文・千浦僚)

 2021年4月22日(木)12時より参議院議員会館にて「入管法改悪反対! 緊急院内集会 ~移民・難民の排除ではなく共生を~」が開催された。

 主催の「入管法改悪反対!緊急院内集会」実行委員会は、「長期収容の原因に対処することなく、難民申請者の送還を可能にするなど、日本で共に暮らす移民・難民の 排除につながるこの法案に対して、市民社会から多くの反対や懸念の声が寄せられています。この入管法『改悪』に反対し、移民・難民とともに暮らす社会に向けて訴えるため、院内集会を開催します」と呼びかけ、近く国会審議が行われる「出入国管理及び難民認定法を一部改正する法律案」への反対を表明した。

 掲げられた「改正入管法案に対する共同声明」には「NPO移住者と連帯する全国ネットワーク」「全国難民弁護団連絡会議」「日本カトリック難民移住移動者委員会」「入管問題調査会」「全件収容主義と闘う弁護士の会 ハマースミスの誓い」「NPOヒューマンライツ・ナウ」が名を連ねる。

 まず、入管法改正の背景と課題について、弁護士の児玉晃一氏による解説が行われた。

 その後、イラン、ミャンマー、ペルー出身の方々、幼少期より日本で暮らすクルド難民の青年、長崎県の大村入国管理センターで被収容者のために活動する長崎インターナショナル教会の柚之原寛史牧師から、日本における入国管理の実態報告と訴えが続いた。

 日本生まれ日本育ちのペルー人高校生は、かつて父親を強制送還されており、現在は母親が同様の措置を受けることを明らかにし、家族が引き裂かれることに怯えていると訴えた。

 また、クルド人青年は入管の係官に、「君がいくら努力し、勉強しても無駄だ」と告げられたことなどを語った。

 その他、集会では「入管法改正案への反対世論」というプログラム名で、安藤真起子氏(NPO移住者と連帯する全国ネットワーク)、赤阪むつみ氏(なんみんフォーラム)、丸山由紀氏(日本弁護士連合会)、樋口利紀氏(アムネスティ・インターナショナル日本)、瀬戸大作氏(反貧困ネットワーク)が、それぞれの活動団体の観点から、この改正の問題点を明らかにした。そこでは、この入管法改正に人権面から違法性があり、国際的にも非難されるものであることが説明された。

 また、これらのプログラムの合間に、改正反対に連帯する国会議員らの挨拶、意見表明が行われた。

 最後に「移民・難民の排除でなく共生を」と題して、大橋毅氏(全国難民弁護団連絡会議)と鳥井一平氏(移住連 代表理事)が講演をおこなった。

 鳥井氏は、「このタイミングでこの法改正が行われようとすることは、オリンピック関連の建設なども過ぎての外国人労働者切り捨てではないだろうか。80年代、入管法の力が弱かった時代こそが日本に活気があり、外国人との共生が進んだ時代であった。現在はそれに逆行している。日本は世界に恥ずべき社会になりつつある」と訴えた。

 会見の詳細は、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。

■全編動画

  • 記者会見発言
  • 団体:全国難民弁護団連絡会議、移住者と連帯する全国ネットワーク、なんみんフォーラム、アムネスティ・インターナショナル日本、反貧困ネットワーク、当事者:ミャンマー出身の方(予定)
  • 日時 2021年4月22日(木)12:00~13:30
  • 場所 参議院議員会館 講堂(東京都千代田区)
  • 主催 「入管法改悪反対!緊急院内集会」実行委員会(詳細)

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