「いくら打とうと思っても、来ないものは打てませんから」――東京は五輪で感染爆発が予想されていたにもかかわらず、ワクチンの分配は全国平均以下とのIWJ記者の指摘に尾崎会長が国を批判!~8.13東京都医師会緊急会見 2021.8.13

記事公開日:2021.8.14取材地: テキスト動画
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(取材、文・渡会裕)

 2021年8月13日、東京都千代田区の東京都医師会館で、東京都医師会による緊急の記者会見が行われた。

 会見でIWJ記者は、「東京都は、オリンピックがあり、感染爆発の中心地となると予想されていたにもかかわらず、ワクチンの分配では、全国平均以下だ」「都民は不当に差別されている気がする」と指摘した。

 これに対し、尾崎治夫・東京都医師会長は「ワクチンについては、十分に打てる体制を作ってきたとは思っている」と述べた上で、「これはワクチンの供給の方ですから、私どもにはどうしようもないことですよね、来ないわけですから。いくら打とうと思っても、来ないものは打てませんから」と憤りをあらわにして「それは何とかしてほしいと思います」と国への要望を述べた。

 以下、IWJ記者の質問とそれに対する尾崎会長の回答である。

IWJ記者「東京都は、オリンピックがありまして、感染爆発の中心地となると予想されていたにもかかわらず、ワクチンの分配では、全国平均以下だということです。

 都民は不当に差別されている気がしますが、実際、予約が取れない人がおります。

 今後の感染拡大を防ぐためにも、まずはワクチンを東京と首都圏に集めるべき、という声も上がっていますが、その件についてはどのようにお考えでしょうか?」

尾崎会長「ワクチンについては、我々の体制としては十分に打てる体制を作ってきたとは思っています。

 ただ、実際にばらつきはありますけれども、確かに区市町村でもなかなか来ないところと、ある程度は来ているところと様々です。そういう意味で、これはワクチンの供給の方ですから、私どもにはどうしようもないことですよね、来ないわけですから。いくら打とうと思っても、来ないものは打てませんからね。ですからそれは確かに何とかしてほしいと思いますよ。

 それから、やはりこういう状況になった時に、首都圏とかですね、まあ近畿圏とか大体最初は増えるところは決まっていますよね。そういうことを考えると、そういうところに集中的にワクチンを配布して、どんどん打っていくという政策は、平等性とか何とかあるかもしれませんが、それは有りだと思っています。

 ただ、それは、やはり国とか厚生労働省が決められることですよね。あるいは政治家の先生が、喧々諤々の議論した末に決めることですから、私どもにとやかく言えないです。

 ただ、今の状況は、ここまで広がっていると、先ほど申し上げたように、例えば、鳥取、島根とか、あと一部の県ぐらいしか、それほど増えていないところはないです。

 全部実効再生産数が1を超えてきているところが多いので、そういう中では今、東京とかそういうところを中心にワクチン配布を見直して、という考えは、なかなか今度は、例えば、群馬とか栃木とか、静岡とか、みんなもうかなり今の医療体制からすると逼迫しているところがたくさん出ています。沖縄なんか大変ですし、九州も福岡だけではなくて、熊本とか鹿児島とか、ほとんど広がってきています。

 そういう中でそういった配分の見直しというよりは、今できる限り、もうどんどん、日本中で打っていくという形しかないのではないでしょうか」

■全編動画

  • 日時 2021年8月13日(金)14:00~
  • 場所 東京都医師会館(東京都千代田区)
  • 主催 東京都医師会

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