「人権に対する国際秩序を否定するのが橋下市長」 ~自民党の憲法改正案についての鼎談 第10弾 2013.5.28

記事公開日:2013.5.28取材地: テキスト動画独自
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(IWJ 大西雅明/IWJテキストスタッフ・関根/奥松)

特集 憲法改正|特集 前夜

 2013年5月28日(火)14時より、岩上安身、澤藤統一郎弁護士、梓澤和幸弁護士による「自民党の憲法改正案についての鼎談 第10弾」が行われた。改憲問題を議論する前に、橋下徹大阪市長の従軍慰安婦をめぐる発言が取り上げられた。

 戦争中の従軍慰安婦をめぐる橋下市長の発言は、大きな問題となり、2週間以上がたった今でも、収まりを見せていない。この日も、澤藤弁護士と梓澤弁護士が、橋下市長を強く非難した。

 橋下市長は、24日の外国特派員協会で行われた記者会見の中でも、「戦時においては、世界各国の軍が女性を必要としていたのではないか」などと、これまでと同じ説明を繰り返し、一方でメディアの報道を批判し続けている。

 梓澤弁護士は、まず国際的な人権に対する合意として「世界人権宣言」を挙げた。これは、第二次世界大戦後、人権侵害などが戦争や虐殺につながった、という反省から、世界平和を実現するために1948年の国連で採択された、世界共通の基準だ。

 「人権がないから、2つの大戦が起こった。人権がなければ、次の大戦がまた起こる。それが国際的な合意なんです」と梓澤弁護士は説明する。そして、「この国際的な秩序を否定しようとしている人物こそが、橋下市長であり、だからこそ、慰安婦に関する彼の発言には、世界中から激しい批判が集中したのだ」と強調した。

■イントロ

■ハイライト

  • 出演 梓澤和幸弁護士、澤藤統一郎弁護士、岩上安身
  • 日時 2013年5月28日(火)14:00~
  • 場所 東京都内

 自民党の憲法改正案についての鼎談第10弾は、憲法83条・財政から始める前に、橋下大阪市長の米軍慰安婦問題を取り上げた。「合法な風俗ならいい」と発言している橋下市長は、本番行為が行われていると言われる、大阪の飛田新地の飲食業組合の顧問弁護士であった。澤藤弁護士は橋下発言について、「歴史認識と女性蔑視という、2つの問題がある。橋下市長は、歴史認識を改めることも、女性全般への謝罪もしていないが、米国民には謝罪する。政治家や弁護士としての、倫理感の欠如は無視できない。飛田新地の件は、違法性を認識しながら、違法収益から顧問料をもらっただけでは、懲戒事由にはならないが、問題は、彼がどういう助言や業務をしたのかである」と、橋下市長を批判した。

 梓澤弁護士は「この2つの問題は、日本の保守主流派、つまり従軍慰安婦への責任をひっくり返そうとする勢力の一例だ。従軍慰安婦問題は、旧日本軍が組織的に関与した証拠が確認できたため、1993年の国連人権会議や、1995年の北京女性会議で取り上げられた」と話した。岩上が「稲田朋美行革相は、先日の記者会見で『慰安婦は戦時中は合法だった』と発言した。何をもって合法なのか。平沼赳夫氏などは、戦時売春婦だった、と言っている」と付け加えた。澤藤弁護士は「橋下市長や稲田行革相などの発言は、被害者ではなく、経営者の目線だ」と指摘した。

 梓澤弁護士は「戦後の人権擁護体制では、『人権がなければ、次の戦争が起こる』というのが国際的な合意。橋下市長は、これを否定するかのごとく、『みんなが言わないんなら、俺が言ってやる』と。そうしたら、世界中から反撃された。国際政治は、国際NGOと共存している。アムネスティ・インターショナル、アメリカのヒューマンライツ、IBA(国際弁護士協会)などが、世界の秩序を作ろうとしている。彼らには、橋下市長の発言は、かつての満州事変のような、日本の国際連盟脱退を彷彿させたのではないか」と話した。

 続けて「今日の産経新聞の中に、憲法改正の世論調査の結果が出ていた。96条の発議要件を、3分の2から過半数にすることについて、賛成が32.3%、反対が52%。前回と比べて、賛成が9.8ポイント落ちている」と述べた。梓澤弁護士は「その時の激情によって左右されず、少し時間をもって熟慮することが必要だ。日本維新の会は、どんどん支持率を下げている。それは人々が熟慮し、時間が経つにつれて、化けの皮がはがれたからだ」と話した。

 憲法83条・財政について、の遂条に移った。澤藤弁護士は「自民党は、ここはあえて変えようとしてはいない。福祉国家的理念が入ってもいいが、それもない」。梓澤弁護士が「『財政の健全性は、確保されなければならない』という新しい文言を挿入して、財政の黒字指向を示しているのは、どうか」と尋ねると、澤藤弁護士は「憲法は大原則を書くべき。そう考えると、この第2項は書かない方がいい。租税法律主義とだけすればいい」と答え、86条・予算、87条・予備費に移った。自民党の草案では、新設条項に補正予算の定義を書き込んでいるが、それらに対し、岩上と両弁護士は、特別な意図を解読できなかった。

 88条・皇室財産、89条・公の財産の支出、の遂条に移った。澤藤弁護士が「新憲法は89条を2項に分けた。1項は宗教団体の財産。2項は、それ以外の公金の使途、にしている。ここは、新憲法20条新設第3項『国及び地方自治体その他の公共団体は、特定の宗教のための教育その他の宗教的活動をしてはならない。ただし、社会的儀礼又は習俗的行為の範囲を超えないものについては、この限りでない。』とセットで、玉串料などを正当化できる」と指摘した。

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