レーガン政権で外交アドバイザリーを務め、現在はケイトー研究所のシニアフェローとして、多数のメディアで執筆活動を行う米国のコラムニスト、ダグ・バンドゥ氏が、隔月刊誌『The American Conservative』のウェブ版に、4月14日「ワシントンはウクライナ人が最後の一人になるまで戦う」という論文を発表した。
- Washington Will Fight Russia To The Last Ukrainian(The American Conservative、2022年4月14日)
この論文の副題は、「キエフは選択に直面している。国民のために平和を作るか、仮の友人たちのために戦争をするか」となっている。
この論文は、ダグ・バンドゥ氏による強烈なバイデン政権批判である。
岩上安身は、日刊ガイド4月21日号で、この論文についてこう紹介している。
「タイトルが、ものすごい。『ワシントンは、ウクライナ人が最後の1人となるまでロシアと戦う』というタイトルです。
主語は、『キエフ』ではありません。米国の首都の『ワシントン』です。『最後の1人になるまで戦う』のは『アメリカ』ではありません。『ウクライナ人』です。
ロシアとの停戦を望まない米国は、大量の武器をウクライナに供与し続け、ウクライナの戦いを支え続けると同時に、米国自身とNATOは、直接、出兵していません。ロシアと直接対決になったら、第3次世界大戦になる、というのがその理由です。
米国政府は、どんなに無法であっても、どんなに非道であっても、ロシアをつぶす戦いをやり抜くつもりです。自分自身は一切、傷を負わない形で。同盟国や、同盟国に入りたいと願った国々(ウクライナもそのひとつです。米国に守ってもらえると勘違いしたのです)を、粉々にすりつぶす形で、矢面に立たせ続けるつもりです。もちろん、ロシアもつぶされるわけにはいかないから、必死の抵抗を続けることでしょう。
この戦争が極限にまで、拡大するのか、破局に至る前に引き返すことができるのか、鍵を握っているのは、ひとえに米国です」