2022年7月12日午後4時より、東京・千代田区の東京都医師会館にて、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策等について、東京都医師会の記者会見が行われた。
会見冒頭の挨拶で、東京都医師会長の尾﨑治夫氏は次のように述べた。
「皆さん、こんにちは。今日はアクリル板もとりました。それから、マスクも外しております。全員、抗原検査で『陰性』が確認されております。記者の方々もみんな検査を受けているということで、マスクはもういらないだろうと思ってますが、さすがに、皆さん、外しませんね(笑)」。
そして、以下のとおり、新型コロナ感染症の現状と今後についての話をした。
「これから8月の初旬にかけまして、まあ、55,000人くらいの感染者に激増するというようなデータも出てますけど、そういう、急増に際して、どう対処していくのかと、まあ、なかなか対処が難しいところもあるでしょうけども、そういったことを、今日、私ども、東京都医師会が考えていることをお話していきたいと思います」。
尾﨑会長の挨拶に続き、「今後の感染者急増に対応する医療提供体制」、「ワクチン接種」、「治療薬」、「検査」、そして、「高齢者の扱い」などについて、尾﨑会長、猪口正孝・平川博之 副会長、そして、鳥居昭理事より、それぞれ説明があった。
その後、各社記者との質疑応答となったが、IWJ記者は以下のとおり、3点について質問をした。
IWJ記者「東京都の昨日11日の新規感染者数は6,231人で、先ほどから先生方もおっしゃっているとおり、今、感染は拡大傾向にあります。過去2年間の動向を振り返ると、7、8月に向けて増加していくと予測されます。
こうした流れの中で、いずれ来たる感染拡大のピーク時の医療体制についての見通しを教えて下さい。
また、東京都医師会の『屋外でのマスク着用は原則不要』という方針について、一般の人々にとって、マスクなしの生活に戻ることはなかなか難しいように見受けられますが、今の状況をどのようにご覧になっているでしょうか?
次、最後ですけど、ワクチン接種後の副反応についてですけれども、現状、ワクチン接種後に死亡された方が、正確な数字を把握していないのですが、1000人以上いると思うのですが、その方々が、『ワクチン接種との因果関係が不明』といった理由で、補償金、もしくは、一時金などの支給を受けている方は今のところ一人もいないと思うのですが、こういった状況について、お考えをお聞かせ下さい」。
感染拡大ピーク時の医療体制については、猪口副会長、マスクの着用については、尾﨑会長、そして、ワクチンについては鳥居理事がそれぞれ応答したが、ここでは、マスクの着用についての尾﨑会長の答弁をご紹介したい。
尾﨑会長「そうですね。マスクに関しては、まあ、私も昨日、選挙に行ったときに、投票所までマスクをしないで行きましたけども、もちろん、投票場の中は室内ですので、マスクしましたけども、すれ違った人でマスクをしていなかった人は、私を含めて2人でしたね。
それから、今もいろんなところで外を見てますけども、やはり、外している人は少ないです。ただし、これは、感染が今みたいにどんどん増えたからと言って、じゃあ、外でマスクをしてないから、感染者がどんどん増えるということは、基本的には、あり得ないと思います。
やはり、以前は『接触』あるいは、いわゆる『飛沫』ですね、近い距離でのそういった、唾とか、いろんなものが飛ぶという、そういうのでうつるのが主流なのではないかと考えられた時期もありました。
でも今は、もうちょっと細かい『エアロゾル感染』と言って、何メートルかもっと飛ぶようなタイプ、空気中を流れる、そういうのが主流だという話になってきていますから、それ自体は、室内で換気が悪いという条件が一番よくないと思います。
屋外でマスクを外して、そして歩いたり、すれ違ったり、いろいろしてもですね、まあ圧倒的に空気の流れがありますので、直ちに拡散してきますから、その意味で、感染のリスクは極めて、もう、本当に低いと思います。
(中略)もちろん、ケースバイケースだと思うのですが、普通に外出して、歩行したり、いろいろしてる中ですれ違うとか、そういう中でですねえ、『マスクをしてないからうつる』ということは、私はもうあり得ないんじゃないかと思ってますから。
やはり、もっともっと、屋外ではですね、(マスクを)外して問題はないと、だから、今、感染者がどんどん増えているから、また外でもマスクをした方がいいという理屈はないと思います」。
記者会見の詳細については、全編動画にてご確認ください。