【IWJ号外】スコット・リッター氏が警鐘、世界は核戦争の「崖っぷち」! 現実を認識できず、危機意識のない米英が「ふざけて」世界を核戦争に突き落とす!「私達は核戦争に『ノー』と言う必要がある」!(前編) 2024.11.26

記事公開日:2024.11.26 テキスト
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(文・IWJ編集部)

 バイデン大統領が、西側諸国が提供する長距離ミサイル、エイタクムスやストームシャドーで、ロシアを攻撃する許可を出して以来、ウクライナ紛争が、ウクライナ対ロシアの構図を大きく超えて、米・NATO対ロシアの直接戦争へエスカレートする危険性が急速に高まってきました。

 ウクライナは、11月19日に米国製エイタクムスで、ロシア領ブリャンスクを攻撃、翌日の20日には英国製ストームシャドーでクルスクを立て続けに攻撃しました。

 これに対して、ロシアは対抗措置として、新型の極超音速ミサイル「オレシュニク」で、ウクライナ中部に位置するドニプロペトロフスク市近郊のミサイル工場を攻撃しました。

 元国連大量破壊兵器廃棄特別委員会の主任査察官であるスコット・リッター氏は、この一連の動きを、鋭い視点で分析しています。

  • On the Brink(Scott Ritter、Substack、2024年11月24日)

 スコット・リッター氏は、24日、『サブスタック』に「崖っぷち」という記事を出し、「ウクライナと米国および英国の同盟国は、ふざけていた(Fool around)」と、バイデン大統領や英国のスターマー首相が、ウクライナに長距離ミサイルのロシア領内への「使用許可」、ゴーサインを送ったことを強く批判しています。

 スコット・リッター氏は、記事の中で、「オレシュニク」ミサイルの特色や性能を詳しく分析しています。「オレシュニク」ミサイルによる攻撃の「戦果」を、ウクライナや、日本を含む西側の主要メディアはほとんど明らかにしていませんが、ドニプロペトロフスク市近郊のミサイル工場は、その地下製造施設を含めて、壊滅的な被害を受けた、とスコット・リッター氏は述べています。

 スコット・リッター氏は、将来、ウクライナまたはNATOが挑発行為を行った場合、「オレシュニク」は、「ロシアがNATOの目標を攻撃する場合、核兵器を使用することなく、攻撃が可能」になる、ゲームチェンジャーになる、と結論づけました。

 スコット・リッター氏は、「米国とその同盟国が、ロシア領土へのウクライナの攻撃を承認するという、危険な挑発が引き起こした危険を、認識しているかどうか」と自ら問い、残念ながら、答えは「おそらくそうではない」と結論づけています。

 「オレシュニク」の登場は、ロシアが戦術核兵器に頼らずに、NATOを攻撃できる、ゲームチェンジャーとなりうる画期的な兵器であるのに、ウクライナも西側諸国も、認識できていない、とリッター氏は分析しています。

 狂っているのは、プーチン政権下のロシアではなく、クレムリンではなく、政権末期のバイデン政権下の米国と、その「同盟国」のようです。

 米国の軍事戦略エリートの中には、米露核戦争となっても、先制核攻撃を用いれば、米本土を戦場にしないで、核戦争に勝ち、自国は覇権国として生き残れると、本気で信じている「狂信者」が、信じられないほど数多くいるようです。

 スコット・リッター氏がいうように、それは大間違いです。

 スコット・リッター氏は、危機意識を持たない、あるいは持つだけの知性が足りない米英・NATOが、この先もロシアを挑発し続け、核の「応酬」、つまり核ミサイルなどの撃ち合いという、核戦争を招く準備をしていると警鐘を鳴らし、この狂気を止めなければならないことを訴えています。

 誰も、どんな国も、全面核戦争によって、敵国に「勝つ」ことはできない。人類全体が絶滅し、「敗北」することになる。それは、火を見るより明らかです。

 以下に、スコット・リッター氏による「崖っぷち(On the Brink)」の全文仮訳・粗訳を、前編・後編の2回でお送りします。ぜひ、IWJ会員に登録して、全文をお読みください。


崖っぷち
スコット・リッター
11月24日

 「ふざければ、わかる(Fool around and find out)」という古い諺がある。

 11月19日、ウクライナは、ロシア領内の標的に向けて、米国製ミサイル6発を発射した。

 11月20日、ウクライナはロシア領内の標的に英国製ストームシャドー巡航ミサイルを1ダース発射した。

 11月21日、ロシアはウクライナ領内の標的に向けて、新型の中距離ミサイルを発射した。

 ウクライナと、米国および英国の同盟国は、ふざけていた。

 そして今になって、彼らは気づいた。もし「母なるロシア」を攻撃すれば、大きな代償を払うことになる、と。

 11月21日早朝、ロシアは、ウクライナの都市ドニプロペトロフスクにあるユズマシュ工場ミサイルを攻撃するミサイルを発射した。カプースチン・ヤールにあるロシアのミサイル試験場から発射されたこのミサイルが、目標に命中してから数時間後、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ロシアのテレビに出演した。

 プーチン大統領は、ロシアが発射したミサイルを、メディアと西側情報機関の両方が、2017年にロシアが保管していたRS-26ミサイルの実験的改良型だと分類したが、実際にはロシア語で「ヘーゼルナッツ」を意味する、「オレシュニク」と呼ばれる完全に新しい兵器であると発表した。

 プーチン大統領は、このミサイルはまだ試験段階にあり、ウクライナに対する戦闘発射はテストの一部であり、その言葉によれば、「成功」したと述べた。

 プーチン大統領は、音速の10倍以上の速度で目標に向かって飛ぶこのミサイルは無敵だと宣言した。「世界に存在する最新の防空システムや、米国が欧州で構築したミサイル防衛システムでは、このようなミサイルを迎撃することはできない」と、プーチン大統領は述べた。

 プーチン大統領は、オレシュニクは、米国がダークイーグル極超音速ミサイル(中距離ミサイル)の配備を計画していることに対抗して開発されたと述べた。オレシュニクは、米国とNATOの能力を「反映(mirror)」するように設計されたのである。

 翌日の11月22日、プーチン大統領は戦略ミサイル軍のセルゲイ・カラカイエフ司令官と会談し、そこでオレシュニク・ミサイルが直ちに量産に入ると発表された。

 カラカイエフ将軍によると、オレシュニクは配備されると、迎撃される恐れなしに、欧州のあらゆる標的を攻撃できるという。

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※はじめに~『ニューヨーク・タイムズ』が「バイデン政権が、米国製長射程ミサイルでロシア国内を攻撃することを、ウクライナに許可した」と報道! ウクライナ支援を制限し、停戦を公約に掲げているトランプ氏就任前に最後の悪あがきか!? ただし、ホワイトハウス、米国務省、米国防総省とも、公式な発表は何もなく、真偽は不明! 事実なら、ウクライナ対ロシアの構図から、欧米対ロシアの戦争に発展! こんな卑劣な大統領は前代未聞! バイデンこそ戦争犯罪者であり、訴追すべきではないのか!?(日刊IWJガイド、2024年11月19日)
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非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/54131#idx-1

※はじめに~ウクライナ軍が、米国製ATACMSミサイルでロシア領内を攻撃したことが明らかに! 一方、プーチン大統領は改定した核ドクトリンに署名!「ロシアが核保有国に支援された非核保有国によるいかなる攻撃も共同攻撃と見なす」との内容は、米国がウクライナに許可したATACMSミサイルでのロシア攻撃に該当! 退陣間際のバイデン政権が、停戦を公約に掲げたトランプ氏を選んだ直近の大統領選で示された「現在の民意」を踏み躙り、ウクライナ紛争の火に油を注いで、核戦争の危機に! スロバキアのフィツォ首相は、「和平交渉を妨害し、遅らせる試みだ」と非難!(日刊IWJガイド、2024年11月20日)
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非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/54133#idx-1

※はじめに~パンドラの箱は開けられた! ウクライナによるATACMS攻撃の災厄はNATOとロシアの直接対決だけではなかった! もう一つの災厄はNATO(ポーランド)による、ロシア領カリーニングラード奪取だった!?(日刊IWJガイド、2024年11月21日)
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非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/54137#idx-1

※はじめに~ウクライナが米国製ATACMSミサイルでロシアを攻撃した翌日、今度は英国製巡航ミサイル、ストームシャドーで攻撃! 米国防総省は「ロシアが核兵器を使用する準備をしている兆候はない」と、ロシアの核ドクトリン改定を軽視! しかし、ロシアは、米国の見立てを見透かしたように、弾道ミサイルでウクライナを直接攻撃! ウクライナはICBMだと発表したが、実際には、新型極超音速中距離弾道ミサイルだったとプーチン大統領が明らかに! これでは、西側のミサイル防空システムは役に立たず! ロシアが発したのは、米英にも届きうる核弾頭搭載可能な極超音速戦略兵器を、ロシアは使用しうるという警告に他ならない!
(日刊IWJガイド、2024年11月22日)
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