IWJの質問が口火を切る!収容中に死亡したウィシュマ・サンダマリさんの監視カメラ映像の公開を要求した質問を皮切りに、各社の映像非開示に対する追及が集中!~5.28上川陽子 法務大臣 定例会見 2021.5.28

記事公開日:2021.5.28取材地: テキスト動画
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(取材、文・渡会裕)

 5月28日、上川陽子法務大臣会見が開催された。IWJ記者は、東京新聞の望月衣塑子記者の次、2番目に指名された。

 IWJ記者が監視カメラ映像の公開についてただしたところ、上川大臣は非開示の答弁をした。そのため、神奈川新聞、東京新聞が続いて非開示の理由を追及し、さながら映像公開を求める会見の様相を呈することとなった。

 以下にIWJ記者の質疑と上川大臣の答弁を紹介する。

IWJ記者「インディペンデント・ウェブジャーナル、IWJの渡会です。

 東京新聞さんのご質問に関連して伺おうと思うのですけれども、ウィシュマ・サンダマリさんの件について伺います。

 今国会で成立が目指された入管難民法改正案が5月18日に断念されました。しかし、ウィシュマさんの死を巡る問題はまったく解決されていません。

 20日の参院法務委員会で、上川大臣は、施設内の監視カメラ映像の公開について『保安上の観点から公開は適切ではない』と述べられ、開示に否定的な立場をとられておられますが、入管に収容されている間に、ウィシュマさんに何が起こったのかを解明し、事件の全容を知るためには、監視カメラ映像の公開こそがもっとも適切な選択肢ではないでしょうか?
 
 上川大臣は、2020年9月17日の法務大臣就任に当たっての大臣訓示の中で、菅総理からの6つの指示について触れられました。その中には、『きめ細かな人権救済の推進』、そして『「世界一安全な国、日本」をつくるための施策の推進』という指示が含まれており、上川大臣はこれらの課題について、『重要かつ喫緊の課題であると認識しており、具体化に向けて,迅速かつ着実に取り組みたい』と述べておられます。

 『世界一安全な国、日本』を実現させるためには、言うまでもなく、そこに暮らす『日本人』のみではなく、あらゆる形で日本を訪れる『外国人』の人権も含めて保護・尊重されなければならないことは言うまでもないことではないでしょうか?

 それとも治安機関・組織に関わる者の保身という意味で『世界一安全な国』とおっしゃったのでしょうか?監視カメラ映像が公開されない理由が、『保安上の観点』と言いますが、それは、上は、法相ご自身から下は入国管理局の現場職員に至るまでの保身と地位保全上の安全を言っているようにしか聞こえません。それは、人ひとりの命より大切なものなのでしょうか?

 小役人のあざとい保身のような答弁を法務大臣が続ければ、日本という国の信用がますます落ちていきます。

 上川大臣、日本は世界の人々が注目する五輪を開こうとしている国のはずです。現代はグローバルな時代です。全世界が上川大臣の回答を見ています。誠実なお答えをお願いいたします」

上川法務大臣「只今約1ページにわたりましてご意見を賜りました。

 あの、そうしたご意見につきましても私自身は謙虚に受け止めさせていただきたいと思います。何より大事なのは真相究明であると考えておりますので、今まさに最終報告書の作成に向けまして、様々なご指摘を中間報告以降頂いたことも含めまして、今対応している状況でございます。

 なるべく速やかにこの最終報告書の作成と公表に向けまして指示をしているところでございますので、そうした中でまた、今のようなことをおっしゃっていただいたことではありますが、私自身はそういう姿勢で、これまでも、またこれからも臨んでまいりたいと思っております。

 もとより人権は非常に大事なことでありまして、まあ今日ここでこうして皆さん居らっしゃいますが、皆さんお一人お一人と本来ならば一対一で、ということもあろうかと思いますが、共同の記者会見という場の中で、ご質問に対して私自身は、誠実にお答えさせていただいてまいりました。

 人権ということについても、これは人権の尊重する、尊重しないということだけでイエスかノーかというレベルの話ではなくて、本当に内心の意識に深くかかわることであるという風に考えております。

 言葉で言っても内心にそうしたものがあるとするならば、いろいろな形でそのことについて、子供の時からもそうですけれども、考えていくということが大事だと思っておりまして、その意味で今回いろいろな形でご指摘いただいた事も、私自身は深く受け止めさせていただいてまいりましたし、これからもそうしてまいりたいと思っております。

 ビデオのことについてお触れをいただきまして、今、ビデオ開示につきましては保安上の観点からの取り扱いということでございますが、慎重に検討を要するということであります。

 情報公開法に基づく、法のルールに基づいて開示する、開示しない、ということがございまして、この種のことについては開示については非開示という扱いをさせていただいているところであります。

 また、亡くなった方の名誉、また尊厳の観点からも慎重な配慮を要するのではないかという風に考えておりますし、また、今まさに最終報告に向けましての、客観的な調査検討を第三者の方にも入って頂きながらお願いをしているところでありますので、これまで三つのことについて私自身申し上げてきたところでもありますけれども、改めて今のような判断の中で、相当ではないと考えているということを改めて申し上げたいという風に思っています」

 監視カメラ映像の公開を求める望月衣塑子記者、神奈川新聞記者の質疑も含め、詳細は以下、全編動画で御覧ください。

■全編動画

  • 日時 2021年5月28日(金)10:40~
  • 場所 法務省 19階 会議室(東京都千代田区)

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