2024年4月23日午前8時45分より、東京都千代田区の環境省にて、伊藤信太郎環境大臣の定例会見が開催された。
会見冒頭、伊藤大臣より、「令和6年能登半島地震復旧復興支援本部」、「熱中症特別警戒アラート」についての発言があった。
続いて、伊藤大臣と各社記者との質疑応答となった。
IWJ記者は、PFAS問題について、次のように質問した。
「今月10日、米国の環境保護局(EPA)は飲み水のPFAS濃度の全国基準を最終決定しました。
PFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)がそれぞれ1リットルあたり、4ナノグラムと、世界的にも大変厳しい水準になり、PFNA(ピーエフエヌエー)やPFHxS(ピーエフヘクスエス)などほかの種類についても、1リットル当たり10ナノグラムとなり、PFOS/PFOA合計で1リットル当たり50ナノグラムという日本の暫定目標値より、はるかに厳しくなりました。
国内の汚染状況の監視と公表も義務付けられ、米国のPFAS問題に対する本気度がうかがえます。
翻って、日本は暫定目標値のままで、水質基準にもなっておりません。また、実態に合わせた疫学調査も行われておりません。
疫学調査・汚染の実態調査など、PFAS研究においては米国や欧州が進んでおり、日本の水道水の暫定目標値設定の際も欧米の数値を参考にしてこられましたが、今後、水質基準にしていくかも含め、日本の暫定目標値見直しにおいて参考とするお考えがありますでしょうか?
また、疫学調査や汚染の実態調査を行う意思や予定はおありでしょうか?」
この質問に対して、伊藤大臣は、以下の通り答弁した。
「御指摘のように、今回、米国環境保護庁が、飲料水中のPFASに関する規制値を公表したたことは、よく知っております。
一方、我が国では、食品安全委員会においてPFOSとPFOAの耐容一日摂取量、すなわち、生涯にわたって人が食品から摂取し続けても、健康に影響が出ないと推定される量について、今回の米国環境保護庁の規制値の根拠になる知見を含む最新の知見にもとづき、総合的な検討が行われております。
パブリックコメントも、本年の2月7日から1ヶ月間実施されたものと承知しております。
この水道水質に関する目標値については、今後、食品安全委員会の評価結果などを踏まえ、専門家の意見をうかがいながら検討を進めていくとしておりますが、今回、公表された米国の基準については、諸外国や国際機関における動きの一つとして参考にしてまいりたいと考えております」。
会見の詳細は、全編動画を御覧ください。