再稼働の前提となる新規制基準適合審査が原子力規制委員会で行われている九州電力川内原発について、「川内原発の火山リスクを考える集会実行委員会」は4月16日、鹿児島大学准教授の井村隆介准教授を招き、原発の審査を科学的な知見から検証するための勉強会を開催した。
(IWJ・松井信篤)
再稼働の前提となる新規制基準適合審査が原子力規制委員会で行われている九州電力川内原発について、「川内原発の火山リスクを考える集会実行委員会」は4月16日、鹿児島大学准教授の井村隆介准教授を招き、原発の審査を科学的な知見から検証するための勉強会を開催した。
記事目次
■ハイライト
冒頭、実行委員会の一人である阪上武氏が、川内原発における火山影響評価に関する審査の現状を説明した。阪上氏によれば、川内原発の審査チームには火山学者が入っておらず、火山のリスクが十分に議論されていないのが現状であるという。一方、九州電力は、川内原発の運用期間中に、破局的な噴火が起こる可能性は低いと主張している。
仮に、噴火による火砕流が原発に届くような事態が想定されれば、新規制基準では立地不適となり、火山灰の影響評価について時間をかけて検討することが定められている。
新規制基準は、火山灰に対する防護措置を各電力会社に要求しているが、これについて九州電力は、「桜島薩摩噴火」と同規模の噴火を想定しており、敷地内に15センチの火山灰が降り積もった場合、除灰やフィルタの取替・清掃を実施するとしている。
(…会員ページにつづく)
現役の学者からは声を上げにくい中、公共性を考えて危険性を訴える井村准教授。これぞ、学問と学者のあるべき姿ではないか。