2018年7月26日、一連の「オウム真理教事件」で死刑が確定した元教団幹部ら6人の死刑が執行された。7月6日に元教団代表の「麻原彰晃」こと松本智津夫元死刑囚をはじめ7人の死刑が執行されたのに続くもので、教団の13人の死刑囚全員の刑が同じ月に執行されたことになる。
- オウム元幹部ら6人の死刑執行 13人全員、同じ月に(毎日新聞、2018年7月26日)
7月26日、死刑が執行されたのは仙台拘置支所(仙台市若林区)に収容されていた小池(旧姓・林)泰男死刑囚、東京拘置所(東京都葛飾区)に収容されていた端本悟死刑囚、豊田亨死刑囚、広瀬健一死刑囚、名古屋拘置所(名古屋市東区)に収容されていた宮前(旧姓・岡崎)一明死刑囚、横山真人死刑囚の6人。
死刑執行翌日の7月27日、法務省で、上川陽子法相の定例会見がおこなわれた。今回も7月6日の死刑執行と同じく、法務省から主要メディアへ、死刑執行に関する事前のリークがあったため、26日早朝から各拘置所には報道陣が続々とつめかけた。リークした国の思惑通りにテレビが「速報」として「今、誰が処刑された」と伝える報じ方は間接的な公開処刑そのものであり、国家に権力に歯向かう者は最終的にはこのような目にあうという強い脅しのようにも受けとれた。
しかし、この日の上川法相の定例会見の場で、この残りの6人の死刑執行をなぜ決断したのか、海外から批判があったがどうお考えか、といった批判的観点からの質問を口にしたマスメディアはひとつもなく、死刑を執行する国家権力とマスメディアが共感関係にあると感じさせる「異様」な会見となった。