2017年に発覚した、森友学園をめぐる財務省による決済文書の改竄について、加藤勝信財務相は2025年2月6日、改竄に関する関連文書の存在を認めた。
2月6日付『共同通信』は、「近く開示の是非を判断する」と報じた。
- 【速報】加藤財務相、森友文書の存在を認める(共同通信、2025年2月6日)
文書の改竄に関与させられたことを苦に、2018年に自殺した、財務省近畿財務局の職員・赤木俊夫さんの妻・雅子さんが、2019年に、国と事件当時財務省の理財局長だった佐川宣寿・元国税庁長官に対し、損害賠償を求めて大阪地裁に提訴。2021年に、国が1億円超の賠償金を支払うことで和解し、裁判は終結した。
この裁判の過程で、雅子さんは、真相究明のため、赤木俊夫さんが残した改竄に関する詳細な記録(いわゆる「赤木ファイル」)の開示を求めた。
しかし、国(財務省)は、大阪地検特捜部に提出した関連文書の存否を明らかにせず、不開示とした。
国側は、2021年6月に、「赤木ファイル」の存在を認め、一部を開示したが、その多くは黒塗りとされていた。
雅子さんは、2021年に、黒塗り部分の開示を求めて大阪地裁に提訴。2022年3月に、大阪地裁は訴えを棄却したが、雅子さんは、2022年4月に、大阪高裁に控訴した。
2025年1月30日、大阪高裁は、不開示決定を適法とした一審の大阪地裁判決を取り消し、原告(雅子さん)側の逆転勝訴となった。
- 財務省の文書不開示取り消し 森友問題、赤木さん妻逆転勝訴―大阪高裁(時事ドットコム、2025年1月30日)
この判決に対して、2月6日、国は最高裁への上告を断念した。
- 「やっとスタート」元職員の妻 財務省文書改ざん、国上告断念(共同通信、2025年2月6日)
1月30日の大阪高裁での判決後に行われた記者会見で、弁護団の阪口徳雄弁護士は、「財務省が隠蔽した文書、調査報告書が出てくれば、1からちゃんと、(森友問題の調査・検証を)やり直そうじゃないか、というのが、これからの一つの課題になってくる」と述べ、「自民党が多数を割ってしまったので、2017年、18年当時の情勢とは、変わってくるだろう」との見方を示した。
坂口弁護士は、「文書が出てくれば、森友問題をもう一度チェックしていける武器になる」と述べ、「これからが、森友文書をめぐる第2ラウンド」だと、期待を寄せた。
詳しくは、ぜひ記者会見の全編動画を御覧いただきたい。