2014年2月12日10時30分より、第42回原子力規制委員会が開催された。新規制基準適合性審査の状況について規制委に報告があり、「審査の先は見えてきた。進展状況だと理解して良い」と委員がコメントした。
2014年2月12日10時30分より、第42回原子力規制委員会が開催された。新規制基準適合性審査の状況について規制委に報告があり、「審査の先は見えてきた。進展状況だと理解して良い」と委員がコメントした。
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JNES(原子力安全基盤機構)の統合に伴い、2月3日付けでJNESに中期目標の変更を指示、それを受けてJNESから中期計画変更の認可申請があった。これを財務省で協議するために委員会にかけられた。
中期目標の変更を中期計画に反映するもの、2014年度以降に計画されていた事業を削除したことが主な変更点となっている。今後は、財務省の協議を経て、中期計画の変更を認可することになる。
法令に基づく事務的な内容が、事務方から委員会に報告され、特に意見はなく承認された。
議題1に伴うJNESの業務方法書の変更について、JNESから委員会へ認可申請があった。その認可を行うため、委員会で議論された。
議題1と同様、法令に基づく事務的な内容であるため、特に意見はなく承認された。
JNESの解散に関する法律の施行に伴い、関係政令の整備のため、三つの政令を制定し、関係政令の規定を整備するものである。解散に関する法律の施行日を2014年3月1日とし、規制庁/規制委員会の組織などを規定する政令を制定した。
こちらも法令に基づく事務的な内容であることから、特に意見はなく承認された。
3月1日にJNESを統合することにより、規制庁/規制委員会の組織体制が変更される。変更内容について、事務局から報告、説明するもの。
JNESの福島章理事は、「行政機関としての心構え、事務的準備などについて、引き続き統合に向けて準備を進めることとしている」とコメント。
大島賢三委員から「安全文化の醸成は誰が責任を持つか」「内部監査が必要」「外国の同様の組織では、きっちりとした内部監査体制がある」とコメントし、池田克彦原子力規制庁長官は、「安全文化は全ての部局に渡る問題」、更田豊志委員からは「横の連携が大事」、中村佳代子委員からは、新体制になり「縦割りの弊害が出てはいけない」とコメントがあった。
また、原子力安全人材育成センターを規制庁の外に設置したことについてコメントがあったが、概ね了承、3月1日からこの組織体制で発足することが了承された。
関西電力大飯発電所の敷地内破砕帯の現地調査等の結果や、事業者の調査報告書を踏まえ、有識者会合で取りまとめの検討結果が報告された。結果、F-6と呼ばれる破砕帯は「将来活動する可能性のある断層ではない」と結論づけられた。
検討結果は、
(1)新F-6破砕帯は、将来活動する可能性のある断層等には該当しない
(2)今後、新たな知見が得られた場合、必要があれば評価を見直す
(3)新F-6破砕帯以外の破砕帯や周辺断層は、別途、新規制基準適合性審査の中で十分な検討が必要
という、3つの結論を得た。
この結論により、大飯原発は次の新規制基準適合性審査(地震・津波)のステージへ進み、周辺活断層はそこで議論することになった。
2013年度第3四半期の保安検査の実施状況について、規制委員会に報告がなされた。
浜岡原発5号機で11月1日に生じた、待機状態のDG2台が1台だけになったというLCO逸脱は、「二つの単純なミスが重なったもの、注意をしなければいけない」と更田委員がコメント。さらに、東京電力の社長がコミットしなければいけないことに対して取組みが不充分なのは、明確に安全文化にかかわることであるため、東電の取組み、姿勢の把握を続けるよう指示した。
田中俊一委員長は、「東電は大きすぎるのか、社長が自らという意識があまりないみたいだ」と苦言を呈した。
2月6日に東京電力福島第一原発で発生した、水移送配管の差圧計ストレーナからのRO処理水漏洩について、東電と規制庁の対応について報告があがった。
規制庁は、現地保安官が状況を確認して、漏洩範囲、量の測定、土壌の回収を指示し、東電は汚染土壌の回収を完了している。規制庁は今後、東電が行う原因究明や再発防止策について確認することを予定している。
更田委員は、凍結で漏れたのか、フランジ部のOリングが適切な物を使用し、適切に組立てられているのかを調べるよう指示した。
新規制基準適合性審査の状況について、主要なプラントの審査、事業者から規制庁への資料提出状況や、審査状況について報告があった。
提出された資料に対して規制庁が指摘し、それに対する事業者からの回答を持って審査を進めることになるが、まだまだ多数の指摘があり、必要な試料がまだ提出されていない項目がある。
地震・津波・火山関係の課題について発表された。基準地震動については、
・敷地及び敷地周辺の地下構造
・震源を特定して策定する地震動
・震源を特定せず策定する地震動
の三項目の審査がクリアしなければ議論できないとし、いずれのプラントでも未審議となっている。
更田委員は、「大きな指摘は概ね事業者に伝えた。それに対する回答待ちの状態だ。保安規定に関する審査はこれを追うことになる」とコメントし、島崎邦彦委員は、「審査の先は見えてきた進展状況だと理解して良いという認識」、田中委員長は、「事業者から適切な回答が得られれば、審査も集結に向かうことができる」とコメントした。
議題終了後に田中委員長が「事業者のトップと会い、安全に対する考えを聞くことが大事だ。安全文化を醸成する取組みを、規制委としてプロモートしていきたい」と提案した。
「手始めとして、事業者自ら発信している”JANSI”を読んで、取組みについて考えを聞きたい。その後の取組みについては、今後相談して進めたい」との考えを述べ、意見を求めた。大島委員、更田委員がこれに賛同し、JANSIを呼び話を聞く予定となった。
■jaikoman氏によるツイート