2023年4月14日午前9時15分頃より、東京都千代田区の環境省にて、西村明宏環境大臣の定例会見が開催された。
冒頭、西村大臣より、「花粉症に関する関係閣僚会議」について、および、4月15日(土)から16日(日)までの予定で、北海道札幌市で開催予定の「G7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合」についての2つの報告があった。
- G7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合(環境省)
続いて、大臣と各社記者との質疑応答となった。IWJ記者は、PFAS(有機フッ素化合物)について、以下の通り質問した。
「IWJの浜本と申します。PFASの関連になります。
現在、日本各地の河川・地下水、湧き水で指針値を超える高濃度のPFASが検出されています。東京・多摩地域住民の血液検査の分析を行った京都大学大学院の原田浩二准教授は、沖縄の米軍基地周辺のPFAS汚染同様、多摩地域のPFAS汚染は、『横田基地が汚染源の一つであることは疑いの余地はない』と発言されています。
沖縄県の米軍基地立ち入りも日米地位協定を理由に実現されていません。環境省としては、日米地位協定の中身を検討する日米合同委員会の分科会などで、立ち入り調査に対する要望など、PFAS汚染に関わる問題で米側と交渉することはありましたでしょうか?」
西村大臣は以下の通り回答した。
「今、ご指摘いただいた関係自治体、また、その関係した地元の住民の皆様から、PFASに対する不安や、さらなる対策を求める声が上がっているということは承知しております。そうした住民の皆様の不安の声、これを真摯に受けとめていく必要があるというふうに考えています。
こうした声や国際動向などを踏まえまして、環境省では今年の1月に専門家会議を設置して、検討を開始したところでございます。科学的知見にもとづいてですね、しっかりとしたものを調べて、そして、住民の皆様に公表していくということが、やはり、一番その不安の声にこたえることになろうと思います。
- PFASに対する総合戦略検討専門家会議(環境省)
ですので、そういった専門家会議を設置して、今、その専門家会議の皆さまにおいて、議論を深めていただいているところでございますので、その結果をもとにして、国民の皆さまの安全・安心のための取り組み、これをしっかり進めてまいりたいというふうに考えています」。
西村大臣は、「PFAS問題調査のために、米軍基地への立ち入り調査を、日米合同委員会に要望・交渉したか?」という、IWJ記者の質問の核心部分への回答をはぐらかした。
西村大臣が言及している「PFASに対する総合戦略検討専門家会議」については、この会議で、「誰が何をどのように議論し、何が決定されるのか」について、環境省のHPで公開される議事録などをチェックし、政府の動向について、厳しく監視していく必要がある。
詳細については、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。IWJ記者の質問部分は、全編動画の10分52秒あたりである。