2021年6月3日、東京都千代田区の衆議院本館で第16回「ワクチン進捗フォローアップ野党合同チーム」ヒアリングが行われた。
6月2日に新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長らが、五輪開催の是非について政府やJOC、IOCに提言したいと述べたが、これを菅義偉内閣総理大臣が対応を拒んでいるのではないかと報道があったことについて、内閣官房の担当官らとの厳しいやり取りが行われた。
菅総理は5月28日の会見で「対策の策定に当たっては、専門家の立場も交えて議論を重ねてきております」「各省庁の調整会議を開催しており、感染症の専門家2名にアドバイザーとして毎回御出席いただいて意見を伺っている」と発言していた。
これについて、野党合同チームの山井和則・立憲民主党衆議院議員は、「調整会議のアドバイザーに入っている2人から話を聞いているから、オリンピックの話は専門家から十分話を聞いているという理解か」「私たちの理解では専門家の意見を聞くのであれば、尾身会長をはじめとするコロナ分科会だと思う」と述べた。
山井議員はさらに、調整会議の構成員について「20数人のほとんどが大会関係者とか役所のかたですよね、それに2人がアドバイザーとして入っているだけですけれど、これで専門家の意見はオリンピック委員についてはすでに訊いているという認識か」と担当官らに詰め寄った。
内閣官房オリンピック・パラリンピック推進本部事務局の吉田英一郎・参事官は、調整会議に重ねて「(大会期間中の選手や行動規範をまとめた)プレイブックの具体的な運用について、組織委員会の中に専門家の『ラウンドテーブル』というものを別途設け、助言をいただきながら準備を進めている」と述べ、専門家による別の組織が存在することを明らかにした。
これに、長妻昭・立憲民主党衆議院議員は「オリンピック開催の是非を6人の総メンバーのラウンドテーブルで、尾身先生抜きでやっちゃおうという事か」と迫り、「速やかに議事録と開催日時を出していただきたい」と求めた。