IWJ記者の質問に尾崎会長「BA.2でも発症予防効果も重症予防効果も十分ある。ワクチンをまったく打っていない若い方でも重症化している人はいる」と世代にかかわらず3回目接種の必要性を強調!~4.12東京都医師会 記者会見 2022.4.12

記事公開日:2022.4.14取材地: テキスト動画
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(取材、文・浜本信貴)

 2022年4月12日、午後4時から、東京都千代田区の東京都医師会館にて、東京都医師会の記者会見が開催された。

 会見冒頭、東京都医師会会長の尾崎治夫氏は、新型コロナウイルス第6波の中、感染者数が高止まりしている現状に触れつつ、次のように述べた。

 「この高止まりを、一日8000人、9000人というのは、増えないからいいのではないの? という考え方の人もいます。それと、あまり重症化しなければいいんじゃないの? という話もあります。

 でも、現実はですね、これだけ感染が引き続きますと、また別の変異が起きたり、いろんな可能性も出てまいりまして、せっかく、これまでワクチンを2回、あるいは3回打って、皆さんの免疫、発症予防効果と重症予防効果がついて来たところで、ワクチンがあまり効かないようなタイプが出てきたりしますと、今までの対策が水の泡になってしまうわけで。

 やはり、私はこの高止まりをこのまま放っておいていいとは考えておりませんし、考えてはいけないのだと思います。

 そういった中で、これが、どうすれば減ってくるのかなと考えますと、(中略)今の20代、30代の方のワクチン接種が20%台、30%台、ここを何とかしていかないといけないのではないかと、若い方にいかにワクチンを打っていただくか、ここにかかっているのではないか、というふうに私は考えております」。

 質疑応答で、IWJ記者は「特例疑似症患者(みなし陽性者)」について、以下のとおり質問した。

 「現在のリバウンド傾向ですが、第5波のピーク時より高いところからのリバウンドということで、これまでにない感染拡大の可能性が指摘されています。

 東京都でも、検査をせずに医師の判断で陽性とみなす「特例疑似症患者」、いわゆる、みなし陽性者の対応が、現在も続けられていますが、こうした措置は、『重症化しにくい』というオミクロン株の『評判』を一人歩きさせ、油断をひろめてしまい、ワウチン3回目接種へのためらいや20代の感染拡大に拍車をかけているという側面はないのでしょうか?

 ワクチン接種による副反応の辛さを恐れて、ワクチン接種をためらう人がいるのはわかりますが、BA.1より感染力が高いとされるオミクロン株BA.2について、ワクチン接種3回目を必ずしないと危険だとお考えなのか、高齢者や持病のある方以外は検査なし、ワクチンなしでも共存できるとお考えなのか、お聞かせください。

 また、油断を広めている原因に、検査をしないで陰性とみなす『特例疑似症患者』という対応が、拍車をかけているとお考えにはならないのでしょうか?」

 東京都はこの会見前日の4月11日、新規感染者数4562人に対し、「特例疑似症患者」数を8人と発表している。

 これに対し、角田副会長から以下のとおり回答があった。

 「ご質問ありがとうございます。今、『みなし陽性(疑似症)』のお話が出ましたので、私からお答えさせていただきます。

 現在、東京都では、疑似症の扱いはしておりません。みなし陽性の扱いはもう終了しております。一時期、やはり、第6波が非常に高まった時は、医療機関のキャパシティが追い付かなくて、明らかに家庭内感染で、例えば、両親が陽性だから、お子様も発熱、これはもう90%以上の確率で陽性者ですから、みなし陽性という形を、実は、国の指針に則ってやっておりました。

 ただ、ある程度、医療機関のキャパシティがあって、検査の、診断の能力が十分になって参りましたので、3月いっぱいをもちまして、疑似症、つまり、みなし陽性は中止しております。ただ、唯一、小児の場合はですね、どうしても、医療機関に連れて来れなかったりとか、プラス、往診しての検査もできないような状況の小児については、みなし陽性、疑似症を認めております。

 ただ、現在は、しっかりと、やはり感染症ですから、医療の管理下において、診断をしてという形をとっている状況でございます」。

 IWJ記者は、続いて、3回目のワクチン接種の必要性について、次のように質問をした。

 「オミクロン株BA.1よりも感染力が高いとされるBA.2について、先ほども、尾崎会長のほうから説明頂いたのですが、再度、質問させて頂きます。

 BA.2について、3回目のワクチン接種を勧奨しなければならないほど危険なものなのか、もしくは、高齢者や持病のある方以外は検査なし、ワクチンなしでも共存できるのか?この点について、もう一度ご説明願います」。

 これに対し、尾崎会長から次のように回答があった。

 「BA.2が重症化しやすいのではないかというようなことは、今のところ、検証されてないと思います。そういった研究結果もないと思います。ただ、感染力については、1.5倍とか、やっぱり強いのではないかという話はあります。

 それから、BA.2だから、ワクチンを2回打っている方はですね、3回目接種をしても、効果はないんだということも言われてないと思います。BA.2においても、3回目接種、追加接種をすれば、それなりに発症予防効果も重症予防効果も、下がっていたものが高まってですね、十分効果が出るというふうに、私は認識しております。

 重症化に関しては、確かに、それほど注意しなくてもいいという話があるかもしれないですが、実際にワクチンをまったく打たれてない方で、若い方でも重症化している人はいますので、若い方だから、ワクチンは絶対打たなくていいんだということはないと思います。

 やはり、世の中全体の感染者を抑えることが最も大事だと思っていますから、そのためには、BA.2が重症化する、しないではなく、あらゆる世代の方が3回目のワクチンを打っていただくということが、必要なのではないかと、私は考えています」。

 記者会見の詳細については、ぜひ全編動画を御覧頂きたい。

■全編動画

  • 日時 2022年4月12日(火)16:00~
  • 場所 東京都医師会館 講堂(東京都千代田区)
  • 主催 東京都医師会

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