2022年11月8日、午前8時50分頃より、東京都千代田区の経済産業省本館にて、西村康稔経済産業大臣の定例会見が開催された。
西村大臣からの冒頭報告はなく、そのまま大臣と記者との質疑応答となった。
IWJ記者は、政府が発表した39兆円規模の大型総合経済対策について、以下のとおり、質問をした。
「10月28日に、岸田総理は39兆円の大型総合経済対策を発表されました。電気・ガス・ガソリン代の支援など、短期的な政策を歓迎する声もありますが、中長期的には、敗戦直後を上回る規模の財政赤字で国家デフォルトなどに陥るのではないかという不安があります。
現在の政府債務残高のGDP比は260パーセントを超えており、これは大戦前夜の状況に匹敵します。敗戦後、緊急勅令での預金封鎖、および90%におよぶ財産税で乗り切ったような事態が再来する懸念はないのでしょうか?
目先の危機には対応できても、財政赤字がこれ以上膨らめば、財政破綻かハイパーインフレ、さもなくば、大増税が待っているのではないでしょうか?
西村大臣の中長期的な展望をお聞かせ下さい」
この質問に、西村大臣は以下のように回答した。
「当然ですね、国の財政状況、これは留意をしなきゃいけない、よく見ていかなきゃいけないということ、これは当然のことであります。
他方ですね、今、まさにコロナ禍があり、ウクライナ侵略があり、気候変動への対応など、様々なこうした危機に直面する中、エネルギー価格、あるいは様々な物資の価格が上がってきている。こうした中で、この危機を乗り越えるために、今回の経済対策というのは必要なものだというふうに認識しております。
国民の皆さんの負担軽減、中小企業の皆さんの負担軽減、こうしたことに、今回しっかり対応していくということが、まず必要になっておりますし、さらに長い目で見て、中長期的に、このエネルギー危機、こうしたいろいろな危機にも強い経済社会の構造をつくっていかなければならないということも大事だと思っています。
したがって、今回、省エネルギーへの支援であるとか、相当思い切った対策を講じていくことにしておりますし、デジタル化などによって効率よく仕事を進めていく、無駄を省いていくようなことも、今回支援をしていきます。
そうした中長期的に強い経済・社会を作っていくということ。それから、もう一つは、やはり成長力が弱いと言われている中で、中長期的にしっかりと成長していく、日本経済が成長し、そして所得が上がっていく。こうした構造に転換していく、構築していくことが大事だとも思っています。
その意味で、投資を増やし、イノベーションを起こしていく、所得が上がっていく。そのための構造改革、あるいは新たなスタートアップを含めてチャレンジをしていく。そうしたことを応援していく予算を、補正予算を編成したい。そして、それを実行していきたいというふうに考えております。
当面の対策、負担を軽減していくという対策と、中長期的な対策と両方入れながらですね、国民の皆さんの不安を解消し、所得を向上していく。そうした予算、そうした対策として必要なものというふうに認識をしております。
1日も早く実行していけるように努力していきたいというふうに思います」
他社の記者からは、「先端半導体」、「米国のインフレ抑制法」、「GX(実行)会議の原子力政策」、「旧統一教会問題」などについて、質問があった。
詳細は、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。