新型コロナの感染症法上の位置づけを、政府は2023年5月8日、重症化リスクや感染力が高い結核やSARS等と同じ「2類相当」から、季節性インフルエンザや梅毒などと同じ「5類」に移行する。
これにより各種の行動制限が撤廃され、対策が個人の判断にゆだねられる。また医療費は公費負担から個人負担に移行する(一部軽減措置あり)など医療対策も変化する。
- 新型コロナウイルス感染症について(厚生労働省)
個人や医療機関に関心が集まる中、東京都医師会は2023年4月11日、定例記者会見を開催。5類移行の影響や現在の感染状況を中心に、コロナ以外の感染症やポストコロナの医療課題について発表を行った。
冒頭で尾崎治夫東京都医師会会長は、「5類移行以降のコロナ対策のポイント」として、「高齢者と重症化しやすい方を守る対策」と「若い方の後遺症対策」をあげ、3回目の追加接種を促した。感染が疑われる高齢者には「パロキビットなど重症化予防の薬」、追加接種を受けてない若い方には「感染期間短縮と後遺症予防効果があるとされる薬ゾコーバ」を推奨した。9月までコロナ治療薬は公費負担が続く。
また、5類移行後は法的な行動制限がなくなるため、かえって高齢者などに感染を広げないため、「個々人が従来に増して注意することが重要」と指摘。特に「新たなXBB1.5株は、従来のオミクロン株より感染力が強い」と注意喚起した。
医療機関に対しては、「5類移行後は、なるべく多くの医療機関で発熱患者を診てもらうことが大事」としながらも、動線を分けられないなどの理由で診療できない場合は、単に断るのでなく診療・検査が可能な機関に紹介してほしいと促した。
続いて以下の各テーマを担当者が発表した。
「現在の感染状況と医療提供体制について」東京都医師会副会長 猪口正孝氏
「5類移行目前の高齢者施設の状況について─都内公人施設対象の調査から─」東京都医師会副会長 平川博之氏
「我が国における少子化問題と今後の課題」東京都医師会理事 落合和彦氏
「5類移行の今こそメタボ検診、がん検診を!」東京都医師会理事 鳥居明氏
「5類移行後の自宅・施設療養者への医療支援体制確保/超高齢社会における在宅医療体制整備」東京都医師会理事 西田伸一氏
「注目!新型コロナ以外の感染症」東京都医師会理事 川上一恵氏
会見について詳しくは、全編動画を御覧いただきたい。