7月30日、リーガロイヤルホテル東京で、新型コロナウイルス感染予防の対策として、新しい試みが行われた。東京都医師会の協力による「抗原検査による陰性証明システム実証実験」だ。この日、リーガロイヤルホテル東京の社員約50人が参加して、新型コロナウイルスの抗原検査が試験的に行われた。
従来、ウイルスの抗原検査はPCR検査に比べると少し検知の精度が下がると言われていた。しかし、この日、登壇した東京都医師会・黒瀬巌理事提供のデータによると「感染性の高い期間において、高い感度を担保。無症状者でも感度は約80%~100%。特異度でもPCRと同様に高い」とされ、抗原検査でもPCR検査と陽性一致率が約80%以上はある。
また、黒瀬理事によると、鼻腔から鼻水のサンプルを検査するため、「感染力の強い新型コロナウイルスを検知できる」東京都医師会のデータでは、「抗原定性検査はその特性上、二次感染リスクが高い陽性者を迅速に見つける上で有効」と記されている。また、大きな利点として、スマホで登録して、綿棒によるサンプル採取から判定結果まで約15分で完了できる迅速さがある。判定はスマホに届く。
リーガロイヤルホテル東京が抗原検査を導入する理由は、昨年来、結婚式の披露宴の延期を繰り返す顧客が多かったことだ。同ホテルでは、将来的には(顧客が希望すれば)披露宴に訪れた顧客に抗原抗体検査をしてもらい、陰性であれば出席して頂き、陽性であれば公共交通機関を使わなくても訪れることのできる地域の医療機関を案内する方向で検討しているとのこと。
陰性者にはワクチンパスポートと並んで、抗原検査による「ウイルス検査陰性証明」も活用してもらえる方向だ。ワクチンを打てない人々も、「陰性証明」を掲示することで催しや職務などに参加できる可能性が生まれるかもしれない。検査キットは米国製だが、そこに顔写真を登録するシステムを新たに付け加え、なりすましができないようにした。
この日の実証実験は社員たちが顧客である想定で、実施してみたもの。ぜひ、動画を御覧いただきたい。