川内原発、穴だらけの「審査合格」 福島原発事故の教訓は活かされたのか?!~規制委審査書案発表に異議 2014.7.16

記事公開日:2014.7.16取材地: テキスト動画
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(IWJ・ぎぎまき)

 7月16日、原子力規制委員会が優先的に審査を進めていた、九州電力・川内原発の新規制基準適合性審査について、原子力規制委員会は「合格」にあたる審査書案を公表した。同日14時から、「原子力規制を監視する市民の会」のメンバーや専門家が共同記者会見を開き、これに強く抗議。規制委が出した審査書案を元に、その問題点を挙げた。

 川内原発周辺には、過去に巨大噴火を起こした火山が集中していることから、規制委が火山の影響をどう評価するのか注目が集まっていた。500度を超える火砕流が原発に到達すれば、原子炉施設を防御することは不可能であり、壊滅的な被害につながるからだ。これについて、「市民の会」の阪上武氏がいくつかのポイントを指摘した。

記事目次

■ハイライト

  • 発言者
    阿部知子(原発ゼロの会事務局長)
    井野博満(東京大学名誉教授、柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会代表)
    筒井哲郎(プラント技術者の会) 伴英幸(原子力資料情報室共同代表)
    上原公子(脱原発をめざす首長会議事務局長、元国立市長)
    佐藤和雄(脱原発を目指す首長会議事務局次長、元小金井市長)
    満田夏花(国際環境NGO FoE Japan理事) 阪上武(原子力規制を監視する市民の会)
    井上年弘(さようなら原発1000万人アクション事務局長) 上岡直見(環境経済研究所)
  • 日時 2014年7月16日(水)
  • 場所 衆議院第一議員会館 第3会議室

火山リスクを棚上げ

 規制委が定めている「火山影響評価ガイド」では、原発の運用期間中に巨大噴火が生じる可能性について、その可能性が十分に小さいとする根拠を示すよう求めているが、議論もほとんどないままに、規制委はこれを素通りさせた。また、火砕流の到達に備え、事前に核燃料を搬出する必要があるが、これには数年を要するとされている。事前に噴火の規模と時期を予測することは可能なのか。規制委はこの点について中長期的な課題として棚上げし、具体的な対処基準も示さなかった。

 他方、政府は、噴火の時期の予測は困難であることを質問主意書に対する答弁書の中で認めており、日本大学・火山学専門の高橋正樹教授においては、予測は「不可能」であると主張。高橋教授以外の火山学の専門家についても、これまで危険性を指摘してきたが、規制委は最後まで専門家に意見聴取することはなかった。規制庁・規制委に火山の専門家が一人もいないのに、である。

 他にも、福島第一原発で現在進行形の海洋への汚染水放出については審査書案では一切触れられていない点や、重大事故時の格納容器破損や水素爆発の可能性についてもクロスチェック解析が行なわれていないことが挙げられ、「福島原発事故の教訓が十分に反映されているとは思えない」「合格ありきだったのでは」とする批判が相次いだ。

避難できない「避難計画」

 もう一点、会見の中で重要視され、問題的されたのが「避難計画」についてである。

 適合性審査と事故時における避難計画は、本来、「車の両輪」である。かつては、規制委の田中俊一委員長もそう発言してきた。しかし、田中委員長は「法的な関連性はない」と、その後、事実上発言を撤回。今回の審査書案でも住民避難における防災対策については一切触れられていない。

 新規制基準に適合したからと言って、原発事故が起こらないわけではない。規制庁自身もそう断言している。であれば、避難計画は国民の命を守る上で欠かせない安全対策であるはずだ。にも関わらず、避難計画をチェックする機関は今、日本にはない。ちなみにアメリカでは、避難計画は規制の対象に含まれ、稼働前にはNRCの認可を受けることになっている。

 住民の避難計画を軽視する体制に、前小金井市長の佐藤和雄氏は「再稼働に前のめりなのでは」と指摘した。

(…会員ページにつづく)

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「川内原発、穴だらけの「審査合格」 福島原発事故の教訓は活かされたのか?!~規制委審査書案発表に異議」への1件のフィードバック

  1. @HatCapさん(ツイッターのご意見より) より:

    原発を動かすということは、人類の未来を抵当に入れて私腹を肥やすようなもの。そんな権利、誰にもありません。

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