作家・大江健三郎氏などが呼びかけ人となっている「さようなら原発1000万人アクション」の実行委員会が7月9日、代々木公園で「川内原発再稼働を許さない! さようなら原発7.9緊急集会」を開いた。
ルポライターの鎌田慧氏は集会で、「秋にも再稼働するという川内原発は免震重要棟がなく、事故が起きた場合に事故対処する場所もない」と指摘。「それでも再稼働する。免震重要棟は、来年秋に完成するというのに。原発も戦争もそう。集団的自衛権で米国の戦争に加担する。我々は、利益ばかりで、人の命を考えない社会に生きている。こういう社会は認められない」と訴えた。
作家の落合恵子氏は、「福島の10万人以上の避難者への補償は遅々として進まない。集団的自衛権でも、私達の声には立ち止まらなかった」と政府を批判。「集団的自衛権がどのように流布されていくか、過程をよく見ていこう。原発では安全神話が流されたように、原発が踏んだ過程と同じ道を辿ると思う」と分析する。
落合氏は、自衛権発動の新3要件として政府が打ち出した項目のひとつ、「日本への武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」に触れ、「『国民の生命』などと言われたくない。この国の国民を危機に晒しているのはお前らだと言いたい」と厳しく糾弾した。
雨の降る中、集会には約250名が参加した。参加者らは、「原発いらない」「電気は足りている」「再稼働反対」とシュプレヒコールを上げ、渋谷の町をデモ行進した。
物理的に起きる可能性がある事故が絶対に起きないということは絶対に有りません。これは自然科学であり物理現象なので、誰が何を考えても誰が何と発言しようが結論は変わりません。政府や電力会社が権威だと信じる肩書きをつけた人が何と発言し、その発言を根拠に政府の人間や電力会社の人間が安心しても結果は変わりません。
「利益ばかりで、人の命を考えない社会に生きている。こういう社会は認められない」
落合さん、上原さんたちの心打つ演説。