2021年4月16日(金)、午前9時より、東京都千代田区の内閣府本部庁舎にて、丸川珠代東京オリンピック・パラリンピック大臣による定例記者会見が開催された。
会見冒頭、内閣府特命大臣(男女共同参画担当)でもある丸川大臣より、内閣府と文科省が共同で進めてきた「子どもを性暴力の当事者にしないための『生命の安全教育』」の調査研究事業が取りまとめた報告書について説明があった。
この事業は「性犯罪・性暴力の根絶は、待ったなしの課題であり、その根絶に向けて、誰もが、性犯罪・性暴力の加害者にも、被害者にも、傍観者にもならないよう、社会全体でこの問題に取り組む必要がある」という認識のもと、それを実現するための「教育・啓発活動を実施する」というもので、すでに教材や指導要領が作成されており、令和3年度から、教材などについての周知活動を開始し、今後、その教材を活用した実証事業が行われる予定である。
続いて、丸川大臣と各社記者との質疑応答となった。IWJ記者は次のように質問をした。
IWJ記者「4月14日、IOCのコーツ調整委員長が『オリンピック東京大会は確実に開催される。選手や観客のための安全対策が実施され、パンデミックに人類が勝利したことを示す』といった旨のメッセージを発表しました。
ですが、日本政府からは、『パンデミックに人類が勝利したこと』を裏付ける具体的な安全対策が何も示されていません。
それどころか、自民党の二階幹事長は、4月15日、TBSの番組の収録で、オリンピック東京大会の開催について『とても無理と言うならやめないといけない。五輪で感染をまん延させたとなれば、何のための五輪かわからない』と語りました。
また、厚労省感染症対策アドバイザリーボードメンバーの西浦博教授や東京都医師会の尾崎治夫会長も、『コロナ対策を優先し、夏のオリンピックは「1年再延期」するべきである』、『例え無観客であってもなかなか難しい』との見解を示しています。
加えて、英国『BMJ(British Medical Journal)』誌も、4月14日付で、『五輪の開催によって、アウトブレイクを封じ込める能力が著しく損なわれる可能性がある』として、五輪開催により感染拡大が悪化することを指摘し、五輪開催の再考を求める論考を掲載しています。
政府は、本気でオリンピック本大会を開催し、二階氏の心配を杞憂に終わらせたいのであれば、オリンピックの安全な開催手法について、今すぐに国民や国際社会に対し説明する義務があると思われます。国内外に対して説得力をもった具体策を、今の時点で示せないならば、五輪開催の可能性は遠のき、実際に開催されないとなれば、聖火リレーの運営経費約116億円もまったくの無駄になります。丸川大臣のお考えをお聞かせ下さい」
この質問に対し、丸川大臣は「4月中にプレイブックを改定して、感染対策の具体的な、方向性なり、内容をお示しさせていただくことになると思う。もう一度、実は、大会前に改定するだろうという話を聞いているので、プレイブックを通じて、まず、関係者の皆さまにしっかりと『安心・安全』の大会ができるという確信を持って欲しいと考えている」と回答した。
また、他社の記者から、自民党の二階幹事長が東京五輪中止の選択肢があることを示唆し、その後釈明した件について、担当大臣としての受け止めを聞かれた丸川大臣は、「そのようなことにならないように、しっかり、安心・安全の大会の実現にとりくむように、との叱咤激励ではないかと受け止めている」と答えた。
丸川オリンピック・パラリンピック大臣の報告、および質疑応答の一部始終については、全編動画を御覧いただきたい。