2023年5月12日午前9時30分頃より、東京都千代田区の法務省にて、齋藤健法務大臣の定例記者会見が行われた。
IWJ記者は、ジャニーズ事務所の故・ジャニー喜多川氏による所属タレントへの性虐待の問題についての質問を準備し、会見に臨んだが、指名されず、残念ながら質問はできなかった。
質疑応答での各社記者からの質問の大半は、5月9日に衆院を通過し、5月12日から参院本会議で審議入りとなっている「入管難民法改正案」についてのものだった。
齋藤大臣は、同法案が衆院を通過し、参院本会議で審議入りすることについての受け止めと思いを、以下のように述べた。
「この法案は、保護すべきものを確実に保護した上で、在留が認められない者については迅速に送還可能と、こういうことが一つ。
それから、もう一つは長期収容、これを解消し収容する場合であっても、適正な処遇を実施する。
こういう考え方のもとで、さまざまな方策を組み合わせ、パッケージで課題を一体的に解決し、外国人の人権を尊重しつつ、適正な出入国在留管理を実現する。そういうバランスのとれた制度にしようとするものであります。
このように、日本人と外国人が互いに信頼をし合い、安全安心に暮らせる共生社会こういったものを実現していくためにも、本法案による諸施策の実現は重要であると考えています。
私としては、このような本法案の重要性について、広く国民の皆様に御理解いただけるよう、今後も丁寧に説明してまいりたいと考えています」
政府は、現行入管法の問題のひとつとして、「送還忌避者の増加(2021年末時点で累計3224人)」をあげており、それを「難民申請回数が3回目以降の人は強制送還を可能にする」ことで解消しようとしている。
5月11日の参院法務委員会では、共産党の二比総平議員が2021年中の送還忌避者累計3224人のうち、同年中の新たな送還忌避者数などの詳細について質問。これに対し、西山卓爾入管庁次長が「業務上統計を作成していない」との答弁を繰り返した。
- 難民は送還忌避者か/仁比氏 入管法改悪案追及/参院法務委(しんぶん赤旗 2023年5月12日)
これについて『東京新聞』の望月衣塑子記者は、「年に何人送還忌避者が増えているかという数字さえ出せない中で、今回の法案をつくっていることは、非常に問題だ」と述べ、齋藤大臣に所感を求めた。
これに対し、齋藤大臣は「昨日の西山次長のご答弁と、今、私の答弁が変わることはない」とした上で、「通常の業務において統計を作成していない」と認めた。
その一方で齋藤大臣は、「令和3年末の送還忌避者3224名の約35%が刑事事件で有罪判決を受けている」、「本法案の必要性を裏付ける社会的事実もある」などと述べ、かみ合わない質疑応答となった。
記者会見の詳細については、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。