2021年6月22日、東京都千代田区の内閣府で丸川珠代東京オリンピック・パラリンピック大臣による定例の記者会見が行われた。
IWJ記者は6月18日の定例会見で、丸川大臣に対し「五輪の参加選手は選手村への酒類の持ち込みが禁じられていない」「この有事の際に、避妊具を配布することは、わざわざ税金を使用して感染リスクを高める行為と言わざるをえない」「日本国民や日本在住の方々には宴会などの自粛をお願いしているにも関わらず、五輪選手だけ許されるのは理にかなっていない」などと指摘した。
これに対して丸川大臣は、「まずは組織委にうかがってから相談をしたい」と回答した。
IWJ記者は前回に引き続き、選手村での飲酒や性行為の規制について問いただしたが、丸川大臣は「組織委員会の中で慎重にご検討いただいている」としたうえで、私的空間内での個人の行動規制には慎重な考えを示した。
IWJ記者「先週6月18日の定例会見で、弊社の記者が、丸川大臣に対して、選手村への酒類の持ちこみや、コンドーム16万個の配布計画について質問しまして、これに対して丸川大臣は『組織委員会でどのように検討されるのか、まずはうかがってから相談をしたい』と回答なさいました。
20日に選手村がマスコミに公開された際に、組織委員会の北島隆ビレッジゼネラルマネージャーが、コンドームは帰国時に配布、酒類は持ち込んでも多人数では飲まないよう呼びかけることを発言されましたけれども、これは丸川大臣からの相談があり、先の会見のやりとりが報道されたことを受けての説明でしょうか?
また、選手、関係者、国民を守るために、バブル隔離の運営と地続きの方針として、選手や関係者に飲酒禁止、セックス禁止を強く言い渡すことを、オリパラ推進室や組織委員会、IOCはなさらないのでしょうか?」
丸川大臣「まずですね、先週の報道と関係があるか、ちょっと私には何ともわかりません。
様々な報道もあり、また、様々なご指摘もある中で、組織委員会がご判断をされております。
コンドームについては、帰国時にお配りになるということを報道で拝見しました。まだ、きちんとご報告を受けておりませんけれども、公の場でそのように説明されたと、そういうことであろうと理解しております。
また、酒類の持ち込みについては、今まさに小野さん(朝日新聞記者)からご質問あったとおりでありまして、組織委員会の中で慎重にご検討いただいているものと思います。
他方、私共の立場から、一人一人がまず人としての権利を持っておりますので、そうしたことを十分に配慮したうえで、どのような制限が可能かということを常に検討していかなければなりません。私的な空間で、個人がどういう行動をとるかということについてまで、国家の権力が及ぶ、というのはなかなか考えにくいことでもありますので、では私的な空間をどのように設定をするのか、あるいはどうとらえるのか、ということについては十分な検討が必用であろうと考えております」