2023年6月20日午前10時より、東京都千代田区の法務省にて、齋藤健法務大臣の定例会見が行われた。
IWJ記者は、6月9日に成立した改正入管法に関して質問を準備して会見に臨んだが、指名されず、残念ながら質問をすることはできなかった。
改正入管法については、会見の最後に、『東京新聞』の望月衣塑子記者が、指名を受けぬまま、齋藤大臣に直接、「難民審査参与員制度の見直し」について質問する場面もあった。
通常国会は、6月21日に閉会となるが、入管法改正案をはじめ、法務省が提出した9つの法案は、すべてが可決された。
- 国会提出主要法案第211回国会(常会)(法務省)
会見で、これら法案の審議内容についての所感を求められた齋藤大臣は、次のように述べた。
齋藤大臣「今回におきましては、9件の法務省関連法案などについて、長時間にわたり熱心にご審議をいただき、提出した法案すべてについて成立をさせていただきました。
今国会における、衆議院と参議院の法務委員会の開催回数は合計43回でありまして、その審議時間は合計145時間ほどでございました。これは、昨年の通常国会の法務委員会よりも、審議時間では57時間ほど長かったとのことであります。
今回成立させていただいた法律はいずれも重要なものであり、国会の過程でもさまざまなご議論いただきましたし、法案の修正や附帯決議もございました。
それらをしっかり踏まえて、適切に対応していきたいというふうに思っています」。
齋藤大臣は、今国会での法務委員会の審議時間が合計145時間ほどで、昨年より57時間長かったと主張しているが、昨年の通常国会への法務省の提出法案は5本。単純に比較しても、1本あたりの審議時間は昨年より短くなっている。
ましてや、入管法改正案の審議では、参院法務委員会で、難民認定の不服審査における難民審査参与人に対する案件の割り振りが、一部の担当者に極端に集中していたことも発覚し、立法事実そのものを揺るがしたのである。
入管法改正案が、衆議院と同レベルの審議時間を確保したことのみを理由として、法務委員会で強行採決されたことは、強く批判されるべきであろう。
齋藤大臣の詭弁ともいえる発言は、今後命の危険にさらされることにもなりかねない多くの在留外国人にとって、その尊厳を踏み躙るものではないだろうか。
定例会見の詳細は、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。