川内原発1、2号機、優先して適合性審査書案作成へ~第46回原子力規制委員会 2014.3.13

記事公開日:2014.3.13取材地: テキスト動画
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 2014年3月13日9時30分より、第46回原子力規制委員会が開催された。九州電力川内原発1、2号機について、優先的に申請の補正と審査書案の作成の準備に入ることが決定された。

■全編動画

  • 日時 2014年3月13日(木) 9:30~
  • 場所 原子力規制庁(東京都港区)

議題 1 放射線審議会委員の任命について

 放射線審議会の委員の選定方法について、3月5日開催の第45回の委員会で議論された。その結果を踏まえて、具体的な候補者名を挙げ、任命について議論した。

 事務局から8名の候補者が挙げられ、専門分野や略歴が説明された。

 中村佳代子委員は候補者一覧を見て、「学識経験者であり、専門性は担保されている」とコメント。審議会の委員の定員は10名だが、候補者はそれより少ない8名であることに対し、「少数先鋭で進め、不足しているようなら、候補者から推薦を受けて検討すべき」と述べ、必要に応じて、委員を増やしていくという考えを示した。

 候補者の選定については、特に異論はなく、本人の内諾も得られているということで、示された候補者で発足することが承認された。

議題 2 新規制基準適合性審査の状況について

 島崎邦彦委員、更田豊志委員より、新規制基準適合性審査の状況について、報告があった。2月19日開催の第43回の委員会で、田中俊一委員長より、「プラントの審査状況を見極め、2~3週間後を目処に、先行して今後のひな形となる審査書案を作成するプラントを判定したい」と提案があった。それから3週間目にあたる今日、先行プラントを判定する議論が行われた。

 地震・津波・火山の審査状況について、島崎委員から報告があった。川内原発1、2号機については、基耐震設計方針と耐津波設計方針がすでに審議を完了し、クリアになっているが、基準地震動、基準津波が申請とは異なる値になることが決まっており、新基準にもとづいて審議することが必要だと説明した。

 一方、泊3号、大飯3・4号、高浜3・4号、伊方3号、玄海3・4号は、いずれも基準地震動、基準津波ともに未審議である。審査の前に、まず基準値を決めることが必要な状態だ。

 田中委員長が「大きな審査項目としてクリアできたのは、川内1号・2号という理解でいいか」と質問があり、島崎委員はこれを肯定した。

 更田委員は、挙げられた6プラントについて、審査を進めている設置変更許可、工事計画の認可、保安規定の認可について、プラント間で大きな差はないと報告。さらに、川内原発の事業者である九州電力の重大事故対策に対する取組み、姿勢は十分に満足できるものだという考えを示した。

 田中委員長は以上の議論を踏まえ、川内1、2号機について、まず申請の補正と審査書案の作成の準備に入ることを提案。これに異論はなく、承認された。

議題 3 京都大学研究用原子炉(KUR)に係る現状確認について

 新規制基準の適合確認が完了までの間でも運転を可能とする施設等の確認をするもので、2月6日に京都大学より京都大学研究用原子炉(KUR)の現状確認の報告があり、事務局にて評価した結果を委員会に報告した。

 事務局より、6月に予定されている定期検査までの間、運転出力、運転間隔等を制限した前提で、安全上特段の問題を生じるものではないと確認したことが報告された。

 更田委員は、京大から出されている報告書は、「保守的評価、噛み砕いて言うと、どんなに悪く見積もってもこの程度ですよ、基準はクリアしてますよという評価だ」、「全てのところで悪く見積もっているので、実力がわからない」と苦言を呈した。さらに、「実力がわからないということは、弱点もわからない。できるだけ正確な実力評価を行い、余力がどれくらいかをみるのが本来の姿だ」とコメントした。審査する側も、保守的評価に頼ることを改めるよう努力し続けなければならないという趣旨である。

 中村委員は、「KURはかなり古いシステム、高齢者を昔の健康診断の方法でみているようなものだ。きちっと見ないと、プロとしての信頼性を損なうものだ」とコメント。

 田中委員長は、「規制サイドが実績主義の傾向があったが、大学だからできるだけ最新の知見を入れて評価していくよう指導してほしい」とコメントした。さらに、「待機中であり、医療用照射等に使われていることから、あまり細かいことは言うつもりはない、安全上のことだけきちんとみていけばいい」との考えを示した。

議題 4 米国出張報告について

 米国出張から今朝帰国した更田委員から、米国規制委員会(NRC)との情報交換会などについて報告があった。

大島委員 出張予定

 来週オランダで開催される”核セキュリティサミット”に先立つ国際シンポジウム、再来週に、3年に一度開催されるIAEA主催”原子力の安全に関する条約のレビュー会合”に大島賢三委員が出席する予定が発表された。

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