2021年10月12日(火)16:00頃から、東京都医師会の定例記者会見が、東京都医師会館で行われた。
会見は、新型コロナウイルスの第6波に備えた医療提供体制が主題であった。
尾崎治夫・東京都医師会長の他、東京都が行っているモニタリング会議に出席している猪口正孝・東京都医師会副会長、角田徹・東京都医師会副会長、平川博之・東京都医師会副会長、また、経口治療に関する説明のため、疾病対策担当の鳥居明・東京都医師会理事も出席した。
会見の冒頭、東京都医師会長の尾崎治夫会長は、第6波の対策を「早期発見」「早期介入」「早期治療」とした上で、「発熱した時に検査を行える、こうした医療機関をネットで公開していただき、地図上で位置がわかるようにしていただく」と発言し、東京都と対応を進めている最中であることも明かした。
IWJ記者は、会見で尾崎会長に次のように質問した。
IWJ「尾崎会長に質問いたします。
第6波について、東京大学の仲田泰祐准教授らは『東京の感染者は11月末には5000人に達し、12月中旬には1万人を超える』『重症者数も12月下旬には東京都の基準で750人を超える』と試算しております。
まだ感染拡大が懸念される状況で、第6波への対策は急務です。第5波が収束しつつあり、次の第6波の前の谷間の今こそ、コロナ対策を根本的に改めるチャンスでもあると思われます。
そんな中、菅総理に変わって新たに誕生した岸田総理ですが、『第6波へ備えを行う』としながらも、これまでの安倍・菅内閣とは違う、新たな具体的な策は見あたらずコロナ対策はこれまでと変わらないものとなりそうです。
第6波への備えについては、尾崎会長をはじめ、東京都医師会・日本医師会が主張したPCR検査の拡充、野戦病院型の大型医療施設の増設が、谷間の今だからこそ、急務ではないかと思いますがいかがでしょうか。
野党は、PCR検査の拡充、医療体制の強化を訴えています。
今月末に総選挙がありますが、東京都医師会は、次の『第6波』の備えについて、どのような対策を今からすべきとお考えでしょうか。どのような政策を掲げる党を支持しますでしょうか」。
尾崎会長は、IWJ記者の質問に次のように回答した。
尾崎会長「東京大学の仲田さんが言っている予測になるとは、私は思っていません。(中略)
なんで(感染者が)減ってきたかといえば、ワクチン接種が進んできたこと。それから日本的な、しっかりマスクをして、密のところを避けて、喚起のいいところにいる。
尚且つ、感染の恐れがあるから人流を抑えるとか、いろんなことをやって来たわけですけど、それは感染者がどこにいるか、どういう形でいるか、なかなかつかめないから、そういうふうな政策しかとれなかったわけです。
やはりここはPCR検査とか、抗原検査とか良くなってますので、そういったものを多用して、なるべく感染した人と、感染してない人を、しっかり振り分けて、少なくとも感染していない人、ワクチンを2回接種した人を中心に、世の中をどんどん動かしていくということにして、感染を抑えながら社会経済活動を進めていく。
あなたのおっしゃることから言えば、PCR検査とか抗原検査を、できれば無料でもっとできるような形にして、いろんな人がちょっとおかしいなと思ったらすぐ検査をできるような体制に持っていくことが、非常に大事だなと思います。
後は、やはり感染症の司令塔ですよね。危機管理庁のようなもの、私は必要だと思いますので、そういった意味では、岸田さんがそういったものを作るとおっしゃってましたから、危機管理庁のようなものを作ってほしいと思ってます。
それからPCRなんかも無料にするとおっしゃってますから、そういった感染者を広げない仕組み。そういった司令塔、この2つを私は重要だと思いますので、そういったことを主張してるとこを応援したいと思います」。
尾崎会長は、無料で行えるPCR検査と抗原検査の拡充を訴えた。また、「どのような政策を掲げる党を支持しますでしょうか」というIWJ記者の質問に対しては、感染症対策の司令塔となる危機管理庁の創設を訴えた。