森友文書不開示めぐる赤木俊夫さんの妻・雅子さんの訴訟、控訴審第四回の弁論が2024年8月23日大阪高等裁判所大法廷で行われた。
2021年8月に雅子さんが大阪地裁に提訴したこの裁判は、財務省や近畿財務局が大阪地検に任意提出した文書の公開を求めたものだった。判決では、検察の捜査手法などが推測されると「同種事件で罪証隠滅が容易になる可能性がある」、しかも赤木ファイルや決裁文書などの存否も回答拒否も不問にし、不開示決定は妥当という判決が言い渡された。
この判決を不服として控訴した雅子さんは、文書の内容が公になったとしても、同種事件の捜査に支障は生じないとし、財務相と当時の同局局長以外にもあらたに、元検事の郷原信郎弁護士の尋問も請求していた。さらに「国の審査会も、不開示決定を取り消すべきとの答申をしていて、審査制度を否定している」と主張していたが、この日の法廷で、牧賢二裁判長は、合議の上、郷原、鈴木、小宮のを含む三名の証人申請や郷原氏の意見書を却下した。
傍聴席からは「なんでやねん」「まじめにやれ」という怒号が飛んだ。原告席の雅子さんは、不満の表情をあらわしていた。
閉廷後の記者会見で、阪口徳雄弁護士は、裁判長に抗議すべきか迷ったことを明かした。「それは(裁判に)熱心ではなくても意外にいい判決する人もいますからね。ふたを開けてみないと分からん(わざわざ心証を悪くすることもない)」。
坂本団弁護士は「(情報公開法を)正しく理解しているとするならば、尋問なんかいらないですよ。正しく分かった上で証人尋問をしないということなのか、何も考えていなくて1審と判断を変えず、控訴を退ける『原判決維持』しておけばいいと、やる気がない裁判官が、やる気なく考えているだけなのか」と苦笑いしながら答えていた。
次回結審は、10月18日14時半からを予定している。