2014年3月5日10時30分より、第43回原子力規制委員会が開催された。JNES統合後、初の規制委員会であり、組織構成の変更により委員会に出席する幹部のメンバーが変わった。2013年3月11日から2014年3月10日までの一年間の取組みに関する取りまとめ案が示され、最終稿は3月11日にホームページで公表されることが報告された。
2014年3月5日10時30分より、第43回原子力規制委員会が開催された。JNES統合後、初の規制委員会であり、組織構成の変更により委員会に出席する幹部のメンバーが変わった。2013年3月11日から2014年3月10日までの一年間の取組みに関する取りまとめ案が示され、最終稿は3月11日にホームページで公表されることが報告された。
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放射線審議会の委員の選任についての考え方を事務方がまとめ、委員に提案あり、議論が進められた。委員は10人程度とすること、いろいろな専門分野から選任すること、透明性・中立性を保つため、府省出身者や原子力事業者からは原則選任しないことが提案された。
中村佳代子委員は、広い専門分野からプロとして科学者、技術者としての意見をもらえるよう配慮すること、その意見を尊重すること、行政府庁の駆け引きにとらわれないよう考慮するようにとコメントした。
更田豊志委員は、放射線審議会が原子力規制委員会からは独立した機関であり、事務局は委員会と共通に規制庁がつとめるが、独立性、振る舞いには注意すべきとコメント。さらに、比較的少人数で広い分野の議論を行うが、審議会委員の追加は柔軟に考えたほうがよいと発言した。
田中俊一委員長は、「福島の事故を受けて、放射線防護に関して、いろいろな基準がバラバラに出ており、国際スタンダードとしても異常。海外から日本はオカシイと思われている。また、放射線利用は医学のほか産業に幅広く使われており、それらを阻害せず、ALARAの精神でやってほしい」とコメントした。
提案への反論、異論はなく承認され、放射線審議会の委員選任は、提案に沿った方向で進められる。具体的な選任、名前などの公表は、今後の委員会で議題に挙がるものと予想される。
原子力規制委員会設置法の成立の際に、参議院の付帯決議として、毎年3月11日に一年間の取組みについてまとめ、公表することが決められている。2014年も3月11日にホームページ上で公表するための案が提示された。
2013年3月11日から2014年3月10日までの取組みについて、「原子力行政に対する信頼確保に向けた取り組み」「原子力施設の安全確保に向けた取り組み」「危機管理体制の整備及び事故時の影響緩和にに関する取組み」についてまとめられた。さらに、委員会の開催実績、委員会の決定事項、適合性審査会合の開催状況、全国の原発の検査等結果などが一覧にとりまとめられている。
田中委員長は、「こうしてまとめてみると、想像を絶する仕事をしてきたという感じがする」と感想を述べた。
大島賢三委員は、”核セキュリティに係る取組み”と”保障措置に係る取組み”の章立ては適当な場所に変えた方がいいのでなないかとコメント。さらに、4号機の燃料取出しについて、IAEAから”評価された”、国際的に”評価された”ということを書くのはバランス欠ける。総括的なコメントを書くなら、末尾に『まだまだ多くの課題を抱えている』ということ書いたほうがいいと発言した。
更田委員は、「中央の発想で書かれている。日常的には、地方職員の活動が大きい意味をもっているので触れてほしい」とコメント。
池田克彦原子力規制庁長官は、委員からのコメントを反映するが、反映したものを次の委員会で承認を得るのでは遅いので、各委員から個別の了解を得る方法を提案し、これが異論なく了承された。
最終的な”原子力規制委員会の取り組み”は、3月11日に規制委員会のホームページに掲載、公開される。
2013年度の職員採用活動実績、および2014年度の職員採用活動方針について報告があった。
2013年度は、国家公務員試験合格者等33名、実務経験者として電力会社、原子力メーカー、大学、防災面に関わる防衛関係者等から29名を採用。さらに、独立行政法人原子力基盤機構(JNES)統合によるJNESから、3月1日に384人(短時間再任用を含む)を採用した。
これは、倍増に近い人員の増強となる。
2014年度の方針として、2015年4月採用予定者に向け、今年から「春の官庁訪問」を実施すること、原子力工学系職員採用試験を創設することや、研究職員を公募するなどの方針が示された。さらに、採用者には新設した人材育成センターで法令、技術面や、公務員としての心構えなどの研修を行う方針である。
更田委員から、研修は規制庁だけでなく、他機関と連携できるものは連携すべきとの提案があり、大島委員からは、規制庁全体としての人材育成計画もとりまとめ、報告してほしいとのコメントがあった。
■jaikoman氏によるツイート