2014年3月13日(木)18時ごろより、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。九州電力川内原発1、2号機を優先して審査する方針が決まったことについて、田中委員長は、「立地適合性があるかどうかだ。川内はクリアできた」と、優先審査するに至った判断理由を述べた。
2014年3月13日(木)18時ごろより、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。九州電力川内原発1、2号機を優先して審査する方針が決まったことについて、田中委員長は、「立地適合性があるかどうかだ。川内はクリアできた」と、優先審査するに至った判断理由を述べた。
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13日の午前に開かれた委員会で、九州電力川内原発1、2号機を優先して適合性審査を進める方針が決まった。
優先するプラントを決めるにあたって、田中委員長は次のような考えを示した。
「新しい規制基準に対して、事業者も、規制当局側も初めての対応となる。事業者からの申請や対応に、規制当局がどのように判断したのか、どのように対応したのかを明確にする。それらの判断基準を、規制当局の職員が共有する必要がある。
そこで、一つのプラントを選び、重点的に審査を行い、判断結果をまとめた『審査書案』を作る。案の作成には時間と人手がかかるが、一度できてしまえば、次回からは素早く進むため、全体でみると速く円滑に進むのではないか。そのような期待も織り込まれている」。
当面、川内原発を優先するが、課題や審査項目はまだ残っているという。もしこれからの段階で手間取ると、また何が起こるか分からない。「今の段階でいろいろ細かいことを申し上げることはできないし、申し上げるべきじゃない」と田中委員長はコメントした。
川内原発を優先することに決めた理由は何か。「立地適合性があるかどうかだ。地震、津波に対して川内はクリアできた」と、田中委員長は言う。疑わしいものはきちんと明らかにしていくことが基本原則だ。他のサイトのプラントも、最終的には立地の問題にかかってくる。
一方、活断層の問題はないのだろうか。会見で田中委員長は「そこは島崎邦彦委員がきちんと見た」と答えた。
火山の問題に対しては、大きく「火山灰」と「火砕流」を考慮する必要がある。火山灰が積もる、あるいは火砕流が届くなどの事態に対して、「川内原発は対応が可能な設計になっており、立地不可能ではないという判断をした」という。
ただし、火砕流など火山活動は予兆があるため、きちんと観測を行うということが前提になっている。火砕流の予兆判断は、火山予知連、気象庁、大学等と協力して進めているが、具体的にどう進めるのかについては、もう少し詰める必要がありそうだ。