2014年7月15日(火)14時から、原子力規制庁で片山啓審議官による定例ブリーフィングが行われた。優先審査対象として審査書案の作成が進められている九州電力川内原発の審査書案は、明日午前中の定例規制委員会の議題になることが判明した。
2014年7月15日(火)14時から、原子力規制庁で片山啓審議官による定例ブリーフィングが行われた。優先審査対象として審査書案の作成が進められている九州電力川内原発の審査書案は、明日午前中の定例規制委員会の議題になることが判明した。
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明日7月16日水曜日10時30分から開催される定例の規制委員会で、議題1として九州電力川内原発の審査書案が取り上げられることが発表された。
九州電力川内原発1、2号炉について、申請を受けている設置変更許可申請についての審査書案は一応完成し、次に技術的な意見募集(パブコメ)にかけるという段階に移る。これに合わせて、並行して平和利用観点であることから”原子力委員会”と”経済産業大臣”に諮問、意見を聞くという。これらについて、明日の委員会で議論される。
原子炉法上、許可をする時は、原子力委員会と経済産業大臣の意見を聞くという法定の手続きがある。パブコメと並行して、その手続きを行う。
川内原発の審査書案に関して、技術的意見募集をかけている段階で、地元からの要望があれば説明をするということを規制委員会で決めていた。しかし、現在のところ地元から要望がないため、”案”の段階で説明会を開く予定はないという。ただし、設置変更許可後の審査書全体の説明会は、今後地元と調整しながら考えていくということだ。
7月12日土曜日4時22分頃に福島県沖でM7の地震が発生し、福島第一、第二や女川原発では震度4を観測した。その際、5時10分に規制庁から緊急連絡メールの第一報が発せられたことから、緊急時の体制について、記者から質問があがった。
規制庁では地震の対応を、24時間365日体制、宿直交代制で危機管理体制をとっているという。
地震や津波に対するリスクの話、考えを聞きたいと、記者らは島﨑邦彦原子力規制委員長代理の単独会見を求め続けている。片山啓審議官は、「どういう節目が適切か検討したい」と答えるのみだ。
福島第一原発から20km以上離れた南相馬市の米から、基準値を超えるセシウムが検出された件で、昨年2013年8月に3号機の大型瓦礫を撤去した際、ダストが飛散した可能性が疑われたことから、農水省等が東電に対策を求めたことが報道されている。
本件に関連して規制委員会は、今年2014年の4月に”事業者面談”で東電に1号機の建屋カバー解体に際しての追加的な飛散防止対策と、飛散状況の監視体制の強化を求めているということが報告された。昨年8月から今年4月までの間に何か対策を行ったかどうかは、ブリーフィングの時点では回答がなかった。
「事実関係から言えば」と片山啓審議官は経緯を説明。昨年末ぐらいから年明けにかけて、農水省の方から、2013年産の玄米から放射性物質の基準値を超えたものが出た、という連絡を受けたのがきっかけだという。ただし、瓦礫撤去作業の実施と、基準超えの米など農作物が出たこととの”直接的な因果関係”は、「まだ明確になったわけではない」と考えていることを示した。
しかしながら、瓦礫撤去作業は今後もあり、その際に敷地の外まで放射性物質が飛散することは防ぐべきであるとして、4月に東電に対し「追加的に飛散防止措置をしっかり執るように」と指示したという。
モニタリングポストの計測値からの放出量の試算は、規制委・規制庁は行っていない。事業者に指示を出して、事業者が評価すべきだというのが規制庁の考えだ。
先月6月11日の規制委員会にて、国際アドバイザから書面で助言をもらうことになっており、それが届いたら委員会の場で報告し、公開することを約束していた。それが届いたため、明日の委員会で報告するという。