3月5日の総理会見に、岩上外しをかいくぐり当選! 会見参加前に新型コロナに関する懸念事項を再確認!
岩上安身は、菅義偉総理の会見に先立ち、3月5日に以下のように連投ツイートをした。
「速報!東京新たに301人が新規感染!」
「急ですが、本日午後9時から菅総理の記者会見です。テーマは緊急事態宣言を一部解除する件についてだと思われます。問題は規制を緩めることで、第1波のあと第2波が来たように、今緩めると、開催を強行すると言われている五輪の時期、7月に、第4波のピークが来ているかもしれません。変異株も心配です」
「今回は、当選したとの連絡が官邸報道室から。夜の会見に出席します。第一波の際の1回目の緊急事態宣言の解除を出した時と比べて、新規感染者数はまだ、今回は全然、下がりきれていない。減少率も鈍ってきています。規制が緩めば、感染者数の反騰は避けられないと思われます」
「五輪までに、再び緊急事態宣言を発布しなければならないような事態にならないよう、政府も企業も個々人も気をつけなくては行けませんが、果たしてそんな注意喚起程度で、第4波到来を防ぎ得るのか。悲観材料がいくつもあります。まず、この期に及んで国交省はGo Toを再開しようとしています」
「懸念の2つ目は、ワクチンが進まないこと。しかもワクチンには発症や重症化の予防効果はあっても、感染そのものの予防効果はないことです。発症しない人を増やすということは、感染した場合、本人が気づかない無症状者を増やすに等しく、かえって無症状者による市中感染を増やす可能性が高まります」
「ワクチンを打つならば、同時に無差別に大量の検査を行い、無症状陽性者を積極的に洗い出していく作業が、これまで以上に必要となるはずです。懸念の3つ目は、感染力が強く子供にもうつりうる変異株、特に英国株は日本各地に入り込まれてしまって土着化し、市中感染で増えていっているという事実です」
「変異株が、日本国内に入り込んで静かに広がり始めたのがこの緊急事態宣言の時期と重なっており、規制を緩めれば、一気に感染拡大する可能性があります。第4波の主役は変異株となるでしょう。こんな状態で、無観客ならばともかく、観客を入れての五輪開催は自殺行為です」
「外国人選手、関係者、プレスに関してはプレイブックが作成され、PCR検査も複数回検査するなどとされていますが、会場の現場の案内や誘導、通訳、警備をするスタッフと観客に関してはプレイブックはまだありません。検査もいまだに予定されていません。観客全員に検査をすべきではないでしょうか」
以上のような問題意識を、記者会見前にツイッター上で公開し、岩上安身は会見に臨んだ。
東北新社接待問題で、内閣広報官を辞職された山田真貴子氏に代わって新たに広報官となった小野日子(おのひかりこ)外務副報道官の司会のもと、会見は進んでいった。
岩上は、手をあげ続けるも指されず、フリーランスも江川紹子さんから始まり、次々、全員あてて、「最後にあと2人だけ」と小野福報道官が告げ(これは、岩上安身だけは指名しない、というパターンかな)と思われたそのとき、本当に最後の最後で、岩上安身が指名された。
ファイザー/ビオンテック社のワクチンに感染予防の効果はない! 岩上が会見で菅総理と尾身会長に直接質問!!
菅総理は2週間という延長期間について、「2週間は感染拡大を抑え込むと同時に、状況をさらに慎重に見極めるために必要な期間だ。こうした点を冷静に、そして総合的に考慮し、内閣総理大臣として、延長の判断をした」と述べた。
5日の総理会見に参加を申し込み、抽選で当選した岩上安身は、以下のように質問し、菅総理と政府の分科会の尾身茂会長からの回答を受けた。
岩上安身「総理は先ほど、『リバウンドは絶対に起こしてはならない』とおっしゃいました。まことにその通りだと思います。
で、『その決め手はワクチンである』というふうにおっしゃいました。これは聞いていて、ちょっと疑問に思うところがあります。
ワクチンだけがすべての決め手になる。何かワクチン万能論のような感じが世の中に溢れかえっているわけですけど、しかし、実際にはワクチンには発症や重症化の予防効果はあっても、感染そのものの予防効果がないということが明らかになっております。
これは2月4日の田村厚労大臣が、私どもIWJの記者の質問に答えて『感染予防に十分なエビデンスはない』とはっきり明言されております」
▲田村憲久厚生労働大臣定例会見(IWJ撮影、2021年2月24日)
岩上「この頃ファイザーのワクチンがイスラエル等で『感染予防効果があった』というロイター等の報道はありますけど、査読前の論文です。
イングランド公衆衛生庁(PHE)が発表した、「ファイザー/ビオンテック・ワクチンに無症状性感染にも症状性感染にも予防効果が認められた」という査読前論文をIWJは徹底検証した。PHEのワクチン接種責任者は、感染リスクをどの程度減らせるのかまだ不明なため、ワクチンを接種してもウイルスを持っているものとして行動するように推奨している。
岩上「で、これを確認しました。厚労省にですね。
厚労省の担当課はこの件について、国としての姿勢として、『感染予防効果はないという姿勢を、これらの報道であらためるつもりはない』というふうにはっきりとおっしゃってます。
感染予防効果がないということは、実は発症しない人を増やすということであって、感染しても発症しない、本人が気づかない、無症状者を増やすに等しいことであって、かえって無症状者による市中感染を増やす可能性があります。
ということは、これは同時に無症状者に対する無差別のPCR検査を大量に行なっていく必要がある。片方でワクチン、片方でPCR検査の社会的検査を無差別に拡充するということをやると。
そこで陽性者を洗い出していくということをやっていって、初めて成り立つものではないかなというふうに思います。
東大が『3月ごろから気が緩んだらどうなるか』という研究報告を出しました。NHKが取り上げていましたが、この中で気が緩んだら7月ごろには1日あたり1200人ぐらいになる。ピークを迎えてしまうと」
岩上「この『気の緩み』という中には、お酒を飲んで気が緩むという意味ではなくて、『ワクチンを打ったからもう大丈夫だ。もう感染しないんだ。マスクを外してもいいんだ』という気の緩みの可能性も考えうると思います。
したがって、政府がアナウンスする際には、これらのことをきっちり国民にわかるようにアナウンスした上で、私、昨年の12月25日に会見でPCR検査の拡充について質問させていただいたんですけども、『全量検査は必要ない』と、当時総理はおっしゃったんですね。
そのご認識、変わらないでしょうか?」
▲ファイザー株式会社(Wikipediaより)
▲バイオンテック(Wikipediaより)
岩上「また、五輪を開催するにあたって、関係者・選手団には厳重な検査を行う。しかし、観客に対して行うという話はまだないんですね。これは無観客でやるのかどうかという問題もありますけど、観客を入れて行うんだったらば、そこへの全員検査というものを行うべきではないかと。
民間のスポーツイベントなどでは直前の入場検査で全量検査を行なっているところもあります。そうしたことも含めてお答え願えないかと。お考えをお示しいただきたいと思います」
菅総理、ワクチンの発症・重症化予防効果は認めるも感染予防効果については回答せず!
菅義偉総理「私自身もワクチンは発症・重症の効果がある。このことの理解を示します。発症と重症化には、ワクチンは効果がある。こういう中であります。
ですから、1日も早く国民の皆さんにワクチン接種をしたい。それと同時に検査の充実、これも必要だと思います。
先ほど私、一連の挨拶の中で高齢者施設に対して集中的に今月中に3万ヶ所やるということを申し上げました。
さらに繁華街でモニタリング検査を実施する、こういうことも、これから大都市でやっていきたい。このように思っています」
▲菅義偉内閣総理大臣(Wikipediaより)
岩上の「ワクチン万能論」への疑問、そして「全量検査はしない」と言い切った菅総理の認識が変わっていないかどうかという問いに対して、的外れな回答であり、PCR検査にについても具体的な内容のほとんどない答弁でした。
事実上ワクチンだけでは感染予防できないことを尾身会長も認める! 「仮に国民の7割」がワクチンを打ったとしてもクラスター感染は起きる!?
菅総理に代わって、尾身会長が答弁に立ちました。
尾身茂会長「今、2つの点、ワクチンを打てば、感染が完全に防げるかという話はもう、今、総理もおっしゃったし、おっしゃる通り。
私は今回のワクチンはかなり有望なワクチンだと思います。私なんかが当初、予想していたよりも比較的安全だし、いわゆる有効ですよね。今、おっしゃる、重症化、あるいは発症化予防。
で、これが非常に重要で、しかしそれだからといって、実は、仮に、おそらく、まあよくわかりませんけども、普通の常識を使えばですね、日本の人々の、おそらく90%が接種することはないでしょうね。仮に国民の7割が打ったとしますよね、子どもさんとかは別に。
そうなっても実は、私は、ときどきのクラスターは、それからも起きると思います。
なぜならば、ワクチンの感染力防止ということと同時に、30%は打ってないわけですよね。
そういうことで、メッセージとしては、ぜひ、このワクチンに関するリスクコミュニケーションというのは極めて重要で、副反応の問題等々もあるし、それと同時に今の、ワクチンを打ったからといって、これからもどんどん打って増えますけど、ワクチンを打ったからといって基本的な、手洗いとかマスクとか、そういうことをやらなくていいということはならないんで、当分の間、おそらく、私なんかのこれは神のみぞ、本当のことは、正確にはわかりませんけど、私なんかの判断は、仮に、今年の暮れぐらいまでに、日本の希望者の6割、7割が打ったとしても、感染は時々は続く、ゼロにはなれないと思います。
そういうことで、ワクチンを打ったからといって、すべてが無防備というわけにはいかない。最低の基本的な感染対策は続ける必要があるということは、ぜひ、国のリーダーあるいは自治体のリーダーには、副作用の云々の問題をしっかりと伝えると同時に、伝えていただければと思います。
▲尾身茂 新型コロナウイルス感染症対策分科会長(IWJ撮影、2021年1月5日)
それから、検査の方は、これは私どもが以前から申し上げているように、検査というものの、無症状者の大事だということがありますよね。で、無症状者の中で、今、非常に求められているのは、無症状者の中でも、検査をすると、おそらくある程度高い陽性率を期待、想像されるようなところには、集中的に頻回にやることが、感染対策上極めて有効だということがわかっています。
そういう意味で、今、高齢者施設とか、あるいは今、岐阜とか栃木でも行われてますけども、その自治体がご判断で、こういうところが今までも感染リスクが、だから、そういうところに集中的な、重点的な検査をやるっていうのは、これは、感染の全体のレベルを下げるために有効なので。
ま、そういうふうにして、国民全員というのは、ワクチンとの関連でこれは、国民全員にやるのは理想的にはやったらいいと思います。それを、1回やってもほとんど意味はありません。これを定期的にやるというまで、実際にはそれは、理想ではありますけど、それはなかなか、現実的には無理なので、今一番大事なのは、無症状の、有症状は当たり前ですよね、無症状の中で、特に感染リスクの高いところに集中的に重点的にしかも繰り返しやるということが、感染拡大防止にも役立つということだと思います」
尾身会長は、その理由は少し岩上とは異なりますが、ワクチンは必ずしも万能ではない受け取れる認識を示した。
そして、「今一番大事なのは、無症状の、有症状は当たり前ですよね、無症状の中で、特に感染リスクの高いところに集中的に重点的にしかも繰り返しやるということが、感染拡大防止にも役立つ」と明確に無症状者へのPCR検査の有効性を認めた。
岩上の質問に対し返ってきた答えは一部のみ! 回答がなかった点について、官邸広報官T氏「当たらなかった方への質問のみ受けつける運用になっています」とメールでの質疑受付を拒否! 国民の不安を煽る態度!!
前述の質問と回答をご一読いただけるとおわかりの通り、岩上の質問に対し、菅総理、尾身分科会会長のお二人とも「ワクチンには感染予防効果がある」などという反論は一切していない。
菅総理は「発症予防、重症化予防の効果がある」とだけ述べるにとどまり、感染予防があると開き直って言いつのったりはしなかった。岩上の指摘に対し有効な反論はなかったと言えるだろう。
一方、五輪と検査の問題について質問した部分については、一切回答がなかったため、会見後、岩上は小野外務副報道官にもとに行き、「ご回答がなかった部分のみ、再質問のメールを送らせてもらっていいですか?」と問いかけた。
新任の小野外務副報道官は、おろおろされており即答できなかったので、「では会社へ戻ってから、質問のメールをお送りしますので、それを御覧になった上で、ご検討ください」と言ってその場を辞した岩上は、社に戻りメールを書き上げ、内閣官邸報道室へ電話をした。
▲内閣総理大臣官邸(Wikipediaより)
電話口に出たT氏という報道室の担当官は、「当たらなかった方への質問のみ受けつける運用になっています」と述べた。
これに対し、岩上は以下のように伝えた。
「では、その運用を変えていただきたい、というご提言をさせてもらいます。
本日のような会見で、質問に対して、総理が部分的に答えていなかったような場合、インターネット中継で、質問と回答のすべてが今は見られますので、『今のは答えたくなかった質問か?』などと、邪推も生じやすくなります。
国民の前に開かれている記者会見ですから、お答えしきれなかった部分を、見ている国民に誤解を与えないためにも、確認の再質問をさせていただき、お答え忘れた、し損ねた回答をしていただけるようにする。これを民間の一出入り業者の分際ではありますけど、お上に提案申し上げたい。ぜひご検討ください」。
岩上に対し「運用を変えると言ってもなかなか難しい・・・・」とまだ渋るT氏。岩上はこれまでの経緯も含めて、さらに検討をするように求めた。
「官邸や省庁と記者クラブがつくってきた、記者クラブ以外のメディアやフリージャーナリストらを大臣会見に入れない、という慣行を10年前に僕らは何人かで粘り強く交渉して、少しずつ変えていき、こうして官邸で総理に質問できるようになりました。
話し合いをする、運用を変えるご提案をさせていただいて、内部で検討していただく、ということを、ずっと続けてきて、少しずつ少しずつ変わってきていただいております。
今度のことも、質問に対して、回答がない、その理由は何?と疑問を抱く国民のために、メールで『さら問い』をさせてください、という趣旨です。
国民のために、総理のお考えを誤解が生じないように、きちんと聞き出してお伝えする、ということが眼目ですので、どうかご検討を願いたいと思います」
岩上はT氏に重ねて検討をしてほしい旨を伝えた。
岩上安身から官邸報道室へ宛てたメール
岩上は、下記のメールを昨日深夜の11時46分に送った。
「官邸報道室
T様
先ほどは、長々とお電話で失礼いたしました。
本日の総理会見において質問し、回答を得られなかった内容をお送りさせていただきます。
これからの運用の課題として、回答をスルーされた場合、重ねてメールで問うことができる、という運用に変更していただけるよう、皆様でご検討いただきたいと存じます。
よろしくお願いします。
IWJ代表の岩上安身です。本日、質問の機会をいただきましたが、菅総理も、尾身分科会長も、お答えいただけなかった部分がありました。検査と五輪の関係についてです。この、お答えがなかった分だけ、重ねてメールさせていただきます。
外国人選手、関係者、プレスに関しては、その行動を規制するプレイブックが作成され、PCR検査も複数回検査すること、などとされていますが、会場・現場の案内や誘導、通訳、警備などを担当するスタッフと、観客に関しては、プレイブックにはまだありません。五輪組織委や東京都などに確認しましたが、スタッフと観客全員へのPCR検査についてもいまだに予定されていないそうです。
スタッフと観客全員にも検査すべきではないでしょうか。検査せずに観客を入れての五輪は開催すべきではないと思われますし、五輪をどうしても開催したいが、どうしてもPCR検査を大量に実施するのはやりたくないというならば、無観客の開催しかないと思います。
実際、民間のスポーツイベントで入場時に短時間に結果の出るPCR検査を行った成功事例もあります。
五輪を無観客でやるのか、あるいは観客を入れて行うというならば、観客全員にPCR検査を行うか、方針を早々に示すべきだと思いますが、総理のお考えをお聞かせください。
岩上安身拝」
その3分後に、T氏より以下の返信がありました。
「岩上様
お世話になります。
メール拝受いたしました。
来週、改めてご連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
官邸報道室 T拝」
官邸報道室から返事があった際には、随時、日刊などを通じてお知らせしていきます。ぜひ、IWJ日刊ガイドをチェックして御覧いただきたい。